新島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/20 00:02 UTC 版)
産業
- 漁業
- 島の近辺には黒潮が流れており、サバ、アカイカ、イセエビ、トビウオ、カンパチ、マダイ、ヒラマサなど様々な魚が釣れるほか、シュモクザメなども存在している。アオムロやサメなどの魚を干物にしたくさやが有名であり、魚の加工品が多く売られる他、島の民宿では釣れたての魚の刺身なども提供される。
- 農業
- アシタバの他、芋の栽培などが盛んで、その加工品としてはアシタバのてんぷらや、芋を利用したワイン・焼酎が主である。詳しくは下記の特産品参照。他に、小規模にスイカ・トマト・ナス・トウモロコシなどを栽培する者も多い。
- 商業、観光業
- 新島は若者や家族連れの海水浴客、及びサーファーに着眼した観光業が盛んである。島内には無料の温泉施設やバーベキュー場・無料キャンプ場があり海沿いには無料シャワー、無料駐車場も併設されている。一方、サーフショップは小規模な店舗に限られることや、海沿いに飲食店や雑貨屋がほとんど無い、又スーパーストアや酒屋、薬局は全て早い時間に閉店する等、観光客にはやや不便な面もある。
観光
1980年代には『新島の伝説』のような曲がリリースされるなど「ナンパの島」などと呼ばれていた[9]が、現在は家族連れの観光客やサーファーが訪れる島である。
海水浴・サーフィン・釣り
![](https://weblio.hs.llnwd.net/e7/redirect?dictCode=WKPJA&url=https%3A%2F%2Fupload.wikimedia.org%2Fwikipedia%2Fcommons%2Fthumb%2F7%2F74%2FNiijima_Habushiura_Beach.jpg%2F220px-Niijima_Habushiura_Beach.jpg)
新島には多数の海岸が存在し、ほとんど全てに無料のシャワーが設置されている。
羽伏浦海岸は世界的にも有名なサーフスポットであり、世界プロサーフィン連盟 (ASP) の大会にも使用され、ジェリー・ロペスやアンディ・アイアンズ、ケリー・スレーターなど古今東西のトッププロも訪れた。近年も日本のトッププロやトップアマチュアを決める日本プロサーフィン連盟 (JPSA)、日本サーフィン連盟 (NSA) のツアーに使用されたり、東京都知事杯の大会が開かれるなどしている。ビーチブレイクなため、時期や台風などのせいで地形が変わることがある。しかし、島嶼特有の条件として海底が急激に浅くなっているため、遠洋からパワーを維持したまま到達した波が一気に掘れ上がり、チューブを巻くことも多くある。パワーがあるとは言え、基本的には流れが強いわけではなく初心者でもサーフィンを楽しめるが、波が大きな時には特にインサイドで激しい流れが起きるので、注意が必要。また、大型のヒラメやマダイが釣れることでも有名。
淡井浦海岸も羽伏浦と同じ方角にあり、サーフィンの出来る良い波が立つが、村内から離れているため海水浴客がいることは稀である。ここにも無料シャワーは設置されている。
前浜海岸はテトラポッドや桟橋に囲まれている。そのため波があまり来ず、水の透明度がかなり高くなっており、海水浴向きのビーチである。やや遠浅で、波打ち際の海中ではコチの稚魚やフグなど様々な魚が発見出来る。桟橋からは自由に釣りをすることも出来、サバやアジ・タカベ、カンパチ、マダイ、メジナなど様々な魚が釣れ、高級食材でもあるアカイカなどは時期や年によっては入れ食い状態となる。
若郷前浜海岸は、上記の通り黒砂の海岸である。若郷に通じる旧トンネルは2000年の群発地震により閉鎖され、2004年に開通した新トンネルは自転車、歩行者の通行が禁止されているため注意を要する。
間々下海岸からは式根島が臨める。また、鳥島という小島に歩いて行くことが出来たり、海中に岩などがあることから、海水浴やシュノーケリングなどを楽しむことが出来る。台風などで他所がクローズするほどサイズが上がった時にはサーフィンをすることも出来るが、岩があるために注意が必要である。
その他
![](https://weblio.hs.llnwd.net/e7/redirect?dictCode=WKPJA&url=https%3A%2F%2Fupload.wikimedia.org%2Fwikipedia%2Fcommons%2Fthumb%2F9%2F9e%2FNiijima_choeiji_temple.jpg%2F240px-Niijima_choeiji_temple.jpg)
伊豆七島で最大規模の十三社神社、日本の離島で最長の2878mを誇る平成新島トンネル、日蓮宗三松山長榮寺、白ママ断崖、エビネ公園、流人墓地、謎の榎、富士見峠、向山展望台、親水公園、原町の井戸(まいまいず井戸)、防衛省防衛装備庁ミサイル試射場など多数の観光スポットがある[10]。
- 間々下温泉
-
- 泉質:ナトリウム-塩化物泉
- 温泉温度:79.8℃
- 湯の浜露天温泉
- 島の特産であるコーガ石を使用したパルテノン神殿風の建築で、海岸の高台に建てられているため、ここから見る夕日は絶景。無料の更衣室やシャワーもあり24時間稼動で入浴料は無料。混浴のため水着着用である。
- 新島村温泉ロッジ
- 新島村で唯一の温泉宿泊施設。露天風呂はなく、内風呂のみ。
- まました温泉(地域休養施設)
- 水着無しで利用できる内湯。サウナ、露天温泉に加え、新島の砂を使用した砂風呂が併設されている。
- 泉質:ナトリウム-塩化物泉
- モヤイ像
- 島の至る所には特産の抗火石を使用したモヤイ像がある。かつて村のイベントとして島のアーティストや一般人など多くの人によって彫られたもので、様々な表情がある。また渋谷駅にあるモヤイ像は新島村から寄贈されたもので、新島でモヤイ像加工を行う大後友市によって彫刻された。
- なお、「モヤイ」は島の方言で「催合」と書き、「力を合わせる」といった意味。彫刻者によれば石像の造形について、知名度の高いイースター島のモアイ像を模した部分はあるとのことだが、直接的な関係は無い。
- 新島村博物館
- 新島の歴史、サーフィン史などを紹介。
- 新島ガラスアートセンター
- 新島特産の抗火石から精製されたガラス製品の展示、製造、販売を行っている。また、製作体験を行うことも可能。
- 羽伏浦キャンプ場
- 羽伏浦海岸や新島スポーツ広場に隣接し、設営可能テントは200張にのぼる広大な無料キャンプ場。かつてキャンプ場は前浜海岸沿いにあったが、2000年に発生した群発地震の影響で閉鎖され羽伏浦に移転した。 トイレ、シャワー、炊事棟が完備されており、数は限られるものの炊事用品も無料で使用可能。
特産品
- くさや
- トビウオやムロアジなどを使用した干物の一種で、香りが強いことで有名。店舗によっては数百年前から秘伝とされるくさや液をつぎたしながら使用しており、それぞれの店で微妙に味が異なる。伊豆諸島のいくつかの島でも昔からくさやが生産されてきたが、新島を元祖とする説が有力。
- アシタバ(明日葉)
- クセのある味わい。健康食品などとしても扱われており、てんぷらなどにして食される。
- 白いも(あめりか芋)
- 白いサツマイモ。民宿などで饗される他、島で取れた芋を利用した焼酎「嶋自慢」がある[注 3]。芋のワイン風リキュール「イリオン」も販売されていたが、2008年頃終売している。
- 抗火石(こーがいし)
- 新島とイタリアのリパリ島でしか取れない流紋岩質の石[注 4]。薄い灰色をした石で、軽石のように軽く水にも浮き、彫刻刀で簡単に彫ることが出来る。抗火石のオブジェとして、島内に展示されているモヤイ像や、観光客が彫刻したタイルアートなどが島内各所にある。また、抗火石は耐火素材であり、主に家屋の建築用として多く本土などに輸出されていた。
- 新島ガラス
- 新島の石を原料としたガラスはオリーブ色になり、新島ガラスと呼ばれている。島内の各所に飾られている他、加工されて食器などとして島のガラスアートセンターや土産物店などで販売されている。
注釈
出典
- ^ 貝塚ほか 2000, p. 275.
- ^ “火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山”. 気象庁. 2016年2月25日閲覧。
- ^ “新島 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年2月14日閲覧。
- ^ 藤田健一郎, キタゾウアザラシ
- ^ “科博登録ID:1320”. 国立科学博物館. 2024年1月21日閲覧。
- ^ “科博登録ID:8894”. 国立科学博物館. 2024年1月19日閲覧。
- ^ 武田幸有『新島炉ばなし』(増補改訂版)新島観光協会、1974年。ASIN B000J9GLI2 。
- ^ 山崎晴雄 久保純子 『日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語』 講談社 2017年 ISBN 978-4-06-502000-5 p.169.
- ^ 『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p64
- ^ 新島観光協会のサイト
- ^ ちなみにNTTはADSL接続を「フレッツ光」が未提供エリアであっても2023年1月31日を以ってサービスを終了する。
固有名詞の分類
- >> 「新島」を含む用語の索引
- 新島のページへのリンク