古代エジプト王家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 14:13 UTC 版)
メンフィス 声 - 神谷明 / 梶裕貴 古代エジプト王国の王(ファラオ)で、17歳の少年王。名前の由来は下エジプトの首都だったメンフィス。 第1話でキャロルたちに発掘されるが、何者かに盗まれた。その後、古美術商の仲間に外国へ棺桶ごと売られてしまったことが判明。 長い黒髪に女と見紛うばかりの美貌ながら、火のように激しい気性と勇猛果敢さで、残忍で冷酷な切れ者として名を知られる。エジプト王家の中では珍しく、王と王妃との間に生まれた嫡出子で、生まれながらにして完全なる王位継承権を持っていた。21世紀人ならではの英知、白い肌に金髪を有する容姿、明るく優しいが、人命を貴び、王者たる自分にも屈しない姿勢を見せ、自らとエジプトの危機を救い続けたキャロルに惹かれ、いつしか熱愛するようになり、幾多の障害を乗り越えて妃にする。 異母姉である女王アイシス、父ネフェルマアト王の後妻となったヌビアのタヒリ王女、ヒッタイトのミタムン王女、アルゴン王の寵姫ジャマリ、リビアのカーフラ王女、奴隷女メクメクなど、数多くの女性を虜にするほどの美貌の持ち主だが、キャロルと知り合う以前は女に興味を見せず、キャロルを見初めてからは、他は一顧だにしない一途さを持つ。キャロルに対する態度は情熱的な愛そのものである。キャロルに人の命の尊さを諭されるようになってからは若干丸くなったものの、本質はあまり変わらぬまま。姉のアイシス同様、非常に嫉妬深いため、キャロルの口から他の男(特に兄ライアン)の名前が出ただけで烈火の如く怒り出す。しかし、時や場所を遠く隔てていても、互いを呼ぶ声や生命の危機を察知するなど、不思議な力で強く結ばれ合っている。 幼い頃から姉アイシスに激しい恋愛感情を向けられてきたが、メンフィス自身は、自分を産んで間もなく亡くなった、顔も知らない母に代わって、守り育ててくれた姉に対し、母の面影を重ね合わせており、恋愛対象としてでなく、肉親としての情を抱くにとどまっている。 アイシス 声 - 杉山佳寿子 / 朴璐美 古代エジプト王国の第一王女で、下エジプトの女王と呼ばれている、メンフィスの異母姉。名前の由来はエジプト神話の女神イシス(Isis)をアルファベット読みしたもの。メンフィスとは異なり、母の身分は高くなかったが、幼い頃から神秘の力を持つ神殿の祭司として、周囲の尊敬を集めていた。 メンフィスのミイラが盗難に遭った夜、石室のもう一つの部屋で棺からよみがえり、異常に気付いたピラミッドの警備員2人を殺害。翌朝キャロルの前に現れ、リード家へ入り込む。キャロルたちがメンフィスの墓を暴いたことを知り、リード家に復讐を始める。キャロルと共に街へ出かけた際、古美術店へ行き店に出ていない(裏)商品(盗掘した物)を店主から見せられるが、メンフィスの首飾りがあるのを発見。弟の墓を盗んだ上、外国へ売り飛ばしたことを知り、店主を殺害、また娘の看病をしていたリード氏をコブラで殺害する。 その後、キャロルが復元しようと自宅へ持ち帰った石板を見て半狂乱に。実はこの石板、王位を狙う神官が邪魔な自身を呪殺しようと製作した物で、(あれが復元されれば…私は弟を見つけられず 古代へ戻らなければならない!!)と青くなる。この呪術板がある限り、アイシスは現代と古代を行き来することが出来ない。第1巻終盤に開催された古代展で、ライアンを殺害しようとするも失敗。さらに追い打ちをかけるように、石板の復元が進んで体が呪縛されていき、追い詰められた彼女はキャロルを古代エジプトへ誘拐する。 神殿の祭司としての魔力と、つややかな黒髪で神秘的で妖艶な魅力とを併せ持つ絶世の美女。弟メンフィスを熱愛しているが、古代エジプトでは純粋な血統を重んずるため、兄オシリスと妹イシスの結婚のように近親結婚は珍しいものではない。キャロルに限らず、最愛の弟メンフィスに近づく女にはまるで容赦なく、冷酷そのもの。ミタムン王女(古代ヒッタイトの項目参照)を焼き殺し、メンフィスに付き纏うカーフラ王女(その他の古代人の項目参照)を負傷させた。幼い頃から異母弟であるメンフィスを熱愛してその妃となることを望み、一旦はそれが叶うも、皮肉にもメンフィスはアイシスが復讐のため、古代へと引き摺りこんだキャロルに魅せられてしまう。王家の墓を暴いたことに加え、メンフィスの心を奪われたことにより、キャロルをさらに激しく憎悪し、ミタムン殺害の濡れ衣を着せようとする等、あらゆる手を使って抹殺を目論む。物語が進むにつれ、アイシスも知らない力が働くようになり、企みはことごとく失敗に終わる。ヒッタイト、アッシリアとの戦いを経て、幾度も奇跡を起こし、エジプトを大勝利へと導いたキャロルへと次第に人心が傾き、女王としての立場を脅かされるように。またメンフィスの面前でキャロルに辛くあたったことで、益々距離を置かれるようになる。その隙を窺うように接近してきたバビロニア王国の王ラガシュ(その他の古代人の項目参照)に取引を持ちかけられ、キャロルを殺す約束と引き換えに彼へと嫁ぎ、バビロニア王妃となる。王妃となった後も、表面上はともかく、ラガシュ王に心を開くことはなく、弟メンフィスのことを一途に思い続ける。一度はメンフィスと決別を迎えながらも思い切れず、いつかはエジプトに帰りたいと強く願っている。エジプトとバビロニアの戦争の中、古代に戻ったキャロルを待ち構え、キャロルの懐妊に逆上し死海に落として流産させた。のちにラガシュ王の子を身ごもっていることが発覚した。その後王子を産むが、メンフィスの子ではないと嘆く。
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