必須医薬品とは? わかりやすく解説

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必須医薬品

【英】:Essential Medicine, Essential Drug

 「必須医薬品とは、大多数人々が健康を保つために必要不可欠なものであり、決し不足することなく、必要とする人々にとって適切な投与形態で、誰もがアクセスできる値段提供されるべきものである。」と世界保健機関 (WHO) は定義している。必須医薬品という概念は、1978年アルマ・アタ宣言における8つプライマリヘルスケア戦略ひとつとして内容にもりこまれ、必須医薬品が人々健康にとって必要不可欠なものであることが再確認された。
 1977年以来、WHOは必須医薬品モデルリスト定期的に改訂発行しており、2007年3月には、第15版が発行された。新薬の開発新興再興感染症罹患率変化などから新たな医薬品追加されてきたが、単に品目数増やすのみでなく、削除医薬品検討され収載薬品増減繰り返しつつ近年320種類前後推移している。また、2007年10月には12歳以下小児対象とした小児用必須医薬品モデルリスト初め発行された。これらのWHOのモデルリスト各国がその国独自の必須医薬品リスト選定する際の参考資料として活用されている。
 各国それぞれの疾病構造に応じて治療指針合わせて必須医薬品リスト作成することで、一部ビタミン剤どのように必要不可欠とはいえないにも関わらず使用されている医薬品排除することが可能になるまた、リスト通常一般名成分名)で記載されるものがほとんどであることから、ジェネリック医薬品使用推進するなど、医療費削減にも貢献する考えられる。(奥村順子)

【*注】 近年では麻薬などを意味するDrug’と区別するため、‘Medicine’を使うことが多い。

参考URL:WHO ホームページ医薬品サイトhttp://www.who.int/medicines/services/essmedicines...

必須医薬品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/01 09:45 UTC 版)

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この記事の項目名には以下のような表記揺れがあります。
  • エッセンシャルメディシン
  • エッセンシャルメディスン
  • エッセンシャルドラッグ
2017年に40周年を迎えたWHO必須医薬品モデル・リストのロゴ

必須医薬品(ひっすいやくひん、英語: Essential medicines)とは、世界保健機関 (WHO) によって「人口の大部分におけるヘルスケア上の需要を満たすものである。そのために、適切な量・適切な剤形で個人やコミュニティが入手しうる価格であるべきである」と定義されている医薬品である[1]

概要

WHO必須医薬品モデル・リストを参考に、国家や地域にあった必須医薬品を揃えるよう世界保健機関は呼びかけ、150か国以上が独自の必須医薬品を公表している[2][3]。これらのリストにより開発途上国の保健当局は医薬品資源を最適化することができる。WHOリストには、コアリスト(Core list)と補完リスト(Complementary list)からなる。

コアリストには、基礎的なヘルスケアにとって必要最低限とされる医薬品のリストで、優先度の高い最も費用対効果が高く、安全で効果的な薬がリストアップされている。

補完リストには、特殊な診断施設等が必要とされる重症疾患のための必須医薬品がリストアップされている。

歴史

定義は時代と共に変化した。

1977年にWHOは「人々の医療ニーズに必要な最も重要で、基本的で、不可欠な」薬であると定義した[4]。このコンセプトは、1978年に開催された第一回プライマリ・ヘルス・ケアに関する国際会議で採択されたアルマ・アタ宣言でも言及されている。

2002年に定義が「必須医薬品は、人口の大部分におけるヘルスケア上のニーズを満たすものである」と変更された[5]

WHO必須医薬品モデル・リスト

1977年に発表され、2年ごとに更新されている必須医薬品 (E-Drug) の一覧表。2019年に公表された 第21版 が現在最新である。また2007年10月から小児版 (12歳以下) もリリースされ、こちらは2019年に発表された第7版が最新である。

出典

  1. ^ The Use of Essential Drugs: Ninth Report of the WHO Expert Committee” (英語). 世界保健機関. 2012年12月12日閲覧。
  2. ^ The Selection and Use of Essential Medicines (ss 4.2)”. Essential Medicines and Health Products Information Portal. 世界保健機関. pp. 132 (2003年). 2021年8月1日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ Seyberth, Hannsjörg W.; Rane, Anders; Schwab, Matthias (2011) (英語). Pediatric Clinical Pharmacology. Springer Science & Business Media. p. 358. ISBN 9783642201950. https://books.google.ca/books?id=jM1gob3MeVYC&pg=PA358 
  4. ^ Action Programme on Essential Drugs (pdf)”. WHO. p. 1 point 2 (1979年3月26日). 2021年8月1日閲覧。
  5. ^ Trade, foreign policy, diplomacy and health”. Essential Medicines. WHO (2010年12月6日). 2021年8月1日閲覧。[リンク切れ]

関連項目

  • 必須医薬品へのアクセスキャンペーン英語版
  • 必須医薬品のための大学同盟英語版(UAEM) - 顧みられない病気のための薬を安価に手に入りやすい量を提供するため研究開発している学生団体

外部リンク




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