ダイヤ改正 日本におけるダイヤ改正

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ダイヤ改正

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/28 20:50 UTC 版)

日本におけるダイヤ改正

鉄道

日本の鉄道草創期では、お雇い外国人ウォルター・ページによってダイヤグラムが組まれたとされる。1890年代からは日本人技術者によってダイヤグラムが作成されるようになり、その都度ダイヤ改正が行われることとなった[5]

旧・日本国有鉄道(国鉄)では数年おきに白紙改正が実施されていたが、その中でも1961年(昭和36年)10月に実施された通称「サン・ロク・トオ」や1968年(昭和43年)10月に実施された通称「ヨン・サン・トオ」と呼ばれるダイヤ改正は有名である。国鉄時代は10月にダイヤ改正を実施することが多かった。これは繁盛期を避けることや天災の被害の可能性が小さいこと、乗務員の訓練が十分に行われているため、適した時期であったためである[6]。なお国鉄最後の大規模なダイヤ改正は1986年11月15日に行われ、このダイヤは1988年3月改正まで使われた。

1988年以降は鉄道各社のダイヤ改正は3月頃に行われることが多い。改正の曜日は通勤・通学に影響を及ぼしにくい土曜日、次いで日曜日がほとんどである。これは官庁年度末であること、民間企業にとっても決算月が多い事情から公約の期限として開業や開設目標が集中している要因があるためである[7]

JR各社の改正はその会社の管轄が広いことから影響を受ける範囲が大きいため、関係する私鉄やバス事業者も同時に改正を行うことが多い[8]国鉄分割民営化以降、2010年代初めごろまでの間はJRグループは各会社ごとに独自でダイヤ改正を実施することが多かった。東日本旅客鉄道(JR東日本)では1993年から2010年までは12月上旬に独自でダイヤ改正を実施していたが[8][9][注釈 8]、これは旅客輸送が最も閑散な時期であり、混乱があっても影響が小さい時期であるためである[7]北海道旅客鉄道(JR北海道)も2013年までは10月にダイヤ改正を独自で実施していたが、2014年以降は他のJR各社と同様に3月に実施することが多い。四国旅客鉄道(JR四国)ではダイヤ改正が実施されない年もあった。東海旅客鉄道(JR東海)・西日本旅客鉄道(JR西日本)・九州旅客鉄道(JR九州)・日本貨物鉄道(JR貨物)でも独自のダイヤ改正を実施することがあったが、2010年代以降、基本的に毎年3月頃に各会社まとめてダイヤを改正する[注釈 9][注釈 10]

その他、大手私鉄などでもダイヤ改正が行われる。大手私鉄のダイヤ改正に関しては以下の各社の該当記事を参照。なお、一部の鉄道ファンの間などでは、全国鉄道ダイヤ改正とも呼ばれる。

バス

バスでも運行本数の増回・減回・時刻変更を行うことをダイヤ改正という[10]路線バスにおけるダイヤ改正は需要の増大などにおいてバスを増回させる、新規鉄道路線の開業に伴い運行路線を再編する、営業所移転に伴い系統再編する[11]などの理由により行われる。また都市間バスの場合には高速道路の新規開業など、空港連絡バスの場合にはフライトの時刻変更によってダイヤ改正が行われることがある(特に地方空港の場合)。

船舶

船舶でも運航本数の増便・減便・時刻変更を行うことをダイヤ改正という[12]。船舶におけるダイヤ改正では、船種変更により行われることもある[13]

航空機

ダイヤグラム自体が存在しない航空機では、一定の期間の運行スケジュールによってフライトの時間をその都度決定する方式であるため、運航本数の増便・減便を行うことをダイヤ改正と公に述べる会社はないが、一部の外部の記事では「ダイヤ改正」という語句を用いる[14]。また、航空会社各社では時刻表を更新することによって運航本数の増便・減便を利用者に知らせている[15][16]


  1. ^ a b 鉄道事業者およびバス事業者や報道機関により呼び名が若干異なる場合があり、「ダイヤ改正」のほかに「ダイヤ改定」・「ダイヤ変更」・「新ダイヤ」等を使っている場合もある。また軽微な改正については、「ダイヤ修正」・「ダイヤ一部改正」・「ダイヤ一部改定」・「ダイヤ一部変更」・「訂補」(冊子の時刻表での表現)等が使われる。
  2. ^ 日本経済新聞電子版の「近鉄がダイヤ抜本改正 12年3月、停車駅見直し終電も早く」では「ゼロベースから需要に合わせたダイヤに編成し直したい」との近畿日本鉄道幹部のコメントが掲載されている。
  3. ^ ただし、事業者によっては新型車両はダイヤ改正に関係なく順次投入することもあり(普通列車など)、車両交代によって速度向上、到達時間の短縮が可能な場合は必要編成数がすべて揃った直後にダイヤ改正を行なうことがある。
  4. ^ a b 夜行列車が多数運行されていた1990年代初め頃までは冊子型の時刻表にも改正日の前日に出発する夜行列車の時刻のみをまとめた「移行ダイヤ」のコーナーが別途掲載されていた。 - 『JR時刻表』(編集・発行 弘済出版社)1993年3月号ではJRニュース27 - 35頁に「3月17日発夜行列車時刻表」が掲載されている。続くJRグループダイヤ改正号の1994年12月号ではそのような時刻の掲載はない。
  5. ^ 2009年3月14日の大阪駅終電の種別変更など
  6. ^ この手法は「疎開留置」と称されている。
  7. ^ ただし、東海道・山陽新幹線N700系、「成田エクスプレス」のE259系への置き換えなど、ダイヤ改正を行わず順次既存車両と入れ替えていくこともある。ダイヤ改正に伴う車両の取り換えは、新幹線や特急・急行列車の優等列車専用車両など、車両を入れ替えることによりサービス面で大きな変化が起きるときに行われることが多い。
  8. ^ 1997年、2003年、2004年は10月、2006年 - 2010年・2012年以降は3月に実施。2019年には埼京線に限り、11月にダイヤ改正を実施している。
  9. ^ 特にJR四国は現在でもダイヤ改正が実施されない年がある(2015年はダイヤ改正実施がなかった)。
  10. ^ 2022年のJR九州のように、3月・4月以外に新規路線開業が行われる場合は、その年の3月・4月のダイヤ改正を非実施もしくは小規模なものとし、新規路線開業時に大規模なダイヤ改正を行う場合がある。





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