大動脈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 13:58 UTC 版)
解剖
大動脈は他の動脈と同様に、内膜、中膜、外膜の三層構造をしている。
大動脈は左心室に始まった後、頭頸部に分岐を送るために上行するが、これを上行大動脈(ascending aorta)という。その後弓なりに曲がり始め大動脈弓(aortic arc)を形成しつつ、頭頸部では、腕頭動脈、左総頚動脈、左鎖骨下動脈とを分枝する(これらの分岐は変異が多い)。そのまま下行し、胸部大動脈となって胸部に入る。なお下行大動脈(descending aorta)は、胸部大動脈と、その先の腹部大動脈を併せた概念である。
その後最終的に、大動脈は左右2本の総腸骨動脈に分岐して終わる。
大動脈に関係する検査
- 心臓カテーテル検査では、大動脈の血圧を直接測ることができる。
- 胸部X線写真では大動脈弓や下行大動脈の一部の陰影を見ることができ、石灰化や蛇行の程度を知るのに役立つ。
- CTでは大動脈は明瞭に描出され、特に造影剤を使って内腔を造影したCTは、大動脈瘤や大動脈解離の診断に有効である。
大動脈に関係する病気
- 大動脈解離は、大動脈の血管が層状に割れることで、強烈な痛みを伴い、また分岐部での循環障害をきたす疾患である。
- 大動脈狭窄症は、大動脈が先天的に狭窄しており、重篤な循環障害を来たすこともある疾患である。
- (胸部/腹部)大動脈瘤は、大動脈が袋状、または瘤状に膨らみ薄くなっていき、膨らんだ瘤が圧排による症状を来たすほか、破裂して突然死に至ることのある疾患である。
- (胸部/腹部)大動脈瘤破裂は、大動脈瘤が破裂することで大量の後不良の疾患である。
- 高安動脈炎は、大動脈やその他の主要な動脈に炎症が生じることで、狭窄などの症状を呈する比較的稀な疾患である。
- マルファン症候群
脚注
大動脈と同じ種類の言葉
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