呪文 呪文の概要

呪文

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/29 01:29 UTC 版)

呪術の要素として、言葉(呪文)、行為(呪法)、道具(呪具)の三つが挙げられるが[3]、各々を単独で用いるか・組み合わせて用いるか[3]、またどれを重視するかは文化によって異なる[1]。従って呪文はしばしば儀式と結び付けて用いられる[1][4]。また呪文を特に尊び、一言一句正確な詠唱を求める文化もあれば、呪法や呪具の効力を認めて、術者による多少の呪文改変を許す文化もある[1][2]。前者の例としてはポリネシアマオリ族[2]トロブリアンド島民がある[1][2]アフリカでは後者の例が多い[1]

呪文は言葉そのものとして見ると、様式的かつ一義的解釈が困難という点で詩歌との共通点がある[2]。実際、呪文が詩歌(特に諷刺[5])の原型になったと思われる社会は多く見られる[2]

日本において有名な呪文

祈り・祓い

詩歌

召喚術

  • ブラッティメアリー
  • コックリさん、コックリさん、おいでください。

死者蘇生

  • 一二三四五六七八九十、布留部 由良由良止 布留部(布瑠の言

童謡・古典の有名な呪文

ファンタジーにおける呪文

漫画アニメゲームなどのファンタジー作品では、呪文が新しく造語される場合がある。

以下にページ、節がある代表例を示す。

文学
ゲーム

外国語で有名な呪文

  • アラカザン:手品師が使う呪文。語源は諸説ある。意味も不明。
  • ヴォアラ(voila) - 手品で使われるフレーズ。感嘆詞で「ほら!」の意
  • 急急如律令:中国漢代の公文書の末尾に、急々に律令のごとくに行え、の意で書き添えた語。後に、道教、陰陽道、祈祷僧が悪魔祓いに使用するようになった[7]
  • ホーカス・ポーカス:主に英語圏で手品等に使われる呪文。
  • プレスト(Wikt:en:presto)- 手品で使われるフレーズ。プレスト・チャンゴ(イタリア語で「即変化」の意)という形でも使用される。
  • シャザム(Wikt:en:shazaam
  • 真言マントラ
  • Ajji Majji la Tarajji :ペルシャ語の呪文
  • Jantar Mantar Jadu Mantar:インドの呪文
  • ムテル (Mutelu):80年代のインドネシア映画で使われた魔術の呪文[8]。2021年の流行した曲などにも使われるが、語源は判明しない[8]。そもそも植民地時代には呪術的なものは禁止されていた[8]

文書

その他


  1. ^ a b c d e f g h i j k 日本大百科全書』 第11巻(第2版)、小学館、1994年、p.716頁。ISBN 978-4095261119 
  2. ^ a b c d e f g h i j k 加藤周一(編) 編『世界大百科事典』 第13巻(改訂新版)、平凡社、2007年、p.266頁。ISBN 978-4582027006 
  3. ^ a b c 小野泰博(編) 編『日本宗教事典』(縮刷版)弘文堂、1994年、p.659頁。ISBN 978-4335160240 
  4. ^ リチャード・ケネディ 著、山我哲雄(編訳) 編『世界宗教事典』(カラー版)教文館、1991年、p.121頁。ISBN 978-4764240070 
  5. ^ フィリップ・P・ウィーナー(編) 編『西洋思想大事典』 第4巻、平凡社、1990年、pp.48-50頁。ISBN 978-4582100105 
  6. ^ 「痛いの痛いの飛んでけ~」でホントに和らぐわけ サイト:ヨミドクター(読売新聞) 著:森本昌宏 更新日:2020年10月2日 参照日:2021年2月1日
  7. ^ 急急如律令(コトバンク )
  8. ^ a b c ที่มาของ “มูเตลู” ความเชื่อร่วมสมัย สู่ธุรกิจใหม่ยุคโซเชี่ยล” (タイ語). www.sanook.com/horoscope. 2023年1月19日閲覧。


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