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夏目漱石

(漱石 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/11 04:50 UTC 版)

夏目 漱石(なつめ そうせき、1867年2月9日慶応3年1月5日〉 - 1916年大正5年〉12月9日)は、日本教師小説家評論家英文学者俳人武蔵国江戸牛込馬場下横町(現:東京都新宿区喜久井町)出身。


注釈

  1. ^ 原武哲『喪章を着けた千円札の漱石―伝記と考証』(笠間書院 2003年 ISBN 978-4305702548)によれば9月19日と推測している。
  2. ^ 当時は学校のあった地名をとって一ツ橋中学ないし一ツ橋尋常中学とも呼ばれた。
  3. ^ 現在の成立学園とは無関係。
  4. ^ スコットランド出身のジェームズ・マードックにかわいがられ、教室以外でも先生の家に招かれて教えられ、「マードックさんは僕の先生だ。……英国人もあんな人許(ばかり)だと結構だが」と野間真綱宛ての書簡に書いたり、マードックの『日本史』に推薦文を書いたりしている(平川祐弘『漱石の師マードック先生』講談社学術文庫 1884年)。
  5. ^ 狩野宛書簡に「洋行中に英国人は馬鹿だと感じて帰つて来た。日本人が英国人を真似ろ\/と云ふのは何を真似ろと云ふのか今以て分からない」と書いている。
  6. ^

    この様子ではいつまで嘆願をしていても、とうてい見込がないと思い切った武右衛門君は突然かの偉大なる頭蓋骨を畳の上に圧しつけて、無言の裡に暗に訣別の意を表した。主人は「帰るかい」と云った。武右衛門君は悄然として薩摩下駄を引きずって門を出た。可愛想に。打ちゃって置くと巌頭の吟でも書いて華厳滝から飛び込むかも知れない。

    「しかし愚じゃないか、知りもしないところへ、いたずらに艶書を送るなんて、まるで常識をかいてるじゃないか」
    「いたずらは、たいがい常識をかいていまさあ。救っておやんなさい。功徳になりますよ。あの容子じゃ華厳の滝へ出掛けますよ

  7. ^ 夏目漱石『草枕』新潮社、昭和25年11月25日 1950、155-156頁。 

    昔し巌頭の吟を遺して、五十丈の飛瀑を直下して急湍に赴いた青年がある。余の視るところにては、彼の青年は美の一字のために、捨つべからざる命を捨てたるものと思う。死そのものは洵に壮烈である、ただその死を促がすの動機に至っては解しがたい。されども死そのものの壮烈をだに体し得ざるものが、いかにして藤村子の所作を嗤い得べき。彼らは壮烈の最後を遂ぐるの情趣を味い得ざるが故に、たとい正当の事情のもとにも、とうてい壮烈の最後を遂げ得べからざる制限ある点において、藤村子よりは人格として劣等であるから、嗤う権利がないものと余は主張する。

  8. ^ 夏目伸六の『父・漱石とその周辺』によれば次のよう。

    ふと眼を開けた父の最期の言葉は、

    「何か喰いたい」
     という、この期に及んで未だに満し得ぬ食欲への切実な願望だったのである。で、早速、医者の計いで一匙の葡萄酒が与えられることになったが、
    「うまい」

     父は最後の望みをこの一匙の葡萄酒のなかに味わって、又静かに眼を閉じたのである。

  9. ^ 彼は其所で疱瘡をした。大きくなつて聞くと、種痘が元で、本疱瘡を誘ひ出したのだといふ話であつた。彼は暗い簾子のうちで転げ廻つた。身の肉を所嫌はず掻きむしつて泣き叫んだ。〉「道草」(39)
  10. ^ 茂木健一郎所蔵。『アナザースカイ』(日本テレビ) 2009年7月3日放映分にて披露。100万円で購入したそうである。
  11. ^ 『硝子戸の中』に関連する記述あり。喜久井町#地名の由来参照。
  12. ^ 松岡陽子マックレインの息子(米国籍)は、息子(つまり漱石の玄孫)のミドルネームに Soseki と命名した。
  13. ^ 菊池寛との親交が深かったことで、「父・夏目漱石」(文藝春秋社)を発表した。
  14. ^ 門下生が集まれば必ず牛鍋を囲む。羊羹、お汁粉、ケーキなど甘いものが好きで、特にお気に入りは自家製アイスクリームだった。胃弱のためには大量の鶏肉を使ったスープを飲んでいたという。なぜか鳥類のもらい物も多かった。シャモ、カモ、山鳥、キジなどで、知人宅での雁の料理に舌鼓を打ったこともあったらしい(河内一郎『漱石、ジャムを舐める』新潮文庫
  15. ^ 「吾輩は-」には1か月に8缶も舐めたとの記述がある。
  16. ^ 医師の松本健次郎は「漱石非精神病説」を主張している。漱石の精神病説の根拠は熊本の五高を辞職する時に出された神経衰弱の診断書と、妻、夏目鏡子の回想記『漱石の思ひ出』などに描かれた漱石の言動の記述や、同書で東大精神科の呉秀三が、漱石を診断し、鏡子に漱石が病気であると告げたという記述があることであるが、辞職のために、五高に提出した診断書も書いた呉は、漱石が親しい菅虎雄の親友であり、また夏目家の家庭医、尼子四郎とも親しかった。当時、実家に戻っていた、鏡子を、尼子を通した依頼で呉が説得した言葉が、鏡子のなかで漱石が精神病者であるという記憶に変わっていったのではないかと主張している。『漱石の思ひ出』の記述を引用しただけの漱石の病跡学は学問的でないと主張している。『漱石の精神界』松本 健次郎 (著) 金剛出版 (1981/01) ISBN 4772401377
  17. ^ 山下浩初校ゲラを通してみた小宮豊隆の『夏目漱石』 を参照。
  18. ^ これより前に漱石が使用した例としては「同時にスコット一派の浪漫派を生まんがために存在した時期である。」(『野分』11章、1907年1月)が最も早い。また翌年の講演『創作家の態度』では「浪漫派」「浪漫主義」の語句が多く用いられている。
  19. ^ 初版は十字屋書店。昭和41年(1966年)に、朝日新聞社で新装再刊。
  20. ^ たとえば押韻の問題について全く踏まえていないなどの問題があるとされる[要出典]
  21. ^ 夏目漱石他著の小説文庫版の巻末参照

出典

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