アワ 文化

アワ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/05 10:21 UTC 版)

文化

ことわざ

  • 濡れ手で粟 - ぬれた手でアワをつかめば、アワ粒がごっそり手についてくる。転じて労せずに多大な利益を得ること。
  • 肌に粟が生じる - 鳥肌が立つことをアワにたとえた表現(コトバンク)。

喩えとしての表現

小さいものの喩え・表現として、「粟」の字を用いる場合がみられる。『平家物語』(高野本)では、日本自体を「さすが我朝は粟散(ぞくさん)辺地の境」と記し、『太平記』でも、「いわんや粟散国の主として、この大内を造られたる事」とし、自国が中国インドなどの大国と比べて、アワ粒を散らしたような小国である(中華思想とは逆の辺境国)と自覚して記述している例がある。軍記物以外にも神道書『神道集』「諏訪縁起の事(甲賀三郎)」においても、神武以来~とした上で同様の表現が見られる。

家紋

「粟紋」が見られる(「家紋の一覧」を参照)。

脚注

参考文献

  • 林弘子『穀物をもっと楽しもう』晶文社、1998年6月30日。ISBN 4-7949-6358-0 

外部リンク


注釈

  1. ^ 古くは、実の大きさによっておおアワ(粱)とこアワ(粟)の区別が存在したが、今日ではおおアワが栽培種のほとんどを占めており、これを指して「粟」と表記することが一般的である。
  2. ^ 中国後漢許慎が著した漢字の解説書『説文解字』において、「米…粟實也。象禾實之形」(禾=アワ)と書かれ、米即ちアワの実であると解説されている。
  3. ^ 中国北魏賈思勰が著した農書斉民要術』(巻1「種穀」第3:原注)において、「穀、稷也、名粟。穀者、五穀之總名、非指謂粟也。然今人專以稷爲穀、望俗名之耳」と書かれ、穀とは五穀の総称であって、稷(=アワ)を指すのは正しくないが、世間(北魏統治下の華北)では主食であるアワ(稷)のことを穀と称していると記している。
  4. ^ は、長江から入ってきた蛮夷の穀物と見なし、「雑穀」のように扱う風潮が、知識人を中心に長く続いた。米が華北中原においても主食とされるようになるのは、唐代以後といわれている。
  5. ^ 霊亀元年(715年10月7日の陸田(畑作)奨励のには、畑作作物としてアワが奨励作物の筆頭として奨励されている。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 林弘子 1998, p. 96.
  2. ^ a b c d e f g 平 宏和『雑穀のポートレート』錦房、2017年、3頁。 
  3. ^ 林弘子 1998, p. 96–97.
  4. ^ 国分牧衛『新訂 食用作物』養賢堂、2010年8月10日 第1版、270頁。
  5. ^ a b c d e f g h i j k 林弘子 1998, p. 97.
  6. ^ http://inews.nmgnews.com.cn/system/2022/11/15/013374089.shtml
  7. ^ 古賀登『両税法成立史の研究』雄山閣、2012年、235・523頁。
  8. ^ 林弘子 1998, pp. 97–98.
  9. ^ 文部科学省、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)


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