ドライブ‐レコーダー
《(和)drive+recorder》「イベントデータレコーダー」に同じ。ドラレコ。DR。
ドライブレコーダー(どらいぶ・れこーだー)(drive recorder)
自動車のフロントガラスにつけた小型カメラで車両前方を撮影し続け、急ブレーキや衝突などの異常動作を感知すると、その前後15~30秒程度の映像とともに速度やブレーキの状態などを記録する。
交通事故が発生したとき、事故原因をめぐって当事者の証言に食い違いがあると、証言だけでは真実を解明できないことが多い。そこで、ドライブレコーダーに記録された映像から事故当時の様子を推定することができる。
ドライブレコーダーは、飛行機のフライトレコーダーのようなもので、交通事故があったときの原因解明につながる。また、ドライブレコーダーの搭載に積極的なタクシー業界では、ドライブレコーダーを搭載することで交通事故の発生率が減少すると報告されている。
茨城県つくば市にある日本自動車研究所は、ドライブレコーダーで発光ダイオード(LED)式信号機を撮影したとき、撮影のタイミングによっては信号の光が映らない場合のあるという調査結果を発表した。
(2006.08.21掲載)
ドライブレコーダー「事故時の第3の目」
航空機には、フライトレコーダーという運行状況を記録する装置が装備され、航空機事故の原因究明の際に重要な証拠として活用されています。しかし、全国各地で毎日約2,500件も発生している交通事故の原因究明は、従来、当事者の話と目撃証言だけに頼っていたのがほとんど。双方の話が食い違って検証に多くの時間がかかる場合も少なくありません。
そこで考えだされたのが、事故時の目撃者に代わり、事故の前後数十秒間を画像に記録する「ドライブレコーダー」(車載型画像記録装置)。
国土交通省の04年度実証実験で、具体的な効果が立証されています。タクシー会社3社を対象にした実験で、月間1台あたりの事故発生件数は装着前が0.102件だったのに対し、装着後は0.086件と、減少率は約15%。装置の有無が事故の抑止に直結していることがわかりました。
この効果を踏まえ、国はドライブレコーダーを活用した取り組みを進めています。国土交通省は、06年度から2010年度までの5年間の交通安全に関する計画で、安全運転を確保する重点施策の一つに「映像記録型ドライブレコーダーの普及」を挙げています。
ドライブレコーダーの装備は、タクシーや運送会社などの業種で導入され始めていますが、一般の人の認知度はまだまだ低いのが実態です。近年は、個人での購入もされるようになってきましたが、市場の拡大はこれからが本番。現在、事業者、個人向けに様々な製品が発売されています。
その中で、富士通テンのドライブレコーダーは、急ブレーキ時や事故による衝撃を受けた前後20秒の映像と音声を記録します。カメラと本体は分離されていて、ルームミラーの裏につけるカメラで撮られた映像は、常に本体部の半導体メモリーに記録。メモリーにある事故前の12秒間のデータと、事故後8秒間の映像を合わせ、事故前後の状況を記録するというもの。
ただでさえ人の記憶はあいまい。まして事故に遭えば、冷静な思考を保つのは困難です。しかし当事者の記憶ではない、第3の目が記録した映像は客観的で決定的な証拠。事故状況を正確に把握する決め手になります。
またその効果は、トラブル処理だけではなく、運転マナーの向上にもつながります。事故だけでなく急発進や急減速のデータも残ることから、この「記録されている」という心理環境が、安全運転の意識につながり、事故抑止に結びつくようです。さらに、急発進や急減速が減ることで、燃費の改善といった環境問題にも寄与できます。
将来、ドライブレコーダーが記録したデータから、急減速の行動傾向を分析し、どのポイントでブレーキを制御すれば、安全性能の高度化につながるかなど、画期的な安全技術が生まれるかも知れません。
ドライブレコーダーは今後の成長が見込まれている製品。民間調査会社の調査によると、2010年は出荷台数で06年度見込み比約2.7倍の25万台、市場規模は同比2.1倍の135億円とされています。
市場拡大の要因は、低価格化と普及を後押しする国の動向。エコドライブ管理システム(EMS)普及事業を行う運輸低公害車普及機構(東京都新宿区)は、富士通テンの運輸向けドライブレコーダーをEMS機器として認定。導入費用の3分の1を補助しています。燃費改善につながる装置として補助対象にしており、価格面の負担を減らし、利用を促しています。
(掲載日:2007/04/25)
ドライブレコーダー
【英】Event Data Recorder, EDR
ドライブレコーダーとは、自動車に搭載して走行中の状況を映像で記録する装置のことである。
ドライブレコーダーは、交通事故が発生した際の状況を記録するために用いられる。交通事故では当事者の証言やブレーキ痕のような限られた物証などを頼りに状況を推測せざるを得ないが、当事者の証言が互いに食い違うなど、必ずしも正確な状況把握が可能であるとは言えない問題がある。ドライブレコーダーを用いて事故直前・直後のデータを記録しておくことで、事故後により客観的な検証を行うことが可能になる。映像だけでなく速度やブレーキの使用状況などを記録することができるものも多い。
参照リンク
ドラレコの概要 - (国土交通省 自動車総合安全情報)
ドライブレコーダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/10 19:49 UTC 版)
ドライブレコーダー(和製英語:Drive Recorder)とは、車載型の映像記録装置。英語ではダッシュカム(英: Dashcam)と呼ばれるが、「ドライブレコーダー」に近い表現としてドライビングレコーダー(英: Driving Recorder)という表現もある。日本ではしばしば「ドラレコ」と略される。
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- ^ 富士通テン :富士通テン「ドライブレコーダーが日産自動車のオプションに採用」
- ^ 自動車運行管理システム事業撤退に関するお知らせ - HORIBA
- 1 ドライブレコーダーとは
- 2 ドライブレコーダーの概要
- 3 その他の事象の記録
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
ドライブレコーダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 04:43 UTC 版)
「イベントデータレコーダー」の記事における「ドライブレコーダー」の解説
詳細は「ドライブレコーダー」を参照 自動車事故発生時の状況を記録するための車載型の装置として、カメラで映像を記録するためのドライブレコーダーがある。ドライブレコーダーは後付けされるものが主流で、ユーザーが自分で購入して取り付けたり、ディーラーオプションとして取り付ける。 商用車向けドライブレコーダーでは、ブレーキを踏んだかどうかも記録する(EDRと同様)。
※この「ドライブレコーダー」の解説は、「イベントデータレコーダー」の解説の一部です。
「ドライブレコーダー」を含む「イベントデータレコーダー」の記事については、「イベントデータレコーダー」の概要を参照ください。
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