二式高等練習機とは? わかりやすく解説

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二式高等練習機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/06 00:46 UTC 版)

二式高等練習機(にしきこうとうれんしゅうき)は、第二次世界大戦時の大日本帝国陸軍練習機。試作名称(機体計画番号。キ番号)はキ79。略称・呼称は二式高練。開発・製造は満州飛行機

九七式戦闘機を高等練習機化した機体。

概要

1940年(昭和15年)に陸軍は旧式化しつつあった九七式戦闘機を単座および複座の高等練習機に転換する計画をたてた。開発は陸軍航空工廠と満州飛行機が共同で当たり、1941年(昭和16年)に試作1号機を完成させ、1942年(昭和17年)1月に二式高等練習機として制式採用となった。

九七戦からの主な変更点は、エンジンを低馬力のものに換装したこととそれに伴う重心位置の変更、プロペラの変更、開放型の風防(キャノピー)への変更等であった。単座の甲型と複座の乙型の他、計画・試作で終わった丙型と丁型(プロペラおよびエンジンの違い)が存在する。総生産機数は3,710機で、この中には1945年(昭和20年)に試作された木鋼製化された機体1機も含まれている。

操縦性能は九七戦の特性を受け継いで良好であり、整備もし易い機体だったため、部隊からは好評で終戦まで生産は続けられた。大戦末期には特攻機として使用された機体も少なからずあり、また日本本土空襲時には来襲するアメリカ軍機の邀撃にも一部が投入されている。1945年(昭和20年)2月16日には、飛行場掃射のため関東地方に初来襲したアメリカ海軍第58機動部隊空母艦載機千葉県横芝陸軍飛行場の第39教育飛行隊が二式高練で邀撃。戦死5名の被害を出すものの、F6F-5 1機を確実撃墜する戦果を残している(米海軍第80戦闘飛行隊機。撃墜機残骸確認)[1]。この戦果は古くはノモンハン事件で九七戦をもって、太平洋戦争大東亜戦争)では一式戦「隼」をもって活躍した飛行第1戦隊エース・パイロット、当時は第39教育飛行隊の教官でありこの邀撃に出撃した升澤正利少尉機とされる(助教である森脇伍長とともに撃墜を報告)。(海法秀一伍長は森脇伍長単機の撃墜だったと記している[2]。)

本機の現存機はインドネシアサトリア・マンダラ博物館英語版に、戦後のインドネシア独立戦争で使用された機体が展示されている。

スペック

  • 全長: 7.85 m
  • 全幅: 11.5 m
  • 全高: 3.28 m
  • 主翼面積: 18.56 m2
  • 全備重量: 1,300 kg
  • エンジン: 日立 ハ13甲 空冷単列星型9気筒エンジン 510 hp/2300 rpm(離昇) ×1
  • 最大速度: 340 km/h
  • 航続距離: 920 km
  • 乗員: 1~2 名
  • 武装: (型によって異なる)

脚注

  1. ^ ヘンリー・サカイダ(著)/梅本弘(訳)『日本陸軍航空隊のエース 1937-1945』、大日本絵画、2000年、p.15
  2. ^ 光人社NF文庫 九九式襲撃機ラバウル空戦録 P149 長機の大石中尉が被弾して戦場を離脱すると、森脇伍長は単機で雲底にへばりつき、下方を突き抜ける敵編隊の最後尾機に上方から垂直降下をおこない、射程距離百メートルで一撃をあびせかけた。彼が撃墜したグラマンの残骸を見ると、エンジン上部から操縦席にかけて七・七ミリ機銃弾の弾痕が十数発も確認された

関連項目


二式高等練習機(キ79)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/21 22:15 UTC 版)

九七式戦闘機」の記事における「二式高等練習機(キ79)」の解説

エンジン置き換えて練習機したもの詳細は「二式高等練習機」を参照

※この「二式高等練習機(キ79)」の解説は、「九七式戦闘機」の解説の一部です。
「二式高等練習機(キ79)」を含む「九七式戦闘機」の記事については、「九七式戦闘機」の概要を参照ください。

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