新島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/20 00:02 UTC 版)
地理
東京から南に約160km、静岡県下田市から南東に36kmの位置にある。
東京からわずか160km南という比較的に本州に近い位置にあるものの、現在も美しい自然環境が残されており、空気は非常に清浄で、星空や海の美しさは首都圏とは比べ物にならない。サーファーや海水浴客などに主眼を置いた観光業、漁業などが盛んである。
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神津島から望む新島
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白ママ断崖
海岸
- 羽伏浦海岸(はぶしうらかいがん)
- 島の東岸に位置する。新東京百景にも選ばれており、白い砂浜と、それに伴う乳青色の海が7kmも続く美しい海岸。
- 前浜海岸
- 島の西側にある海岸。
- 若郷前浜海岸
- 島の北部西側にある海岸で、他とは違い黒砂の海岸である。
- 間々下海岸
- 島の南西側にある海岸。
- 淡井浦海岸
- 島の北東にある海岸。
地質
後期更新世頃に活動を開始したと推定される火山島であり、主に流紋岩・一部玄武岩質溶岩からなる単成火山群となっている。島の最高地点は宮塚山の標高432mで、約1.7万年前の噴火によって形成された。最新の噴火は886年に発生したもので、この時の噴火によって新島の南半部(向山)が形成された[1]。火山噴火予知連絡会によって火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山に選定されている[2]。
島周辺では地震活動も活発で、1936年の地震では島内で死者が出るなど、被害地震も度々発生している。近年では1991年、2000年に群発地震が発生しており、2000年の群発地震では島内の道路が一部崩落し、島内北部に位置する「若郷」へと続く道が寸断されるなど、大きな被害が出た。なお、今でも山肌が露出している場所はあるもののインフラ面は完全に復興している。
地質は流紋岩が多いため、島全体を通して砂や地面が白く美しい。その様は右記の画像でも見て取れる。主に向山で採掘される石は、イタリアのリパリ島と、天城山・伊豆諸島北部でしか産出されない抗火石(こうがせき、コーガ石)というもので、建築用、装飾用として珍重されている。
気候
気候は年間を通じてやや温暖。常夏と言うほどでは無いが東京よりは暖かく、降雪することはめったに無い。また、外洋に面しているため風が強い日が多く、特に冬は「西ん風」と呼ばれる強い西風が毎日のように吹く。
新島(2003年 - 2020年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 19.4 (66.9) |
20.5 (68.9) |
22.5 (72.5) |
24.7 (76.5) |
27.7 (81.9) |
31.0 (87.8) |
34.2 (93.6) |
34.1 (93.4) |
32.2 (90) |
30.5 (86.9) |
25.3 (77.5) |
23.9 (75) |
34.2 (93.6) |
平均最高気温 °C (°F) | 11.5 (52.7) |
12.2 (54) |
14.8 (58.6) |
18.5 (65.3) |
22.0 (71.6) |
24.3 (75.7) |
27.9 (82.2) |
29.6 (85.3) |
27.1 (80.8) |
22.7 (72.9) |
18.8 (65.8) |
14.1 (57.4) |
20.3 (68.5) |
日平均気温 °C (°F) | 8.9 (48) |
9.5 (49.1) |
11.8 (53.2) |
15.5 (59.9) |
19.1 (66.4) |
21.8 (71.2) |
25.3 (77.5) |
26.8 (80.2) |
24.5 (76.1) |
20.4 (68.7) |
16.3 (61.3) |
11.6 (52.9) |
17.6 (63.7) |
平均最低気温 °C (°F) | 5.5 (41.9) |
6.1 (43) |
8.2 (46.8) |
12.0 (53.6) |
15.9 (60.6) |
19.4 (66.9) |
23.1 (73.6) |
24.6 (76.3) |
22.1 (71.8) |
17.7 (63.9) |
13.1 (55.6) |
8.3 (46.9) |
14.7 (58.5) |
最低気温記録 °C (°F) | −1.8 (28.8) |
−2.0 (28.4) |
−2.0 (28.4) |
3.1 (37.6) |
7.7 (45.9) |
12.7 (54.9) |
16.3 (61.3) |
19.2 (66.6) |
15.0 (59) |
9.2 (48.6) |
2.5 (36.5) |
−2.1 (28.2) |
−2.1 (28.2) |
降水量 mm (inch) | 101.4 (3.992) |
134.3 (5.287) |
187.0 (7.362) |
173.4 (6.827) |
184.0 (7.244) |
261.5 (10.295) |
205.3 (8.083) |
169.1 (6.657) |
195.1 (7.681) |
313.5 (12.343) |
182.8 (7.197) |
117.5 (4.626) |
2,225 (87.598) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 8.3 | 9.6 | 12.0 | 10.7 | 10.0 | 12.2 | 9.8 | 8.2 | 11.6 | 11.8 | 11.2 | 9.1 | 124.4 |
出典1:Japan Meteorological Agency | |||||||||||||
出典2:気象庁[3] |
注釈
出典
- ^ 貝塚ほか 2000, p. 275.
- ^ “火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山”. 気象庁. 2016年2月25日閲覧。
- ^ “新島 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年2月14日閲覧。
- ^ 藤田健一郎, キタゾウアザラシ
- ^ “科博登録ID:1320”. 国立科学博物館. 2024年1月21日閲覧。
- ^ “科博登録ID:8894”. 国立科学博物館. 2024年1月19日閲覧。
- ^ 武田幸有『新島炉ばなし』(増補改訂版)新島観光協会、1974年。ASIN B000J9GLI2 。
- ^ 山崎晴雄 久保純子 『日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語』 講談社 2017年 ISBN 978-4-06-502000-5 p.169.
- ^ 『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p64
- ^ 新島観光協会のサイト
- ^ ちなみにNTTはADSL接続を「フレッツ光」が未提供エリアであっても2023年1月31日を以ってサービスを終了する。
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