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なつめ‐そうせき【夏目漱石】


夏目漱石 なつめ そうせき

夏目漱石の肖像 その1
夏目漱石の肖像 その2
慶応3年1月5日大正5年12月9日(1867~1916

東京生まれ小説家。父は町方名主明治26年1893帝国大学英文科卒業後、松山中学、第五高校教師経て33年1900ロンドンへ留学帰国後、東大講師となる。『吾輩は猫である』(1905~06)によって文壇登場後40年(1907)朝日新聞入社し専属作家となった。『三四郎』(1908)『それから』(1909)『門』(1910)などを発表した後は、大病経て『こゝろ』(1914)『道草』(1915)『明暗』(1916)などの作品で近代知識人内面描いた当時全盛自然主義文学異な作風余裕派呼ばれ近代日本代表的作家とされる門下には森田草平小宮豊隆多く作家、文学者がいる。

キーワード 文学者
号・別称 金之助(きんのすけ)
著作等近代デジタルライブラリー収載
  1. 漾虚集 / 夏目漱石著 大書店, 明39.5 <YDM96307>
  2. 鶉籠 / 夏目漱石(金之助)著 春陽堂, 明40.1 <YDM92956>
  3. 文学論 / 夏目漱石著 大書店, 明40.5 <YDM84824>
  4. 吾輩ハ猫デアル. [1], [2], [3] / 夏目漱石著 大書店, 明38-40 <YDM95777>
  5. 草合 / 夏目漱石著 春陽堂, 明41.9 <YDM205124>
  6. 三四郎 / 夏目漱石著 春陽堂, 明42.5 <YDM93889>
  7. 文学評論 / 夏目漱石(金之助)著 春陽堂, 明42.3 <YDM84822>
  8. 漱石近什四篇 / 夏目漱石著 春陽堂, 明43.5 <YDM94322>
  9. それから / 夏目漱石著 春陽堂, 明43.1 <YDM94354>
  10. 切り抜き帖より / 夏目漱石著 春陽堂, 明44.8 <YDM96027>
  11. / 夏目漱石著 春陽堂, 1911 <YDM300821>
  12. 煤煙. [1], [2], [3], [4] / 森田草平米松)著 如山堂, 明43-大2 <YDM94916>

(注:この情報は、国立国会図書館ホームページ内の近代日本人の肖像」の内容を転載しております掲載内容の複製については、国立国会図書館の許諾を得る必要があります。)

夏目漱石

読み方:なつめ そうせき

小説家東京生。名は金之助。高師中学教師経て英国留学後、一高教授東大講師として英文学教える。高浜虚子勧め写生文を手がけ、『吾輩は猫である』を手始め多彩な創作活動展開した代表作に『三四郎』『それから』『門』『こゝろ』、遺作の『明暗』など多数の著がある。俳句は約三千句をなし、また晩年気品のある文人画を描く。作品追求した問題広く深く日本巨匠として世界広く紹介されている。大正5年1916)歿、50才。

夏目 漱石 (なつめ そうせき)

1867〜1916 (慶応3年大正5年)
小説家エリート地位捨て小説家に。今も読み継がれる名作次々発表
明治・大正期小説家本名金之助。江戸生れ東大卒生後間もなく塩原家に入るが、8歳のとき生家に戻る。松山熊本教鞭をとった後、1900年文部省留学生として英国留学帰国第一高等学校教授東京帝国大学文科大学講師となる。05年「我輩は猫である」を発表一躍文壇登場した。「坊つちやん」「草枕」などで人気作家地位築き余裕派よばれた07東京朝日新聞入社、「三四郎」「それから」「門」の中期三部作心理的作風示した修善寺の大患をへて「心」明暗」では苦悩する近代人描き則天去私志向した。

 年(和暦)
1867年 (慶応3年) 大政奉還 0才
1868年 (明治元年) 鳥羽・伏見の戦い 1才
1869年 (明治2年) 版籍奉還 2才
1871年 (明治4年) 廃藩置県 4才
1871年 (明治4年) 解放令 4才
1873年 (明治6年) 徴兵制布告 6才
1876年 (明治9年) 廃刀令 9才
1877年 (明治10年) 西南戦争 10
1877年 (明治10年) 東京大学設立 10
1882年 (明治15年) 上野動物園開園 15才
1883年 (明治16年) 鹿鳴館完成 16才
1889年 (明治22年) 大日本帝国憲法発布 22才
1894年 (明治27年) 日清戦争 27
1903年 (明治36年) 江戸開府300年 36
1904年 (明治37年) 日露戦争 37
1907年 (明治40年) 足尾銅山暴動 40
1910年 (明治43年) 韓国併合 43


内村 鑑三 1861年1930年 (文久元年昭和5年) +6
二葉亭 四迷 1864年1909年 (元治元年明治42年) +3
津田 梅子 1864年1929年 (元治元年昭和4年) +3
幸田 露伴 1867年1947年 (慶応3年昭和22年) 0
山田 美妙 1868年1910年 (明治元年明治43年) -1
川上 貞奴 1871年1946年 (明治4年昭和21年) -4
樋口 一葉 1872年1896年 (明治5年明治29年) -5

夏目漱石

夏目漱石の俳句

あんかうや孕み女の釣るし斬り
うかうかと我門過る月夜かな
ふるひ寄せて白魚崩れんばかりなり
ぶつぶつと大いなる田螺の不平かな
わが影の吹かれて長き枯野かな
人に死し鶴に生れて冴え返る
仏性は白き桔梗にこそあらめ
何となく寒いと我は思ふのみ
凩や海に夕日を吹き落す
切口の白き芭蕉の氷つく
別るるや夢一筋の天の川
剥製の鵙鳴かなくに昼淋し
叩かれて昼の蚊を吐く木魚哉
寒山か拾得か蚊に螫されしは
忘れしか知らぬ顔して畠打つ 
或夜雛娶りけり白い酒
春の夜や妻に教はる荻江節
春の水岩を抱いて流れけり
時鳥厠半ばに出かねたり
曼珠沙華あつけらかんと道の端
月に行く漱石妻を忘れたり
有る程の菊抛げ入れよ棺の中
木瓜咲くや漱石拙を守るべく
東西南北より吹雪かな
枯野原汽車に化けたる狸あり
某は案山子にて候雀どの
永き日や欠伸うつして別れ行く
洪水のあとに色なき茄子かな 
無人島の天子とならば涼しかろ
物いはぬ人と生れて打つ畠か
生きて仰ぐ空の高さよ赤蜻蛉
病んで夢む天の川より出水かな
秋の川真白な石を拾ひけり
秋の江に打ち込む杭の響かな
秋風やひびの入りたる胃の袋
秋風や唐紅の咽喉仏
秋風や屠られに行く牛の尻
立秋の紺落ち付くや伊予絣
罌粟の花さやうに散るは慮外なり
肩に来て人懐かしや赤蜻蛉
能もなき教師とならんあら涼し
腸に春滴るや粥の味
腸に春滴るや粥の味
草山に馬放ちけり秋の空
菫程な小さき人に生れたし
落ちさまにを伏せたる椿哉
蛍狩われを小川に落しけり
行く年や猫うづくまる膝の上
行春を琴掻き鳴らし掻き乱す 
親展の状燃え上る火鉢哉
 


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