変形性膝関節症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/24 07:13 UTC 版)
「水」とは関節液のこと
よくいわれる「水が溜まる」とは関節液や滑液とも呼ばれる体液が関節内外で過剰に分泌されて溜まったもののことで、これは炎症を起こした部位を防ごうとヒトの生体が行なう防御反応の1つであり、それ自身は症状ではあっても病気ではない。もともと適正量は関節包内にあって潤滑の助けとなっている。
関節包の後方に穴が開いて関節液が膝裏に溜まったものを膝窩嚢腫(ベーカー嚢腫)と呼ぶ。関節包に穴が開かなくても、過剰な関節液が関節包を膨らませて関節前方に腫れるものが関節周囲炎や関節関節包炎と呼ばれるものになる。
日本では「水を抜くと癖になるので良くない」と言う患者もいるが、迷信か思い込みであり、関節液の過度の滞留は患者の痛みとなっても体の自然治癒を助けることにはならず、注射前に十分に患部の殺菌処置を行なう必要があるが、注射器で何度も「水」を抜いても「癖になる」訳ではなく、抜く抜かないに関わらず炎症が続けば「水」は溜まり続ける。
推定患者数
日本では、厚生省の大臣官房統計情報部が行なった国民生活基盤調査では患者数が約700万人と推定されている。2005年の東京大学の関節疾患総合研究講座の吉村典子教授らが板橋区と和歌山の日高川町の住人の合わせて約2,200人を対象に行なったX線撮影を含む調査では50歳以上の女性で74.6%、男性で53.5%が変形性膝関節症の患者であるとされた[4]。
関連項目
外部リンク
- ^ 川口浩「変形性関節症治療の国内外のガイドライン」『日本関節病学会誌』第35巻第1号、2016年、 1-9頁、 doi:10.11551/jsjd.35.1。
- ^ Lementowski, Peter W.; Zelicof, Stephen B. (2008-3). “Obesity and osteoarthritis”. American Journal of Orthopedics (Belle Mead, N.J.) 37 (3): 148–151. ISSN 1934-3418. PMID 18438470 .
- ^ Paschos, Nikolaos K (2017-03-18). “Anterior cruciate ligament reconstruction and knee osteoarthritis”. World Journal of Orthopedics 8 (3): 212–217. doi:10.5312/wjo.v8.i3.212. ISSN 2218-5836. PMC PMC5359756. PMID 28361013 .
- ^ 井上和彦・福島茂著 『新・ひざの痛い人が読む本』 講談社ブルーバックス 2006年10月20日第1刷発行 ISBN 4-06-257533-7
- 1 変形性膝関節症とは
- 2 変形性膝関節症の概要
- 3 発症要因
- 4 「水」とは関節液のこと
変形性膝関節症と同じ種類の言葉
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