ローレンツ‐へんかん〔‐ヘンクワン〕【ローレンツ変換】
ローレンツ変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 07:22 UTC 版)
ローレンツ変換(ローレンツへんかん、英: Lorentz transformation)は、2 つの慣性系の間の座標(時間座標と空間座標)を結びつける線形変換で、電磁気学と古典力学間の矛盾を回避するために、アイルランドのジョセフ・ラーモア(1897年)とオランダのヘンドリック・ローレンツ(1899年、1904年)により提案された。
- 1 ローレンツ変換とは
- 2 ローレンツ変換の概要
- 3 一般的ローレンツ変換
- 4 ローレンツ変換の分類
- 5 図
ローレンツ変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 05:35 UTC 版)
無限小ローレンツ変換 x μ → x ′ μ = x μ + ϵ μ ν x ν = x μ + 1 2 ( ϵ μ ν − ϵ ν μ ) x ν {\displaystyle x^{\mu }\to x'^{\mu }=x^{\mu }+\epsilon ^{\mu }{}_{\nu }x^{\nu }=x^{\mu }+{\tfrac {1}{2}}(\epsilon ^{\mu \nu }-\epsilon ^{\nu \mu })x_{\nu }} を考える。これに付随する場の無限小変換は ϕ i ( x ) → ϕ i ′ ( x ′ ) = ϕ i ( x ) − i 2 ϵ μ ν ( S μ ν ) i j ϕ j ( x ) {\displaystyle \phi _{i}(x)\to \phi '_{i}(x')=\phi _{i}(x)-{\tfrac {i}{2}}\epsilon ^{\mu \nu }(S_{\mu \nu })_{i}{}^{j}\phi _{j}(x)} を考える。ここで、行列 S μ ν {\displaystyle S_{\mu \nu }} は ( S μ ν ) i j = { 0 ( sclar ) i ( g μ i δ ν j − g ν i δ μ j ) ( vector ) i 4 ( γ μ γ ν − γ ν γ μ ) i j ( spinor ) {\displaystyle (S_{\mu \nu })_{i}{}^{j}=\left\{{\begin{array}{ll}0&({\text{sclar}})\\i(g_{\mu i}\delta _{\nu }^{j}-g_{\nu i}\delta _{\mu }^{j})&({\text{vector}})\\{\frac {i}{4}}(\gamma _{\mu }\gamma _{\nu }-\gamma _{\nu }\gamma _{\mu })_{i}{}^{j}\quad &({\text{spinor}})\\\end{array}}\right.} で定義される場のスピンである。 γ μ {\displaystyle \gamma _{\mu }} はガンマ行列である。 このとき、ネーターカレントは M ν ρ μ = x ν T ρ μ − x ρ T ν μ − i ∂ L ∂ ( ∂ μ ϕ i ) ( S ν ρ ) i j ϕ j {\displaystyle M_{\nu \rho }^{\mu }=x_{\nu }T_{\rho }^{\mu }-x_{\rho }T_{\nu }^{\mu }-i{\frac {\partial {\mathcal {L}}}{\partial (\partial _{\mu }\phi _{i})}}(S_{\nu \rho })_{i}{}^{j}\phi _{j}} となる。この M ν ρ μ {\displaystyle M_{\nu \rho }^{\mu }} を角運動量密度という。 M ν ρ μ {\displaystyle M_{\nu \rho }^{\mu }} は ν,λ について反対称である。保存則は ∂ μ M ν ρ μ = 0 {\displaystyle \partial _{\mu }M_{\nu \rho }^{\mu }=0} であり、角運動量の保存則を表している。対応するネーターチャージ M ν ρ = ∫ d 3 x M ν ρ 0 {\displaystyle M_{\nu \rho }=\int d^{3}x\,M_{\nu \rho }^{0}} は角運動量とブースト演算子となる。
※この「ローレンツ変換」の解説は、「ネーターの定理」の解説の一部です。
「ローレンツ変換」を含む「ネーターの定理」の記事については、「ネーターの定理」の概要を参照ください。
ローレンツ変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/27 15:19 UTC 版)
パラメータ β での xd 方向へのブーストを考えると、ローレンツ変換により { x ′ d = x d cosh β − x d + 1 sinh β x ′ d + 1 = x d + 1 cosh β − x d sinh β {\displaystyle {\begin{cases}x'^{d}=x^{d}\cosh \beta -x^{d+1}\sinh \beta \\x'^{d+1}=x^{d+1}\cosh \beta -x^{d}\sinh \beta \\\end{cases}}} となる。これを光円錐座標で表せば { x ′ + = e − β x + x ′ − = e + β x − {\displaystyle {\begin{cases}x'^{+}=\mathrm {e} ^{-\beta }x^{+}\\x'^{-}=\mathrm {e} ^{+\beta }x^{-}\\\end{cases}}} となる。従って、光円錐座標を用いればローレンツ変換で成分は混ざらない。
※この「ローレンツ変換」の解説は、「光円錐座標系」の解説の一部です。
「ローレンツ変換」を含む「光円錐座標系」の記事については、「光円錐座標系」の概要を参照ください。
ローレンツ変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 03:18 UTC 版)
実ミンコフスキー空間は、実数の順序四つ組 (x0, x1, x2, x3) 全体からなる四次元座標空間 R4 に二次形式 Q ( x 0 , x 1 , x 2 , x 3 ) = x 0 2 − x 1 2 − x 2 2 − x 3 2 {\displaystyle Q(x_{0},x_{1},x_{2},x_{3})=x_{0}^{2}-x_{1}^{2}-x_{2}^{2}-x_{3}^{2}} をあわせて考えたものである。特殊相対論の用語を借りれば、Q > 0 となる点は時間的 (timelike) であると考えられ、さらに x0 > 0 となる点は未来方向 (future-pointing) であるという。また、Q < 0 となる点は空間的 (spacelike) であるという。零錐 (null cone) S は Q=0 なる点全体の成す集合をいい、未来方向零錐 (future null cone) N+ は零錐の中でも x0> 0 なる点全体から成る。したがって、天球は R4 の原点を始点とする N+ 内の半直線全体の成す集合と同一視される。行列式が正で二次形式 Q と時間方向を保つ R4 上の線型変換全体の成す集合は制限ローレンツ群 SO+(1, 3) を成す。 天球の幾何学に関して、その変換群 SO+(1, 3) はスピノル上のスピン群の作用を見ることにより、メビウス変換の群 PSL(2, C) と同一視される (Penrose & Rindler 1986)。各 (x0, x1, x2, x3) ∈ R4 に対して、エルミート行列 X = [ x 0 + x 1 x 2 + i x 3 x 2 − i x 3 x 0 − x 1 ] {\displaystyle X={\begin{bmatrix}x_{0}+x_{1}&x_{2}+ix_{3}\\x_{2}-ix_{3}&x_{0}-x_{1}\end{bmatrix}}} を対応させれば、この行列 X の行列式は二次形式 Q(x0, x1, x2, x3) に等しい。このような行列全体の成す空間には、特殊線型群 SL(2, C) がその各元 A に対して X ↦ A X A ∗ {\displaystyle X\mapsto AXA^{*}} となるものとして作用する。det A = 1 であるから、SL(2, C) のこの作用は X の行列式を保つ。ゆえに、X の行列式と二次形式 Q との同一視を通して、SL(2, C) の各元はローレンツ変換として作用している。次元的な理由で SL(2,C) は SO(1, 3) の近傍を被覆するが、SL(2, C) は連結ゆえ、制限ローレンツ群 SO+(1, 3) の全体を被覆する。さらにいえば、上で与えた作用の核が {±I} なる部分群ならば、商をとることで群の同型 P S L ( 2 , C ) ≅ S O + ( 1 , 3 ) {\displaystyle {\mathit {PSL}}(2,\mathbb {C} )\cong {\mathit {SO}}^{+}(1,3)} が得られる。(x0, x1, x2, x3) がヌル、つまり行列 X の行列式が 0 であり、したがって複素二次元のベクトル ξ とその複素共軛によって X = ξ ξ ¯ T = ξ ξ ∗ {\displaystyle X=\xi {\bar {\xi }}^{T}=\xi \xi ^{*}} と直積に分解される場合に注意を向けよう。二次元ベクトル ξ には SL(2, C) が上で与えた作用と両立するような仕方で作用する。ここで、エルミート行列からなる空間における SL(2, C) の表現の核が {±I} となることは明らかである。 PSL(2, C) の天球への作用も立体射影を用いて幾何学的に記述することができる。まずは、x0 = 1 で与えられる R4 内の超平面を考え、その超平面と未来方向零錐 N+との交わりとして得られる球面 S+ と天球とを同一視する。この球面の北極 (1,0,0,1) から平面 x3 = 0 の上への立体射影は、x12 + x22 + x32 = 1 とするとき、 (1, x1, x2, x3) なる座標を持つ点を ( 1 , x 1 1 − x 3 , x 2 1 − x 3 , 0 ) {\displaystyle \left(1,{\frac {x_{1}}{1-x_{3}}},{\frac {x_{2}}{1-x_{3}}},0\right)} へ写す。 複素座標函数 ζ = x 1 + i x 2 1 − x 3 {\displaystyle \zeta ={\frac {x_{1}+ix_{2}}{1-x_{3}}}} を導入すれば、この立体射影の逆変換は S+ 上の各点 (x1, x2, x3) に対して x 1 = ζ + ζ ¯ ζ ζ ¯ + 1 x 2 = ζ − ζ ¯ i ( ζ ζ ¯ + 1 ) x 3 = ζ ζ ¯ − 1 ζ ζ ¯ + 1 {\displaystyle {\begin{aligned}x_{1}&={\frac {\zeta +{\bar {\zeta }}}{\zeta {\bar {\zeta }}+1}}\\x_{2}&={\frac {\zeta -{\bar {\zeta }}}{i(\zeta {\bar {\zeta }}+1)}}\\x_{3}&={\frac {\zeta {\bar {\zeta }}-1}{\zeta {\bar {\zeta }}+1}}\end{aligned}}} なる式で与えられる。N+ への SO+(1,3) の作用は超平面 S+ を保たないが、S+ の各点について(N+ の点と思って)作用させたものを、その移動先が再び S+ に属するように再スケールしてやることで、SO+(1, 3) を複素変数 ζ への作用まで込めて球面 S+ に作用させることができる。天球のこの表現から調べるのは用意ではないが、実はこの作用は一次分数変換による作用になっている。逆に、複素変数 ζ に関する任意の一次分数変換を、適当な(一意的に決まる)再スケールを施すことになるかもしれないが、一意的に N+ 上のローレンス変換にすることができる。 立体射影の記述をなるべく変えずにより作用が見やすくなるようにするには、変数 ζ = z : w を複素射影直線 CP1 に対する斉次座標の対の比と考えることである。この立体射影は、C2 − {0} から N+ への実スケールに関して斉二次の変換 ( z , w ) ↦ ( x 0 , x 1 , x 2 , x 3 ) = ( z z ¯ + w w ¯ , z w ¯ + w z ¯ , i − 1 ( z w ¯ − w z ¯ ) , z z ¯ − w w ¯ ) {\displaystyle (z,w)\mapsto (x_{0},x_{1},x_{2},x_{3})=(z{\bar {z}}+w{\bar {w}},z{\bar {w}}+w{\bar {z}},i^{-1}(z{\bar {w}}-w{\bar {z}}),z{\bar {z}}-w{\bar {w}})} にすることができて、これは zz + ww = 1 なるスケールに制限すれば、上で述べた対応に一致する。この式の各成分はちょうど、直積 [ x 0 + x 1 x 2 + i x 3 x 2 − i x 3 x 0 − x 1 ] = 2 [ z w ] [ z ¯ w ¯ ] {\displaystyle {\begin{bmatrix}x_{0}+x_{1}&x_{2}+ix_{3}\\x_{2}-ix_{3}&x_{0}-x_{1}\end{bmatrix}}=2{\begin{bmatrix}z\\w\end{bmatrix}}{\begin{bmatrix}{\bar {z}}&{\bar {w}}\end{bmatrix}}} から得られる。まとめると、制限ローレンツ群 SO+(1,3) の作用はメビウス群 PSL(2, C) のそれと一致する。このことは、以下の定義の動機付けになっている。n ≥ 2 に対して、 n-次元メビウス群 Möb(n) とは、n-次元球面 Sn からそれ自身への向きを保つ共形等距変換全体の成す群のことである。 ミンコフスキー空間 R1,n+1 内の零錐の未来方向半直線全体の成す空間として共形球面を実現することにより、Möb(n) と、行列式が正で時間方向を保つローレンツ変換全体の成す制限ローレンツ変換群 SO+(1, n + 1) との間に同型が存在する。
※この「ローレンツ変換」の解説は、「メビウス変換」の解説の一部です。
「ローレンツ変換」を含む「メビウス変換」の記事については、「メビウス変換」の概要を参照ください。
ローレンツ変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/01 08:02 UTC 版)
ガンマ行列により σ μ ν ≡ i 2 [ γ μ , γ ν ] = i 2 ( γ μ γ ν − γ ν γ μ ) {\displaystyle \sigma ^{\mu \nu }\equiv {\frac {i}{2}}[\gamma ^{\mu },\gamma ^{\nu }]={\frac {i}{2}}(\gamma ^{\mu }\gamma ^{\nu }-\gamma ^{\nu }\gamma ^{\mu })} で定義される行列 σμν を考える。このとき S μ ν = 1 2 σ μ ν {\displaystyle S_{\mu \nu }={\frac {1}{2}}\sigma _{\mu \nu }} はローレンツ代数を満たす。 [ S μ ν , S ρ σ ] = i ( − g μ ρ S ν σ + g ν ρ S μ σ + g μ σ S ν ρ − g ν σ S μ ρ ) {\displaystyle [S_{\mu \nu },S_{\rho \sigma }]=i(-g_{\mu \rho }S_{\nu \sigma }+g_{\nu \rho }S_{\mu \sigma }+g_{\mu \sigma }S_{\nu \rho }-g_{\nu \sigma }S_{\mu \rho })}
※この「ローレンツ変換」の解説は、「ガンマ行列」の解説の一部です。
「ローレンツ変換」を含む「ガンマ行列」の記事については、「ガンマ行列」の概要を参照ください。
ローレンツ変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/05 14:25 UTC 版)
「ミンコフスキー空間」の記事における「ローレンツ変換」の解説
ミンコフスキー空間 M からそれ自身への変換で、ミンコフスキー内積を保つようなものはローレンツ変換とよばれる。 詳細は「ローレンツ変換」、「ローレンツ群」、および「ホモトピー」を参照
※この「ローレンツ変換」の解説は、「ミンコフスキー空間」の解説の一部です。
「ローレンツ変換」を含む「ミンコフスキー空間」の記事については、「ミンコフスキー空間」の概要を参照ください。
ローレンツ変換と同じ種類の言葉
- ローレンツ変換のページへのリンク