中央即応連隊 中央即応連隊の概要

中央即応連隊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/04 13:38 UTC 版)

中央即応連隊
「中「即「連」の3つの漢字を乗せた意匠の部隊章
創設 2008年(平成20年)3月26日
所属政体 日本
所属組織 陸上自衛隊
部隊編制単位 連隊
兵科 諸職種混成[注 1]
兵種/任務/特性 緊急展開、国際活動先遣、対テロ、対ゲリラコマンド、海外における邦人救出
人員 約700名
所在地 栃木県 宇都宮市
編成地 宇都宮
標語 「俺がやらねば誰がやる」
上級単位 陸上総隊
担当地域

日本全国

海外も含む
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略称はCRRまたは中即連(ちゅうそくれん)、部隊のシンボルマークに紋を掲げる。

概要

海外派遣や国内の有事における緊急展開部隊であるが、空挺資格レンジャー資格の保有者のみで構成された部隊ではない。

任務の特性上他の部隊よりも小火器の射撃訓練を重視しており、日本一実弾を使う部隊とも言われていた[1]

陸上総隊の主幹部隊とされており、災害テロゲリラ攻撃といった緊急事態においては方面隊の増援部隊として迅速に行動・対処し、国際平和協力活動等においては先遣部隊等として活動する部隊である。

当初は中央即応集団の創設までに「緊急即応連隊」との名称で1,100人規模の部隊として発足する予定であったが[2]、人員の確保に困窮し計画が先送りされた。その後、名称は「中央即応連隊」へと変更され、構成隊員は全国から選抜されると発表された。そして、2008年(平成20年)3月26日宇都宮駐屯地に新編された。

部隊編制は連隊本部及び本部管理中隊(合わせて約280人)と3個普通科中隊(1個普通科中隊は約140名)[3][リンク切れ]、施設中隊(施設科)及び爆発装置処理隊(武器科)の3職種の混成部隊。

本部管理中隊には情報小隊、対戦車小隊、重迫撃砲小隊、衛生小隊、各普通科中隊には狙撃班が編成されている。2017年3月には施設中隊、2019年3月には爆発装置処理隊を編成しており、一般的な普通科連隊とは性質を異にする。

構成隊員は選抜制ではなく志願制を取っており[4]、平均年齢は31歳。レンジャーや空挺など特殊技能を習得した隊員は全体の三割を占めている[5]

海外派遣の先遣隊等への主要なフォースプロバイダーとなる事から、軽装甲機動車96式装輪装甲車輸送防護車といった装輪装甲車や、防弾仕様に改良した高機動車73式大型トラックなど車両約100両が導入されているほか、宿営地造成に使う施設器材など海外活動用の各種装備品も保有している。

部隊が所在する宇都宮駐屯地は、同じく栃木県宇都宮市に所在する北宇都宮駐屯地(1,700mの滑走路を保有、宇都宮飛行場ともいう。)との距離が近く、C-1C-130輸送機、あるいは北宇都宮駐屯地に常駐しているヘリコプターの活用も可能である。

この部隊の個人装備の特徴として、全隊員が左肩にL.E.M.サプライ製の上腕ポケットを装着(2009年~)していることや89式小銃バイポッドを式典時を含めて取り外していること、対人狙撃銃迷彩塗装を施し使用していること[注 2]、大半の隊員が9mm拳銃を装備すること[注 3]などが挙げられる。また、陸上自衛隊で初めて砂漠迷彩の戦闘服を使用した部隊でもある[6]

沿革

  • 2006年(平成18年)8月:中央即応連隊準備室が東部方面総監部及び第6地対艦ミサイル連隊にそれぞれ設置される。
  • 2007年(平成19年)3月:中央即応連隊準備隊が中央即応集団司令部の一部として宇都宮駐屯地に発足。
中央即応連隊
2011年2月12日、タイにおける中即連隊員
2012年、96式装輪装甲車から下車する中即連隊員

注釈

  1. ^ 普通科を主幹とするも厳密には異なる。
  2. ^ 銃への塗装は自衛隊では非常に珍しい。
  3. ^ 警務官の標準装備の他、他の部隊では基本的に中隊長以上の指揮官職が携行。
  4. ^ 「中央即応連隊施設中隊長印」の納入に伴う仕様書が公表されている

出典

  1. ^ 下野新聞 企画「明日どこへ⑤」2008年9月12日[リンク切れ]
  2. ^ 共同通信 2004/11/08
  3. ^ 中央即応連隊公式サイト 編成
  4. ^ SATマガジン2010年9月号
  5. ^ 下野新聞 企画「明日どこへ⑥」2008年9月13日[リンク切れ]
  6. ^ 中央即応集団公式サイト フォトギャラリー
  7. ^ 防衛省人事発令(2010年2月6日)
  8. ^ “「南スーダンの力になりたい」”. 読売新聞. (2012年2月19日). http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20120219-OYT8T00849.htm 2012年2月19日閲覧。 
  9. ^ 防衛省所管 平成30年度歳出概算要求書 (PDF) (PDFファイル p.226)
  10. ^ 宇都宮駐屯地における新編について2019年3月26日、陸上自衛隊ホームページ
  11. ^ 在アフガニスタン・イスラム共和国邦人等の輸送の実施について (PDF) 2021年8月23日、防衛省
  12. ^ 宇都宮の防人 令和3年12月 第60号”. 2023年3月21日閲覧。


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