反応度の長期制御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 04:24 UTC 版)
原子炉の運転に当たっては、核燃料の消費に伴う原子炉の余剰反応度の減少に対し、負の反応度を減少(正の反応度投入)させ、全体の反応度ρ=0を保ちつづける様に制御されている。反応度を臨界付近に維持することで、原子炉は一定出力を保ったまま安定して連鎖反応が持続するようになる。反応度減少の具体的な補償方法は炉型により異なり、BWRでは、再循環流量を調整すること及び制御棒を少しずつ引き抜くことで、PWRでは減速材中のホウ酸濃度を徐々に薄めることで行う。 その他の補償方法としては、可燃性毒物(バーナブルポイズン)の使用がある。原子炉に装荷される核燃料の一部にはガドリニア(酸化ガドリニウムGd2O3)が添加されている(ガドリニア燃料)。ガドリニウムは中性子吸収能力が高く、初期状態では反応度を低下させているが、燃焼と共に中性子吸収能力が低下するため、燃料の燃焼に伴う反応度低下を補うことができる。 なお、可燃性とは核燃料の燃焼と共に焼失していく性質を指す。毒物とは中性子吸収能力の大きな物質を指し、制御材に使用される物質やキセノン、サマリウム、ガドリニウムなどがある。
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