軟禁
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軟禁(なんきん、英語: house arrest)とは、人の行動の自由を奪う手段のうち、被拘束者の行動の自由を完全に奪うことを目的とした手段ではなく、専ら被拘束者の逃亡や部外者との接触を防止することのみを目的として用いられる比較的抑制的な手段を指す言葉[1][2]。
軟禁と呼ばれる状態の下では通常、被拘束者は牢獄等には収容されず、家宅やその他類似の居住施設の中での一定の行動の自由は許される[3]。ただし、外部との通信は制限を受ける可能性が高い[4]。一人を軟禁するだけのために常時複数の監視人を置かねばならないため、軟禁の対象は軟禁を行う側にとって取扱いに特段の慎重さを要する重要人物に限られる傾向がある[5]。
軟禁の例
- 全斗煥による軍政時代の韓国で、韓国野党の有力指導者であった金泳三は、金大中ほど急進的ではなかったため、収監はされなかったものの、軟禁を繰り返されていた[6]。
- 軍政が続くミャンマーでは、最大野党・国民民主連盟書記長のアウンサンスーチーが自由選挙で圧勝した1988年以来、軟禁されていた[7]。
- 1960年9月30日にインドネシアにおいて、スカルノ大統領が軍事クーデター(一応未遂)により失脚後、ボゴール植物園の温室で、軟禁された[8]。
日本法における監禁と軟禁
軟禁はしばしば監禁と対概念のように捉えられることがあるが、日本においては、監禁罪として日本の刑法上の処罰対象となっている監禁とは異なり、法律用語ではなく日常語であることに注意が必要である[9]。そのため、一般的には軟禁と思われがちな行為であっても日本の刑法上では監禁罪に問われる可能性がある[10]。
脚注
- ^ 『朝日新聞』2021年10月26日 朝刊 1外報11頁「スーダン暫定政権、崩壊 軍、首相を軟禁後に連れ去り」(朝日新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』2025年6月19日 全国版 東京朝刊 外A 7頁「元大統領 自宅軟禁に」(読売新聞東京本社)
- ^ 『朝日新聞』2025年1月23日 朝刊 1外報9頁「米議会襲撃、釈放始まる 極右団体指導者ら1500人、トランプ氏恩赦」(朝日新聞東京本社)
- ^ 『朝日新聞』1998年7月22日 朝刊 1外7頁「スー・チー女史とティン・ウ氏、1年間外出禁止に 総選挙出馬阻む」(朝日新聞東京本社)
- ^ 『朝日新聞』2012年1月14日 朝刊 2総合2頁「ミャンマー、全政治犯釈放 娘と涙の再開、「今後は議会制度の中で戦う」」(朝日新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』1987年6月25日 全国版 東京夕刊 夕一面1頁「韓国・全大統領、無条件で金泳三総裁と会談も 「収拾策」は延期」(読売新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』1989年7月21日 全国版 東京朝刊 外電5頁「スーチー女史を軟禁 NLD事務所も閉鎖/ミャンマー」(読売新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』2008年1月29日 全国版 東京朝刊 外A 7頁「スハルト元大統領国葬 一族の墓所に埋葬/インドネシア」(読売新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』2000年12月8日 兵庫 大阪朝刊 明石35頁「女性監禁事件 容疑の元ホストら6人再逮捕 兵庫、京都両府県警=兵庫」(読売新聞大阪本社)
- ^ 『読売新聞』2001年10月26日 静岡 東京朝刊 静岡32頁「浜岡のブラジル人刺殺 逮捕監禁容疑で逮捕の男、殺害ほのめかす供述=静岡」(読売新聞東京本社)
関連項目
自宅軟禁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/16 06:01 UTC 版)
新カリフ・ムタワッキルの治世となると848年、アリー・ハーディーはバグダードへと召還され、息子ハサン・アスカリーとともにサーマッラーに家を与えられ、そこで軟禁された。鄭重な扱いを受けたものの、支持者との連絡を事実上絶たれる状況に置かれたのである。アリー・ハーディーが軟禁されたこの時期、シーア派への大規模な迫害がおこなわれた。サーマッラーでアリー・ハーディーが住んだ街区は「アル=アスカル」と呼ばれる。これはこの地区に軍部隊(=アスカル)が駐留していたことによるもので、またこのことから、アリーおよび息子ハサンも、それぞれ「アスカリー」と呼ばれ、また両者をあわせて「アスカリヤイン」(両アスカリー)と呼ばれる。こうした状況で、カリフ・ムタワッキルはアリー・ハーディーの殺害を少なくともひとたびは目論見たが、これは奇蹟によって失敗したという。
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