2‐プロパンチオン
チオアセトン
(thioacetone から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/12 09:10 UTC 版)
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| 物質名 | |||
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Propane-2-thione
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Thiopropan-2-one
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別名
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| 識別情報 | |||
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3D model (JSmol)
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| ChemSpider | |||
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PubChem CID
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CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |||
| C3H6S | |||
| モル質量 | 74.14 g·mol−1 | ||
| 外観 | 橙から茶色の液体 | ||
| 匂い | 極めて不快で強烈な硫黄臭 | ||
| 融点 | −55°C(218.15k/-67°F)[1] | ||
| 沸点 | 70°C(343.15k/158°F)[1] | ||
| 危険性 | |||
| 労働安全衛生 (OHS/OSH): | |||
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主な危険性
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悪臭、皮膚刺激 | ||
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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チオアセトン(英: Thioacetone)は化学式(CH3)2CSで表される有機硫黄化合物であり、最も単純なチオケトンである[2]。橙色から褐色の揮発性の高い液体として得られる。不安定な物質であり、低温下でのみ単離が可能である[3]。水に不溶[2]だが、エーテル、ベンゼン、エタノールに可溶。–20℃以上では重合体や三量体であるトリチオアセトンへ容易に変換される[4]。極めて不快な臭気があり、既知化合物の中では最悪の悪臭を持つ物質の1つとされる[5]。
1889年にオイゲン・バウマンらによるトリチオアセトンの合成時に、微量の不純物として初めて得られた[6][7]。
調製
チオアセトンは通常、環状三量体であるトリチオアセトン[(CH3)2CS]3のクラッキングにより得られる。トリチオアセトンはアリルイソプロピルスルフィドの熱分解、またはルイス酸存在下、低温でアセトンを硫化水素で処理することで得られる[8]。トリチオアセトンは500から600℃で分解してチオアセトンを生成する[3][9]。
重合
類似化合物であるアセトンが容易には重合しないのとは対照的に、チオアセトンは非常に低い温度で自発的に重合して白色固体を生成する。この固体は環状三量体のトリチオアセトンと、直鎖状重合体···–[C(CH3)2–S–]n–·の混合物である。この生成物の赤外吸収スペクトルは、主に2950、2900、1440、1150、1360、1375 cm−1(側鎖メチル基に起因)および1085、643 cm−1で(C–S結合に起因)観測される。1H NMRスペクトルはδ = 1.9 ppmに単一ピークを示す[6]。重合はラジカルや光によって促進される[6]。生成する重合体の平均分子量は条件にもよるが2,000から14,000の範囲で変動する。この重合体はおよそ70℃から125℃の間で融解する。
悪臭
チオアセトンは強烈な悪臭を持つ。他の低分子有機硫黄化合物と同様にこの臭気は極めて強く、高希釈状態でも十分に感知可能である[6]。1889年、ドイツのフライブルクにあった実験室でこの化合物の蒸留が試みられた際には、そのあまりの悪臭のため実験室から半径750メートルの範囲内で失神する者や嘔吐する者が現れた[7]。英国リーズの石鹸工場の化学者らは1890年の報告書において、希釈すると臭気はよけいに増すように感じられ、その臭いを「恐ろしい(fearful)」と表現した[10]。
関連項目
出典
- ^ a b Sharkey, William H. (1975). “Polymerization through the carbon-sulfur double bond”. Polymerization. Advances in Polymer Science. 17. pp. 73–103. doi:10.1007/3-540-07111-3_2. ISBN 978-3-540-07111-2
- ^ a b “Molecule of the Week Archive Thioacetone”. www.acs.org. 2026年2月7日閲覧。
- ^ a b Burnop, V.C.E.; Latham, K.G. (1967-01). “Polythioacetone” (英語). Polymer 8: 589–607. doi:10.1016/0032-3861(67)90069-9.
- ^ Lipscomb, R. D.; Sharkey, W. H. (1970-08). “Characterization and polymerization of thioacetone” (英語). Journal of Polymer Science Part A-1: Polymer Chemistry 8 (8): 2187–2196. doi:10.1002/pol.1970.150080826. ISSN 0449-296X.
- ^ “Things I Won't Work WIth: Thioacetone” (英語). www.science.org. 2026年2月7日閲覧。
- ^ a b c d Sharkey, William H. (1975) (英語), Polymerization through the carbon-sulfur double bond, 17, Springer Berlin Heidelberg, pp. 73–103, doi:10.1007/3-540-07111-3_2, ISBN 978-3-540-07111-2 2026年2月7日閲覧。
- ^ a b Baumann, E.; Fromm, E. (1889-07). “Ueber Thioderivate der Ketone” (英語). Berichte der deutschen chemischen Gesellschaft 22 (2): 2592–2599. doi:10.1002/cber.188902202151. ISSN 0365-9496.
- ^ Böhme, Horst; Pfeifer, Hans; Schneider, Erich (1942-07-08). “Zur Kenntnis der dimeren Thioketone.” (英語). Berichte der deutschen chemischen Gesellschaft (A and B Series) 75 (7): 900–909. doi:10.1002/cber.19420750722. ISSN 0365-9488.
- ^ Kroto, H.W.; Landsberg, B.M.; Suffolk, R.J.; Vodden, A. (1974-11). “The photoelectron and microwave spectra of the unstable species thioacetaldehyde, CH3CHS, and thioacetone, (CH3)2CS” (英語). Chemical Physics Letters 29 (2): 265–269. doi:10.1016/0009-2614(74)85029-3.
- ^ (英語)『Chemical News and Journal of Industrial Science』Chemical news office.、1890年、219頁。
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