カルパイン3異常症
カルパイン3とは筋構造蛋白の一つであるコネクチン(titinともよばれる)の調節酵素です。分子量94kdで、4つの主な働きをもつドメインをもっています。最近の国立精神・神経センターの研究では日本人の肢帯型筋ジストロフィーの約30%は本症であるとのデータがだされています。症状は比較的軽度で成人発症例もまれではありません。子どもでは血清CK値が高いだけで無症状の人もいます。臨床的にはこれといった診断的所見はありません(図15)。筋病理では比較的高率に分葉線維(lobulated fiber)をみます(図16)。
![]() | 筋力低下は軽く、進行は遅い。 ときにふくらはぎに偽性肥大をみる。 この患者さんは躯幹筋が特に弱いので前彎がみられる。 |
図15:カルパイノパチーの成人例 |
![]() | この写真のようなNADH-TRという特殊な染色をすると、正常人(左)ではタイプ1線維は濃く染まり、筋線維の中の網目構造がよくわかる。カルパイノパチーの人(右)では筋線維は細く、クローバの葉の様にみえる分葉線維が増加している。 |
図16:カルパイノパチーの筋病理 |
カルパイン3異常症と同じ種類の言葉
症に関連する言葉 | 精巣捻転症(せいそうねんてんしょう) 汚損愛好症 カルパイン3異常症 発症(はっしょう) 陰門吸引症(いんもんきゅういんしょう) |
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