事象の地平面とは? わかりやすく解説

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じしょう‐の‐ちへいめん〔ジシヤウ‐〕【事象の地平面】

読み方:じしょうのちへいめん

事象の地平線


事象の地平面

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/29 06:55 UTC 版)

事象の地平面じしょうのちへいめん: event horizon)は、物理学相対性理論の概念で、情報伝達の境界面である。シュバルツシルト面事象の地平線じしょうのちへいせんということもある。


  1. ^ 宇宙の膨張は空間そのものの膨張であるため、光速を超えても相対性理論に反しない。空間の膨張は一般相対性理論の範疇であり、物体の運動が光速以上にならないのは特殊相対性理論の範疇における運動においてである。



事象の地平面

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:54 UTC 版)

ブラックホール」の記事における「事象の地平面」の解説

「事象の地平面」も参照 周囲は非常に強い重力によって時空著しくゆがめられ、ある半径より内側では脱出速度光速超えてしまう。この半径シュヴァルツシルト半径、この半径を持つ球面を事象の地平面(シュヴァルツシルト面)と呼ぶ。この中からは光であっても外に出てくることはできないので、現在天観測用いられているほぼ全ての光線電波出てこなくなる。ブラックホールは単に元の星の構成物質がシュヴァルツシルト半径よりも小さく圧縮されてしまった状態の天体であり、事象の地平面の位置に何かがあるではなくブラックホール向かって落下する物体は事象の地平面を超えて中心引き込まれて行く。 ブラックホール引力光速超えているため、ブラックホール向かって落下する物体離れた位置観測者から見ると、物体が事象の地平面に近づくにつれて光速近づくために、相対論的効果によって物体時間進み方が遅れるように見える。最終的に観測者からはブラックホール落ちていく物体は事象の地平面の位置永久に停止するように見える。同時に物体から出た光は重力による赤方偏移を受けるため、物体落ちていくにつれて次第赤くなりやがて可視光領域外れ見えなくなる。逆に落ちていく物体からすれば、事象の地平面を通過する頃には事象の地平面の外側時間進み方が大幅に高速化するように見えると想定されている。

※この「事象の地平面」の解説は、「ブラックホール」の解説の一部です。
「事象の地平面」を含む「ブラックホール」の記事については、「ブラックホール」の概要を参照ください。


事象の地平面

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 09:58 UTC 版)

カー解」の記事における「事象の地平面」の解説

カー計量ボイヤー・リンキスト座標による表現g r r {\displaystyle g_{rr}} 成分発散する場所、つまり、 Δ = 0 {\displaystyle \Delta =0} は事象の地平面を与える。エディントン・フィンケルシュタイン座標移れば Δ = 0 {\displaystyle \Delta =0} としても計量特異性示さないことから、ボイヤー・リンキスト座標による g r r {\displaystyle g_{rr}} 成分発散座標依存した特異性であることが分かるこのような特異点座標特異点Coordinate singularity)と呼ばれる遅速回転カー時空 M > | a | {\displaystyle M>|a|} を考え場合、 Δ = 0 {\displaystyle \Delta =0} は異な2つの根 r ± = M ± M 2 − a 2 {\displaystyle r_{\pm }=M\pm {\sqrt {M^{2}-a^{2}}}} を持つ。これらはシュヴァルツシルド時空への極限 a → 0 {\displaystyle a\to 0} で、事象の地平面 r + → 2 M {\displaystyle r_{+}\to 2M} および曲率特異点 r − → 0 {\displaystyle r_{-}\to 0} に対応する場所である。また、極限カー時空への極限 a → M {\displaystyle a\to M} で、 r ± → M {\displaystyle r_{\pm }\to M} となり、2つ地平面縮退する。 r = {\displaystyle r=} 一定面上での計量行列式計算 det ( g μ ν ) | r = c o n s t . = − Σ Δ sin 2 ⁡ θ {\displaystyle \det(g_{\mu \nu }){\Big |}_{r=const.}=-\Sigma \Delta \sin ^{2}\theta } から、 r = {\displaystyle r=} 一定面が Δ > 0 {\displaystyle \Delta >0} のとき時間的、 Δ < 0 {\displaystyle \Delta <0} のとき空間的、 Δ = 0 {\displaystyle \Delta =0} のとき光的であることが分かる。したがって、 Δ = 0 {\displaystyle \Delta =0} なる条件r = r ± {\displaystyle r=r_{\pm }} にある2つの光的超曲面表している。事象の地平面 r = r ± {\displaystyle r=r_{\pm }} 上の誘導計量 d s 2 | r = r ± {\displaystyle ds^{2}{\big |}_{r=r_{\pm }}} は、 d s 2 | r = r ± = Σ ± d θ 2 + 4 M 2 r ± 2 sin 2 ⁡ θ Σ ± ( d ϕ − Ω ± d t ) 2 {\displaystyle ds^{2}{\big |}_{r=r_{\pm }}=\Sigma _{\pm }d\theta ^{2}+{\frac {4M^{2}r_{\pm }^{2}\sin ^{2}\theta }{\Sigma _{\pm }}}\left(d\phi -\Omega _{\pm }dt\right)^{2}} となる。ここで、 Σ ± = Σ | r = r ± = 2 M r ± − a 2 sin 2 ⁡ θ , Ω ± = a 2 M r ± {\displaystyle \Sigma _{\pm }=\Sigma {\big |}_{r=r_{\pm }}=2Mr_{\pm }-a^{2}\sin ^{2}\theta \,,\quad \Omega _{\pm }={\frac {a}{2Mr_{\pm }}}} である。こうして、事象の地平面 r = r ± {\displaystyle r=r_{\pm }} 上の光的キリングベクトル場 ℓ ± = ∂ t + Ω ± ∂ ϕ {\displaystyle \ell _{\pm }=\partial _{t}+\Omega _{\pm }\partial _{\phi }} を得る。 ℓ ± {\displaystyle \ell _{\pm }} の積分曲線は光的曲線族を与え、それらは事象の地平面 r = r ± {\displaystyle r=r_{\pm }} 上において、角速度 Ω ± {\displaystyle \Omega _{\pm }} で ϕ {\displaystyle \phi } 方向回転している。 事象の地平面 r = r ± {\displaystyle r=r_{\pm }} の時刻 t = {\displaystyle t=} 一定 面上誘導計量 d s 2 | r = r ± , t = const. {\displaystyle ds^{2}{\big |}_{r=r_{\pm },\,t={\textrm {const.}}}} は、 d s 2 | r = r ± , t = const. = Σ ± d θ 2 + 4 M 2 r ± 2 sin 2 ⁡ θ Σ ± d ϕ 2 {\displaystyle ds^{2}{\big |}_{r=r_{\pm },\,t={\textrm {const.}}}=\Sigma _{\pm }d\theta ^{2}+{\frac {4M^{2}r_{\pm }^{2}\sin ^{2}\theta }{\Sigma _{\pm }}}d\phi ^{2}} となるから、事象の地平面は球対称でなく、扁平した楕円面となっている。回転大きくなる扁平大きくなる。事象の地平面 r = r ± {\displaystyle r=r_{\pm }} の面積は、 A ± = ∫ 0 2 π ∫ 0 π g θ θ g ϕ ϕ | r = r ± , t = const. d θ d ϕ = 8 π M r ± {\displaystyle A_{\pm }=\int _{0}^{2\pi }\int _{0}^{\pi }{\sqrt {g_{\theta \theta }g_{\phi \phi }}}{\big |}_{r=r_{\pm },\,t={\textrm {const.}}}d\theta d\phi =8\pi Mr_{\pm }} となる。

※この「事象の地平面」の解説は、「カー解」の解説の一部です。
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事象の地平面

出典:『Wiktionary』 (2021/08/07 02:09 UTC 版)

名詞

事象地平面じしょうのちへいめん

  1. (物理学) 電磁波伝達され情報知り得る領域と、光や電磁波到達できず観測できない領域との境界

類義語

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