野沢雅子 人物

野沢雅子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/28 07:58 UTC 版)

人物

声優業の創生期から活躍しており、青二プロダクション創設メンバーのひとりでもある。現在は劇団ムーンライトの主宰・演出も手がけている。

父は画家の野沢蓼洲(のざわ りょうしゅう)[8][49]。母は野沢鶴[49]。両親とも江戸っ子だった[49]。叔母は松竹の女優である佐々木清野[8]。両親からは「まあちゃん」と呼ばれていた[49]

母親とは戸籍上では血が繋がっておらず、母が最初に結婚した際に流産してしまい、父と再婚しても子供ができなかっため、「野沢の血を絶えてしまってはいけない」ということで、他の女性と子供を作ったという。野沢は高校生くらいの思春期の頃、戸籍謄本を見て「養女」となっておりショックを受けたが、父からは「母は近所で有名なおしゃれできれいな人で家事をしなかったが、あなたを連れてきてからなりふりかまわずみんなが驚いたくらい夢中になって育てたんだよ」と言われ、母からも「あなたを産む時にお腹を痛めなかったけど、私が産んだ娘だとずっと思っている」と言われて野沢は「この人以外に私の母はいない」と強く思った。母や父は産みの親を大切にしており、家にもよく泊まりに来ていたという[31]

25歳の時に娘を出産[3][5][16]。『週刊TVガイド1969年4月4日号でのインタビューで、当時幼稚園児だった娘に対しての子育てについて「ものの良し悪しは自分で覚えるものと思うので、自分は干渉せず、何事も自分でやらせようという方針」と語り、“アンチ教育ママ”を自称していた[29]

独身時に劇団仲間と車で移動中にバイク事故を目撃する。全員が「あのバイクに乗っていた人は死んだ」と思う程の激しい事故だったが、その当該者が後に夫になる塚田正昭だった[50]

一人っ子である[10][49]

子供の頃は原っぱで男の子の中に一人混じってチャンバラをしているような下町っ子であり、いじめっ子の男の子をこらしめたりなど男勝りな性格だったという[3][10][21]田の中勇からは「男の僕からしても男らしかった」「感覚が下町っていうか、本当に男の子だった」と言われていた(野沢は田の中を「タノ子」と呼んでおり、田の中も野沢を「雅男」と呼んでいたという)[51]

影響を受けた役者はいないが、ただ好きで尊敬する女優である杉村春子山岡久乃奈良岡朋子たちの芝居はよく見に行っていたという[52]

趣味は計画無しのドライブ旅行、スポーツ観戦[13][14]

好きな言葉は「自由、夢、ハプニング」[2][34]

姿勢

新人時代、当時のアフレコ環境はまだ録音機材が充実しておらず、収録中のNGは全て最初からの録り直しとなった。そのため、NGを出すと「(申し訳なさで)気を失いそうになった」と回想しており、簡単にNGを出す最近の若手声優に対し「緊張感が足りない」「『NG大賞』なんて、当時の感覚からしたら信じられない」との考えを持っている。

「声優以前に俳優である」という考えから、デビュー間もない頃は“声優”と呼ばれることには抵抗があり、インタビューのたびに「舞台女優です」と訂正を求めていた[53][54]。現在は「“声優”と呼ばれることには抵抗がなく、むしろ誇りに思っている」と語っている[53][54]。元々声優志望ではなくテレビアニメは仕事のひとつという意識だったが、アニメの仕事が増えていき、『宇宙パトロールホッパ』などレギュラーの仕事を持つようになってからは楽しいという気持ちが大きくなっていった。洋画の吹き替えは生身の人間の芝居から極端に外れることはできないがアニメは無から有を作れるため自由自在にすごく楽しく演じられるといい、この頃から「私は声優です」と言えるようになってきたのだという[55]。また、「キャラクターのイメージを壊す」という理由で、テレビの顔出し出演を拒む声優が多い中、アニメ関連に限らず、バラエティ番組などにも本人登場で出演することがある。

「役に入り込むこと」と「役を演じ分けること」に必要なのは自分の引き出しを増やすことだといい、日常生活のウォッチングとリスニングが大事だという[56]。声優を目指す者に対しては読書を通じて想像力を養ってほしいと語っており、上品な言い回しが苦手な若手声優も目立つため日頃から読書や人間観察を続けることで解決できるとアドバイスを送っている。また「他人の評価を気にせず、見栄を張らないこと」、「こうしたら上手に聴こえるかな?などと考えてはダメ。大切なのはハートです。上手な言葉ではなく生きた言葉を発してほしい。技術なんてものは、後からいくらでも成長します。だからこそ、ハートのこもったセリフを心掛けてください」とも語っている[57]

タイガーマスク』に出演していた頃、貰い火で自宅が半焼した際には「仕事に穴を開けるわけにはいかない」と、近所から服を借りてスタジオに行き、火事のことはスタッフ・共演者の誰にも告げずにアフレコに臨んだことがある[22][58][59]。また、草尾毅は「体調が悪くても、一言も弱音を口にしない方」と語っている[60]

いなかっぺ大将』では愛川欽也と二人でアドリブを多く入れていた[61]。ただし、「生きたお芝居をするのと、私が好き勝手するというのは違う。私の勝手な解釈で勝手な流れを作ったら原作者の方にも失礼」という考えから、アドリブは時々はするがあまりやらないようにしているという[62]

「今までやった役でどの役が好きですか?」という質問には、「自分が演じた役はどれもかわいい」としつつも、「しいてあげるなら『ゲゲゲの鬼太郎』(第12作墓場鬼太郎)の鬼太郎、『銀河鉄道999』の星野鉄郎、そして『ドラゴンボール』の孫悟空の三つ」と語っている[63]。この3作は全て原作者によって選ばれた役である[64]

2012年時点では「今はどこまで続けたい、何歳までやりたいという目標はなくて、私はいつもギネスブックに載るまで続ける」[59]と語っていたが、2019年には最低でも100歳まで現役でいたいと発言している[65]


注釈

  1. ^ バオバブ・シンガーズのメンバーとしても参加している。
  2. ^ ただし例外として、番組開始時のみ世界観をつかむために単行本の1巻だけ購読したので、ある程度の展開は事前に内容を知っていた。
  3. ^ 悟空=山奥で一人暮らしの野生児、悟飯=両親が健在で、教育熱心な母により優等生、悟天=悟飯より自由で、父は知らないがお兄ちゃん子な甘えん坊
  4. ^ 「野ざわ…雅子」名義
  5. ^ 終了ではなく、一時休止扱い。再開に伴って『続・野沢の雅子さん』に改題された。
  6. ^ 新番組ではなく、再開扱い。『野沢の雅子さん』の2020年4月26日放送分にてアナウンスされたように、本来は7月に再開する予定だったが、新型コロナウイルスなどによる諸般の事情により、当初の予定から1か月遅れでの再開となった。TOKYO FMでも引き続き放送されているが、当番組は第1期の時とは異なり、FM大阪が番組キー局となっている。
  7. ^ 鳥嶋は毎月、堀井は隔月出演。鳥嶋メインホストの回は「漫画」をメインとした話題を取りあげ、縁のあるゲストを迎えている。

シリーズ一覧

  1. ^ テレビシリーズ(2000年)、特番『クリスマス・スペシャル 〜サイレント・イヴ〜』(2000年12月25日)、特番『春スペシャル 〜キミ サクラチルナカレ!!〜』(2001年4月2日)
  2. ^ 第1シリーズ(2002年)、第5シリーズ『BEAST+』(2006年)
  3. ^ 超武闘伝』『超武闘伝2』『ドラゴンボールZ』(1993年)、『武勇烈伝』『超武闘伝3』『偉大なる孫悟空伝説』『真サイヤ人絶滅計画 -宇宙編-』『真サイヤ人絶滅計画 -地球編-』『V.R.V.S.』『Z2 Super Battle』(1994年)、『アルティメットバトル22』『真武闘伝』(1995年)、『ハイパーディメンション』『偉大なるドラゴンボール伝説』『アニメデザイナー』(1996年)、『ファイナルバウト』(1997年)、『ドラゴンボールZ』(2003年)、『ドラゴンボールZ2』『舞空闘劇』『アドバンスアドベンチャー』(2004年)、『ドラゴンボールZ3』『データカードダス』『スパーキング!』『バトル体感かめはめ波』『舞空烈戦』(2005年)、『超ドラゴンボールZ』『データカードダス2』『真武道会』『スパーキング!ネオ』『バトル体感かめはめ波2』『キャラメダルアイランド』(2006年)、『爆烈IMPACT』『遥かなる悟空伝説』『真武道会2』『スパーキング!メテオ』『スカウターバトル体感かめはめ波』(2007年)、『W爆烈IMPACT』『バーストリミット』『DS』『バトル体感ゴムゴムのかめはめ波』『インフィニットワールド』(2008年)、『ドラゴンバトラーズ』『改 サイヤ人来襲』『天下一大冒険』『レイジングブラスト』(2009年)、『DS2 突撃!レッドリボン軍』『タッグバーサス』『ヒーローズ』『レイジングブラスト2』(2010年)、『アルティメット武闘伝』『ZENKAIバトルロイヤル』『アルティメットブラスト』(2011年)、『タップバトル』『アルティメットミッション』(2013年)、『BATTLE OF Z』『アルティメットスワイプ』『アルティメットミッション2』『ディスクロス』(2014年)、『ドッカンバトル』『ゼノバース』『超究極武闘伝』(2015年)、『フュージョンズ』『ゼノバース2』『スーパードラゴンボールヒーローズ』(2016年)、『アルティメットミッションX』(2017年)、『ファイターズ』『クロスキーパーズ』『レジェンズ』『ブッチギリマッチ』(2018年)、『龙珠 觉醒(龍珠Z 覚醒)』『ワールドミッション』『龙珠 最强之战(龍珠 最强之战)』(2019年)、『カカロット』(2020年)、『ザ ブレイカーズ』(2022年)
  4. ^ 海賊無双』(2012年)、『海賊無双3』(2015年)

出典

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