良性先天型
先天性ミオパチーの大半の患者さんはこの良性先天型に属します。乳児期に発達の遅れがあり、筋力・筋緊張が低下したいわゆるフロッピーインファント(floppy infant)のことが多いです。歩行開始も遅れ、1歳半を過ぎることが多いです。歩行開始後も走れない、階段の昇降に手すりがいるなど筋力低下は持続します。なかには症状がほとんどなく、よほど専門的な知識を持つ医師でしか診断できないような軽症例もあります。筋力低下は非進行性か、あるいは進行してもとても緩徐です。
筋力低下は全身にありますが、頸部屈筋が弱い(寝ていて頭がもちあがらない)のが特徴的です(図28)。顔面罹患がありますので、細長い顔で表情に乏しく、高口蓋があります。ただし、セントラルコア病では顔面筋罹患は少なく、正常と変わらないことが多いです。
歩行は可能であるが、走れない、階段昇降困難を認めて診断のため来院した。 呼吸筋が弱く、さらに寝た位置から引き起こしても頭がついてこない(頸部屈筋の筋力低下)があるので先天性ミオパチーを疑われ筋生検し、診断が確定された。 | |
図28:ネマリンミオパチー良性先天型 |
関節拘縮はしばしば病初期から認めます。セントラルコア病では四肢筋の筋力低下は軽度なのに、強い脊柱変形(側彎)をみることがあります。
検査所見では、疾患特異的異常はありません。血清クレアチンキナーゼ(CK)値は正常ないし軽度上昇、筋電図は正常ないし筋原性所見を示します。
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