ボツリヌス‐トキシン【botulinum toxin】
読み方:ぼつりぬすときしん
ボツリヌス毒素 [Botulinum toxin]
また、この毒素(C,D型菌以外)は毒性部分(軽鎖)と無毒性部分(重鎖)から成り、その複合体の形で産生され、細菌自体の酵素やトリプシンのようなタンパク質分解酵素で分解されてから毒性がでる。したがって、この細菌による食中毒の場合(E型菌)は、毒素が消化管内でトリプシンで分解、活性化されて毒性がでて発症すると考えられている。ボツリヌス毒素は神経-筋接合部や自律神経のシナプスへ作用して、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害するので、弛緩性の麻痺(まひ)をおこす。なお、この毒素は細菌ウイルス(ファージ)の遺伝子によって産生されると考えられている。
ボツリヌストキシン
(botulinum toxin から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/07 16:34 UTC 版)
ボツリヌストキシン(Botulinum toxin (BTX) or Botox)は、分子量が15万ほどのタンパク質で、ボツリヌス菌が産生する複合体毒素である。ボツリヌス毒素とも呼ばれる。毒素産生菌は、毒素型によりA,B,C,D,E,F,G の7種類に大別されているが、産生される毒素も抗原性の違いによりA,B,C,D,E,F,G の7種類に分けられている。医薬品としては筋肉を収縮させないよう働く作用を利用して、痙縮の緩和や美容に用いられる。
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- 1 ボツリヌストキシンとは
- 2 ボツリヌストキシンの概要
- 3 医薬品としての安全性
- 4 外部リンク
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