第36回スーパーボウル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 09:54 UTC 版)
試合内容
ドライブごとの試合経過 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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前半
試合はペイトリオッツのキックオフで始まった。ラムズは2度目のドライブで52ヤードのFGを決め先制するがペイトリオッツにうまく守られ第1Qを3点で終える。ペイトリオッツオフェンスは淡白とも言えたが堅実な攻めでボールを運び、キックオフリターンからのファーストドライブ以外はラムズオフェンスを自陣20ヤード、22ヤード、19ヤードから始めさせることで良い位置でディフェンスにつなげ好機をうかがった。3-0の時点でテレビ放送を通じてFOXが行った「どちらが優勢か」というクイックリサーチでは58%がペイトリオッツと回答した。試合が大きく動いたのは第2Q残り8分49秒、ペイトリオッツのCBタイ・ローがワーナーのパスをINTするとそのまま47ヤードのリターンTDを決めペイトリオッツが得意のディフェンスで7-3とリードを奪った。ワーナーはWRアイザック・ブルースへのパスを狙ったがLBマイク・ブレイベルのラッシュを受けたためコントロールを誤り、ローのビッグプレーにつながった。ラムズのオフェンスラインはTロッド・ジョーンズがブロックする選手を間違えたため、ブレイベルを完全にフリーでラッシュさせてしまった。
その後もロウヤー・ミロイがあと少しでINTというプレーを見せるなどペイトリオッツディフェンスを崩せないラムズは前半残り1分33秒、ワーナーがWRリッキー・プロールにパスを通したがランアフターキャッチでタックルを受けファンブルしてしまいペイトリオッツがリカバーした。ディフェンスのビッグプレーで敵陣40ヤードからの絶好の得点チャンスを得たペイトリオッツは前半残り36秒で敵陣8ヤードまで攻め込むと、最後はブレイディがWRデイビッド・パッテンにTDパスを決め14-3とリードを広げた。CBのマンカバーを振り切ったパッテンは難しい体勢であったが見事にキャッチしTDを決めた。キャッチにはオフィシャルレビューがかかったが判定は覆らなかった。続くキックリターンでラムズはマーシャル・フォークをリターナーに置いたがリターンできず、14-3で前半を終えた。
前半はペイトリオッツがラムズの強力オフェンスを押さえこみ、奪った2つのターンオーバーをしっかりとTDにつなげた。パスディフェンスではQBワーナーにプレッシャーをかけミスを誘い、WRにはバンプとハードヒットで自由にプレーさせなかった。マーシャル・フォークは稀にらしいプレーを見せたが、ペイトリオッツは集まりの速いディフェンスでビッグプレーやコンスタントなゲインを許さなかった。フォークはパスプレーの際はLBから痛烈なバンプを仕掛けられてパスルートに出るタイミングを狂わされ、ターンオーバーがあった際は強烈なブロックを見舞われた。ペイトリオッツオフェンスはQBブレイディがパスわずか67ヤードであったが11回中7回成功、投げたパス全てが20ヤード以内と堅実なプレーを見せた。ラムズはスペシャルチームがトロイ・ブラウンに良いリターンを許さずディフェンスもしっかりとペイトリオッツオフェンスを抑えていた。ラムズは獲得ヤードではペイトリオッツを上回ったが2つのターンオーバーが大きく響いていた。
後半
後半はペイトリオッツのリターンで始まる。前半の展開は多くのファンを驚かせたが、FOXが行ったクイックリサーチでは51%が「ラムズは逆転できる」と答えた。両チームともある程度まで攻め込むもパントに終わるという展開が続くが、第3Q残り3分55秒でワーナーがこの日2度目のINTを喫してしまう。この場面ではWRトリー・ホルトがベテランCBオーティス・スミスにバンプされたあとにスリップしてしまい、タイミングで投げていたワーナーのパスはフリーでスミスにキャッチされてしまった。スミスのロングリターンで敵陣33ヤードからのオフェンスを得たペイトリオッツだったが、ここはラムズディフェンスが踏ん張りFGの3点に終わった。
ペイトリオッツのリードは14点に広がったが、続くドライブでラムズは敵陣3ヤードまで攻め込む。ゴール前でのパスは通らず4thダウンとなるが、ラムズは4thダウンギャンブルを行う。ワーナーは左サイドへのパスを狙うもパスコースが見つからずプレッシャーを受けたため右にQBスクランブルを仕掛けるが、ゴール前でタックルされるとここで痛恨のファンブルを犯す。これをリカバーされてペイトリオッツの97ヤードのリターンTDが決まり雌雄は決したかと思われたが、パスディフェンスの際LBウィリー・マクギネストがホールディングの反則を犯していたためリターンTDは取り消された。もう一度攻撃権を得たラムズはワーナーのQBスニークでTDをあげ17-10とその差を7点とした。ここまでペイトリオッツディフェンスの多彩なスキームに苦戦していたラムズだが、ワーナーのパスを中心に12プレーで77ヤード、6分47秒のロングドライブを決めて7点差まで追い上げた。
続くペイトリオッツのオフェンスを3ダウンアウトに抑えると、ラムズは自陣深くからはじまったオフェンスをテンポよく進め敵陣38ヤードまで攻め込んだ。しかしパスを狙ったワーナーがマクギネストにサックを受け16ヤードのビッグロスとなり、結局パントで攻撃を終えた。ペイトリオッツのオフェンスはまたも3ダウンアウトに終わるが試合時間は残り2分となった。攻守にわたって守りに入ったペイトリオッツであったが、続くプレーでこの試合素晴らしいキックを連発していたケン・ウォルターのパントがわずか30ヤードのミスキックとなってしまいラムズに自陣45ヤードからの攻撃を許してしまう。ここで引いて守りに入ったペイトリオッツディフェンス相手にラムズオフェンスが一気に襲いかかる。2本のパスであっという間に敵陣26ヤードまで攻め込むと、最後はWRプロールにTDパスが決まりついに17-17の同点となった。TDの場面ではマンカバーを敷いていたペイトリオッツディフェンスがラムズのレシーバー陣が交差した際に味方同士でぶつかってマークを外してしまい、その結果ビッグプレーを許してしまった。
勢いに乗ったラムズは続くトロイ・ブラウンのキックオフ・リターンを素晴らしいカバーで止め、ペイトリオッツは自陣17ヤードからの攻撃となった。3つのタイムアウトをすでに使い切っていたこともあり、解説を務めていたジョン・マッデンは「フィールドポジションも悪く、タイムアウトが一つも無い中で新人QBがFG圏内にまで持っていくのは無理だ。オーバータイムにもつれるだろう。」と解説していた。しかし残り1分21秒からのドライブをブレイディはスパイクを交えながら3回連続でRBのJ・R・レドモンドにパスを通し前進していく。いずれも短いゲインに終わりこの時点ではまだ自陣41ヤードであったが、ここでブレイディが左サイドのトロイ・ブラウンに23ヤードのロングパスを決めついにFG圏内まで進入する。さらにTEジャーメイン・ウィギンズにパスを通して敵陣30ヤード地点まで攻め込むとスパイクで時計を止め、試合時間は残り7秒となった。勝負の行方はスーパーボウル出場の立役者でもあるKアダム・ビナティエリのキックに委ねられ、最後は48ヤードの決勝FGがゴールポストの真ん中に完璧に決まり同時にタイムアップとなった。
圧倒的不利と言われたペイトリオッツが劇的な勝利でNFL史上に残る番狂わせを演じ[2]、チーム史上初のスーパーボウル制覇を成し遂げた。
- ^ http://tvbythenumbers.com/2009/01/18/historical-super-bowl-tv-ratings/11044
- ^ “HOT OFF THE GRIDIRON #68”. 2010年8月16日閲覧。
- ^ a b “Fan vote helps Brady eke out MVP”. St. Petersburg Times (2002年2月8日). 2008年3月22日閲覧。
- ^ “Top 10 Super Bowl Halftime shows”. SI.com. 2009年2月1日閲覧。
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