NHKデジタル衛星ハイビジョン 沿革

NHKデジタル衛星ハイビジョン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 08:25 UTC 版)

沿革

  • 1989年6月3日 BS2で1時間の実験放送を開始。原則として14:00-15:00に放送。(大相撲期間中は17:00-18:00)これとは別に毎週日曜深夜(月曜未明)の原則として午前1:00-5:00にも「技術実験時間」としてハイビジョンの実験放送のほか、データ放送ファクシミリ放送といった放送を利用したマルチメディアの実験が行われ一般向け放送を休止していた。
  • 1991年11月25日 ハイビジョン試験放送開始
    • 事実上、世界初のハイビジョン専門のテレビ局であった
    • BS 9ch(アナログ)が割り当てられ、試験放送を当初1日7 - 8時間(日中中心)で開始。その後段階を追って放送時間を拡大していく(当時コールサインはハイビジョン普及協会に対しての割り当てとしてJO2C-BS-TVが用意された)。これに伴いBS2での実験放送が終了し、完全24時間放送(食の時期と、日曜日深夜 - 月曜未明は除く)へ移行した。
  • 1994年11月25日 実用化試験放送に移行
    • NHKと民放各局が曜日・時間帯を振分けて放送するようになる。(なお周波数の割り当ては従来どおりハイビジョン推進協会に当てられている)
    • NHK(呼出符号:JO341-BS-HDTV→1997年8月1日からJO241-BS-HDTV)は全曜日に対応で毎週水曜日(夏の高校野球期間中を除く)のみ全放送時間を、それ以外の曜日は1日につき5-6時間程度放送していた。
※以上ここまでの経緯についてはハイビジョン試験放送も参照。
  • 2000年
    衛星のスロット数22で放送を行う。
    放送開始当初の名称は「NHKデジタルハイビジョン」だったが2003年12月1日に開始された地上デジタルテレビジョン放送でもハイビジョン放送が行われることから、区別を付けるために放送終了まで使われた「NHKデジタル衛星ハイビジョン」という名称に変わった。
    従来の実用化試験放送はNHK所属の放送衛星局「NHKハイビジョン放送」(呼出符号:JO24-BS-HDTV)に移行され、デジタル衛星ハイビジョンと同内容の放送を行うことになった。放送開始当日の7:00 - 11:00は実用化試験放送の番組編成で放送された。これと、民放各局も関連会社を通じて独自のBSデジタル放送を一斉に開局したことに伴い、BS-9chの民放各局製作の放送はこの前日の2000年11月30日(当日の担当はWOWOW)をもって終了した。
    なおデジタル放送は受託放送事業者の株式会社放送衛星システムが一括して管理・コールサインを保有している関係からNHKは委託放送事業者として放送を行っているため、NHK単体でのコールサインはない。これは将来的なBS衛星放送の完全デジタル化を目指し、それへの移行を円滑に進めるための放送と位置づけている。[1]
    NHKデジタル衛星ハイビジョンは本放送開始当初からWOWOWのBSデジタルハイビジョン、BSジャパンと共にフルスペック(画素数1920×1080)によるハイビジョン放送を行っている。
  • 2005年10月 ウォーターマークの「BS hi」の大きさを変更
    • 従来より小さいものになる。
  • 2006年4月 相次ぐ不祥事による受信料収入の減少を受け、24時間放送を中止
    • ただし年に2〜3回行われる衛星放送機器メンテナンスの実施日(当該日の深夜から未明)を除き停波は行わないので、データ放送とEPGは従来どおり24時間利用可能とした。
    • 重大事件・事故・災害が発生した場合、オリンピックサッカーワールドカップの深夜中継実施時などは24時間放送または休止時間を最小45分(これまで最短の休止時間は15分)まで短縮する場合がある。
    • 2007年のアナログ放送終了に備えて、視聴者が自分でアナログ放送かどうかを識別できるようアナログ放送の透かしの「BS hi」の下に「アナログ」の透かし文字を追加(デジタル放送は変更なし)。これはアナログ放送のBS1、BS2でも2008年5月1日より同様の形式で表示されているほか、地上波の総合テレビ・教育テレビの各アナログ放送でも2011年7月24日のアナログ放送終了に備えて2008年7月24日以降同様の形式となる。
  • 2007年
    • 1月1日 地上波デジタル放送が全国で開始されたことや衛星放送全体の編成見直しによりそれまで放送されていた総合テレビの定時ニュース番組が全て姿を消し、BS2に1本化
      • 衆議院・参議院・統一地方選挙の選挙開票速報についても放送されなくなった(総合テレビとBS1に集約)。
      • ただし、災害・地震・津波などの緊急報道がある場合はこれまでどおり放送される。
      • 「NHKニュース速報」・緊急地震速報のテロップ表示も地震情報と同様、これまでどおり行われている。
    • また同時・時差放送されている総合テレビ・教育テレビの番組の一部についても2007年1月から4月にかけてBShiでの放送を打ち切り、BS2に集約された。大相撲中継も2007年3月春場所を以って当チャンネルでの生放送は廃止され深夜の大相撲・幕内の全取組のみの放送となったが、こちらも2010年3月春場所を以って終了した。
    • 一方、総合テレビより30分先行で放送している『連続テレビ小説』は今まで通り放送するほか新たに『土曜ドラマ』の先行放送(総合テレビより原則として3時間先行)が開始された。
    • ハイビジョン特集』では毎月1つのテーマを制定し、それに沿ったテーマの番組を放送する。
    • 9月30日 10月1日1時をもって、アナログのハイビジョン放送を終了。最終番組は「BS先取り情報」(24:55-25:00)。なお番組宣伝以外では「世界音楽紀行」(24:00-24:50)が実質最後だった
      • 放送終了を知らせるブルーバック画面に切り替わった。上記事項を知らせるため、アナログ放送では1分間の放送終了予告が放送された(NHKオンラインのサイト(リンク先の左側のページバー「放送終了へ向けたお知らせ・スポット」のアイコンを参照)[1]でも見ることができた)。
    • 10月31日 24時をもってアナログ放送を完全停波。
      • 1991年11月25日の試験放送開始以来続いていたBS 9chによるアナログハイビジョン放送は16年の歴史に終止符を打った[10]
    • 11月26日 デジタルハイビジョン放送での衛星で使うスロット数が24に増加。
      • 同時映像用MPEG2エンコーダを最新の物に更新した模様で、以上の相乗効果により画質が大幅に改善される。
    • 12月 「○○と過ごすハイビジョンの1日」と題して18時から深夜の放送終了までの間、各界著名人4人を「1日編集長」として招き各人がお気に入りとするBSハイビジョンの番組を集中放送した。
  • 2010年12月 BSデジタル放送の本放送開始10周年を記念し、また現行のデジタルハイビジョン放送終了に当たり、これまでの衛星放送の番組の中から特に反響の大きかった作品・国際番組賞などを受賞した作品を集中的にアンコールする「BSベスト・オブ・ベスト」が放送される。
  • 2011年3月11日 東日本大震災のため、発生直後より3月14日午前4:30まで、断続的に総合テレビジョンの震災報道特別番組を同時生放送し、予定番組を大幅に休止した。3月14日4:30以後通常の放送を再開しているが、BS2が教育テレビの震災放送(一部児童向け一般番組含む)を同時放送しているため、BS2で放送できなかった一部の番組の振り替えを実施している
    • このため、「連続テレビ小説てっぱん」は、総合・BS2を含め休止となった3月12日放送予定分を3月14日に振り替えて、当日は2本分を放送、3月14-19日の6回分は朝の放送に加え臨時処置として夕方にも再放送を実施した。3月19日から総合・BS2では放送を開始したが、BShiはBSプレミアムへの移行準備のため、当初予定の3月26日までで全放送日程を終了し、実質1週先行となった。
    • また「おひさま」は、BS2では放送せず、3月28日からBSP開局までの4回分はBShiで放送する予定にしていたが、放送が4月4日開始に1週順延されたため、BShiでも放送されなかった。
  • 2011年3月31日 現体制におけるNHK衛星放送の番組終了(24時で終了)。実質的な最終番組は「ダメージ3」(外国テレビドラマ)[11]。23:57-24:00の終了までは「NHKプレマップ」が放送された[12]。これに伴い現・BS1は「NHK BS1」、BS2は「NHK BS1 102ch」、BShiは「NHK BSプレミアム」に正式チャンネル名を変更して4月1日6時の放送開始よりハイビジョン放送へ移行するため(なお、BS1 102chは臨時chのため標準画質で、基本的には受信できない)、NHKデジタル衛星ハイビジョンの放送が完全終了して事実上世界初のハイビジョン専門の実用放送として開局した「ハイビジョン試験放送」時代から20年続いた歴史に終止符を打つ。103ch(ID番号3)は「NHK BSプレミアム」にそのまま引き継がれ、BS2で使用された102ch(ID2)は同日以後BS1の臨時チャンネル(臨時チャンネル休止中はテレビによって何も映らないか101ch(ID1)に誘導される[注 4])となり、BS1はそのままハイビジョン化した。
  • 暫定的に7月まで放送するアナログBSではBS2に割り当てられていたアナログBS物理11chに、BSプレミアムの放送をそのまま送っていた。

注釈

  1. ^ 2006年(平成18年)2月と6月の時点。2006年9月下旬にBSニュースセンターがハイビジョン対応となったことで、以降はハイビジョン放送となった。
  2. ^ 放送免許の有効期限は当初同年11月30日となっていた。終了から1か月の間はアナログハイビジョン放送が終了したことを告知する静止画が常時表示され、11月1日0時を以って完全に停波した。
  3. ^ 臨時チャンネルについては104chのみ引き継がれ、105chは廃止。
  4. ^ 但し2011年10月17日以後、予備チャンネルの番組表(BS1の102ch<ID2>、BSPの104ch)も常時表示され、自動誘導もされなくなった
  5. ^ 金曜日・土曜日の深夜には『ハイビジョン金曜シネマ』、『ウィークエンドシアター』と題した映画番組が編成されていたため、終了時間が変動しやすかった。
  6. ^ 放送休止中は「データ放送、EPGは利用できます」という旨の断り書きが書かれた静止画が表示されている。対して教育テレビでは、放送休止中はデータ放送が利用できなかった(現在は放送休止中でも利用可能)。
  7. ^ 大リーグ中継やプロ野球中継(デーゲーム)などが予定終了時刻を迎えても終了しなかった場合、このチャンネルで試合終了まで放映された。ただし、技術上の仕様により標準画質となる。
  8. ^ 104chが使用される場合は、5分ほど前からチャンネルの切り替え方についての説明が行われる。また、1分前にも再度説明が行われ、より詳しい動画が使われることもある。

出典






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