evo-devoの誕生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 15:32 UTC 版)
「進化発生生物学」の記事における「evo-devoの誕生」の解説
1977年、遺伝学における組換えDNA技術の到来により、進化と発生生物学の考え方の革命が始まり、スティーヴン・ジェイ・グールドのオントロジーに関する論文『個体発生と系統発生(英語版)』とフランソワ・ジャコブにより進展が始まった。グールドはヘッケルの進化論的発生学の解釈を退け、ジャコブは別の理論を立てた。これは、最終的に、発生学および分子遺伝学、系統発生、進化生物学を含めて、evo-devoの基礎をつくった。 1978年、エドワード・B・ルイスはショウジョウバエの胚の発育を調節するホメオティック遺伝子を発見した。昆虫が含まれる無脊椎動物の主要な門の一つである節足動物に属するが、 Bill McGinnisは、カエル、鳥、哺乳類などの脊椎動物や、他の門の動物で、ホメオティック遺伝子に共通の配列、ホメオボックスを発見した。ホメオボックスは後に酵母や植物にも見出された。すべての真核生物にわたって発生を制御する遺伝子に明らかに強い類似性があった。 1980年、クリスティアーネ・ニュスライン=フォルハルトとエリック・ヴィーシャウスは、ショウジョウバエの胚にセグメンテーションパターンを作り出すのに役立つギャップ遺伝子(英語版)を発見した。彼らとルイスは1995年にノーベル賞を受賞した。その後、より特異的な類似性が発見された。例えば、Distal-less遺伝子は、ショウジョウバエの付属肢や四肢の発生に関与することが1989年に発見されただけでなく、魚のヒレ、ニワトリの羽、海洋性の環形動物の足(疣足)、ホヤの出水口、ウニの管足などの発生に関与することがわかった。その遺伝子を動物が獲得したのは古代だと考えなければならず、はなれた動物の共通の祖先をたどると、エディアカラ時代の前、約6億3,500万年前に獲得されたと考えないといけないことは明らかであった。 Evo-devoは、すべての動物の体が発生中にどのようにつくられるのかを解明し始めた。
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