反応度係数とは? わかりやすく解説

反応度

(反応度係数 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/18 00:09 UTC 版)

反応度はんのうど、reactivity)は、原子炉制御の重要なパラメーターのひとつである。

連鎖反応

ウラン235核分裂反応によって発生する高速中性子は、エネルギーを失って(減速されて)熱中性子になると他のウラン235に良く吸収されて、そのウラン235原子核を85%の確率で核分裂させる。分裂したウラン235原子核からは、平均2.4個の高速中性子と、もっぱらヨウ素139イットリウム95からなる核分裂生成物、および202MeV(百万電子ボルト)のエネルギーが発生する。もし十分なウラン235が一定空間内に集積されれば核分裂に伴って発生する中性子が次々と周囲のウラン235原子核を核分裂させてゆく。これを核分裂の連鎖反応と呼ぶ。

原子炉内の中性子の挙動 図中左の燃料棒内でウラン原子が核分裂し、中性子が2個発生した。上方へ散乱した中性子は減速材で減速後、制御棒中の原子に吸収されている。下方に散乱した中性子は2本の減速材で熱中性子となった後、図中右の燃料棒中にあるウラン原子に吸収され、再び核分裂を引き起こしている。この図のような場合、中性子増倍率は1。

中性子増倍率

原子炉内の核分裂によって発生した高速中性子は、減速材によって減速されて熱中性子になり、他のウラン235原子核に吸収されて核分裂反応を起こさせる。核分裂反応で発生した高速中性子

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反応度係数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 04:24 UTC 版)

反応度」の記事における「反応度係数」の解説

原子炉内での過渡変化に伴う反応度増減効果を正または負の反応度効果と言い、その増減率を反応度係数と呼ぶ。例え沸騰水型原子炉において、減速材温度上昇に伴う蒸気の泡(ボイド)の発生量増加現象は、減速材密度低下による中性子減速効果減少もたらすので、負の反応度効果である。すなわち温度上がってボイド多くなる核分裂減って温度が下がる。また燃料集合体温度上昇ウラン238中性子吸収確率増加させるドップラー効果)ので、やはり負の反応度効果である。すなわち燃料ペレット温度上がるドップラー効果核分裂減って温度が下がる(自己制御性)。 原子炉温度変化に伴う反応度係数を反応度温度係数呼び通常温度係数と略称される温度係数には燃料温度変化による燃料温度係数減速材温度変化による減速材温度係数ボイド発生量によるボイド係数がある。その他に原子炉出力による反応度出力係数反応度質量係数などがある。 原子炉安全に運転するためには、原子炉全体出力増加に伴う反応度出力係数が負の値となるように原子炉設計されていなければならない旧ソ連RBMK-1000原子炉は正の出力反応度係数を持つ原子炉であったため、常に何本かの制御棒原子炉内に挿入しておく必要があった。そのため規定上の数の制御棒引き抜き禁止されていて、運転規定にも明記されいたもの理由説明操作員に徹底されていなかった。蒸気タービン惰力運転試験のために操作員が原子炉出力上げようとして規定上の数の制御棒引き抜いたことがチェルノブイリ原子力発電所事故原因とされる

※この「反応度係数」の解説は、「反応度」の解説の一部です。
「反応度係数」を含む「反応度」の記事については、「反応度」の概要を参照ください。

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