人口地理学 人口地理学の概要

人口地理学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/03 02:16 UTC 版)

研究対象

人口地理学の研究対象は、大きく、人口分布(人口規模の空間的パターン)、人口構造の空間的パターン、人口変動の空間的パターン、人口移動で分類することができる[2]

人口分布

人口分布は、人口規模の空間的パターンのことである[2]

人口分布を表現する方法の1つとして分布図が挙げられる[3]。人口分布図をドットマップで表現したり[3]、人口密度図を階級区分図で表現したりすることができる[4]

人口分布をあらわす指標として、人口密度人口重心、人口比重、人口集中指数などが挙げられる[5]

人口構造の空間的パターン

人口構造には、生物学的な分類(性別年齢など)による人口構造と、文化・経済・社会的な指標に基づく人口構造が存在する[6]

主なものとして、性別構造や年齢構造が挙げられる[7]性比による性別構造の分析のほか、年少人口、生産年齢人口、高齢人口の割合などを踏まえて年齢構造の分析が行われる[7]

人口変動の空間的パターン

人口変動とは、人口規模や人口構造の変化のことを意味し、出生死亡人口移動により引き起こされる[2]。出生率や死亡率の地域差などが研究対象となる[7]

人口移動

人口移動は、地域人口の変化に大きな影響を与える事象であり[8]、人口地理学の主要な研究テーマの1つである[9]。国内人口移動では、例えば都市農村間での人口移動が研究対象となる[9]

人口学と比較した特徴

人口地理学では、人口学でも扱われる性別年齢に限らず、宗教職業など文化的な側面や社会・経済的な側面の地域差も考察対象とする[10]。また、香川 (1995)では、人口地理学は人口学と比べて空間認識力が高いこと、市町村以下のミクロスケールでの地域分析力が高いことが指摘されている[11]

参考文献

関連項目


  1. ^ 日本地誌研究所 1989, p. 320.
  2. ^ a b c 井上 2013, p. 562.
  3. ^ a b 小笠原 1999, p. 2.
  4. ^ 小笠原 1999, pp. 4–5.
  5. ^ 井上 2013, pp. 562–563.
  6. ^ 小笠原 1999, p. 97.
  7. ^ a b c 井上 2013, p. 564.
  8. ^ 小笠原 1999, p. 61.
  9. ^ a b 井上 2013, p. 565.
  10. ^ 大関 1998, p. 627.
  11. ^ 香川 1995, pp. 49–50.


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