コロナ放電
コロナ放電(局部破壊放電)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 08:25 UTC 版)
コロナ放電(英語:Corona discharge)は尖った電極(針電極)の周りに不均一な電界が生じることにより起こる持続的な放電の総称。この際、針電極周辺に認められる発光部をコロナと呼ぶ。名称は放電で生じる発光が太陽のコロナと似ていることによる。コロナ放電によって流れる電流は小さく、数μA程度である。気体中にイオンを増加させることができるので集塵機などに応用されている。放電路の発光は電界の集中する針電極周囲に限定して認められる。火花放電においても、主放電路形成に先だって認められる。また、送電線においても雨天時などにしばしば発生する。 コロナの状態は針電極の極性と電極間にかける電位差により状態が変化する。特に正極側の針電極に発生するものを正針コロナ(正極性コロナあるいは正性コロナ)、負極の物を負針コロナ(負極性コロナあるいは負性コロナ)と呼ぶ。 針対平板ギャップにおけるコロナ放電の状態は次の通り。正針コロナ(針電極を陽極とした場合のコロナ)は電極間に架かる電圧の上昇とともに電極端部に密着したグローコロナ(膜状コロナとも)から音(コロナ音)を伴うブラシ状を経て払子状となり、全路破壊に至る。グローコロナが間欠的なものから持続的なものに変化する過程で短い(1mm程度)ストリーマ状(繊維状)の放電を伴う。払子コロナ(ストリーマコロナ)はストリーマが多数集まって成長したものである。払子コロナが対向平板電極に達すると全路破壊となり火花放電を生じる。ブラシコロナはギャップ長が短い(15cm以下)場合形成されず払子コロナに移行する。 負針コロナは正針コロナに比べ低い電圧で形成される。ストリーマを伴うグローコロナが形成されるが、正針コロナと異なり大きく成長する事はなく、グローコロナのまま全路破壊に至る。全路破壊に至る電圧は、ギャップ長が長い(3cm以上)場合正針コロナの場合よりも高くなる。 針対針ギャップの場合、払子コロナの形成は認められず、グローコロナとブラシコロナが認められる。大気中でギャップ長が10cm以下の場合、ブラシコロナの形成も無く全路破壊に至る。 高周波(10MHz以上)による放電の場合、電極間容量の充放電のため、全路破壊に至ること無く電極間に大きな電流(直流のコロナ放電の場合の100~1,000倍程度)が流れる。このため、コロナ部分の電子・イオン密度が非常に高く、温度も数千℃に達し、コロナの形状も大きく火炎状になる。これを火炎コロナと呼ぶ。
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コロナ放電
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 08:37 UTC 版)
コロナ放電は強電界の存在による流体(大気のような)におけるイオン生成現象である。電子は中性大気から分離され、陽イオンか電子が導体に引き付けられ、一方荷電粒子は漂流する。この効果は少なからぬ電力損失を引き起こし、可聴もしくはラジオ周波数の干渉を発生し、窒素酸化物やオゾンなどの有害物質を生成し、アーク放電を引き起こす。 交流と直流配電線は、前者は粒子を振動させる形で、後者は一定の風の形でそれぞれコロナを発生させうる。導体周辺の空間電荷のために、HVDCシステムには、同じ量のパワーを運ぶ高電圧交流システムのユニット長あたりおよそ半分の損失があるだろう。1条送電では印加された導体の極性を選択することが、コロナ放電を抑制する度合いにつながる。とりわけ、発生したイオンの極性は抑制可能で、微粒子の凝集に対する環境的な影響を持つかもしれない(異なる極性の粒子は異なる平均自由行程を持つ)。負極性コロナは正極性コロナより大幅にオゾンを生成し、より多くの送電線の「下降気流」を発生させ、健康に影響する可能性を引き起こす。正電圧を使用することは1条HVDC送電線におけるオゾンの影響を減少させるだろう。
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コロナ放電
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 08:40 UTC 版)
セントエルモの火は接地された物体から発生するコロナ放電によって発光プラズマが生成される電気現象である。球電はセントエルモの火と誤認されることがしばしばあるが、別の現象である。セントエルモの火は「火」と呼ばれるが実際にはプラズマであり、雷雨の時に木や尖塔といった高い物体、もしくは動物の頭の上でブラシもしくは光の星として観察される。 コロナは空気分子をイオン化する議論の物体の周囲の電場により引き起こされ、暗い場所で見やすくなるかすかな光を作り出す。セントエルモの火を起こすにはセンチメートルあたり約1,000 – 30,000ボルトが必要である。しかし、これは物体の構造に依存する。電場は曲率の高い領域により集中するため、尖った点では同じ結果を得るために低い電圧で済み、したがって尖った物体の端で放電が強くなる。セントエルモの火と普通の火花はともに高電圧が期待へ影響を与えるときに生じることがある。セントエルモの火は、雷雨の間に嵐の下の地面が帯電し、雲と地面の間の空気に高電圧がかかっているときに見られる。電圧が空気分子を引き裂き、空気が輝き始める。地球の大気中の窒素と酸素によりセントエルモの火は青や紫の蛍光を発する。これはネオンサインが光るメカニズムに似ている。
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