反応度 ρ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 04:24 UTC 版)
実際の運用に当たっては実効増倍率 k e f f {\displaystyle k_{\rm {eff}}} を、以下の式によって反応度 ρ {\displaystyle \rho } に変換して使用する。 ρ = ( k e f f − 1 ) / k e f f {\displaystyle \rho =(k_{\rm {eff}}-1)/k_{\rm {eff}}} ρ = 0 {\displaystyle \rho =0} の時、原子炉は臨界状態であり、正の値の時は臨界超過、負の値の時は臨界未満と考えることができる。原子炉の制御に当たっては、この反応度を用いて臨界状態を制御する。 反応度は中性子増倍率の比率であり、実際の値をそのまま使用する他、「余剰反応度は20%」のように百分率で表されることもある。 核分裂で生じる中性子には原子核の分裂の際に出てくる中性子と、核分裂生成物の一部がベータ崩壊をした時に出てくる中性子とがある。前者を即発中性子、後者を原子核分裂に伴う放出中性子とみなし遅発中性子と称する。原子力発電所が安定して運転できるのは核分裂生成物が出す遅発中性子の存在のおかげであり、反応度の投入には即発中性子だけで臨界にならないようにしなければならない。遅発中性子数を全中性子数で割った値を β {\displaystyle \beta } とした場合、 ρ = β {\displaystyle \rho =\beta } となる反応度を 1ドル と称し、その百分の1を 1セントと称する。1ドルを超える反応度になると即発中性子のみで臨界に達し制御が効かなくなる。したがって原子炉の運転において反応度は1ドル未満は絶対であり、また炉型や制御装置で制御できる中性子数・割合によっても投入できる反応度には上限・下限が決まる。
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