Windowsネイティブドライバか否か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/06 02:35 UTC 版)
「PCカード」の記事における「Windowsネイティブドライバか否か」の解説
Windows 9x系では、「システム」のプロパティで「パフォーマンス」タブにPCカードの項目があり、PCカードスロットが32ビットか否かが表示される。しかし紛らわしいことに、これは上記のCardBusか否かというハードウエアには全く関係が無い。ここで言うPCカードの32ビットとは、Windows 9xのネイティブドライバで動作していることを指し、使用しているドライバすなわちソフトウェア側の種別を表したものである。従来規格の16ビットPCカードスロットであっても32ビットOSであるWindows 9xではできるだけ32ビットドライバで運用すべきであるし、逆に32ビット規格であるCardBusスロットをリアルモード(すなわち16ビット)のドライバで運用することもできないわけではない。 この場合リアルモード(16ビット)とは、PCカードスロットのドライバがMS-DOS用のドライバをベースに動作している「MS-DOS互換モード」のデバイス状態を指す。したがってWindows NT系では16ビットのドライバは存在しない。リアルモードドライバで運用する場合にはデバイスマネージャでPCカードスロット(のネイティブドライバ)を無効に設定しておく形になり、無効になっているときはMS-DOS用ドライバの有無に関係なくシステムのプロパティではPCカードスロットがMS-DOS互換モードと表示される。MS-DOS用ドライバは一般にWindows 9xに付属するものではないため、必要であれば別途用意して組み込む必要がある。当然ながらWindowsネイティブドライバのほうが使い勝手がよく、PCカード側のドライバもWindows 9x用のものが利用できる。逆にPCカードスロットがリアルモードドライバ動作の場合はPCカード側のドライバもMS-DOS/Windows 3.1用ドライバを使用しなくてはならない。この場合はMS-DOS相当の段階で認識させるため、ホットプラグに対応しないものも多い。 Windows 9xをインストールするときに光学ドライブのような重要なストレージがPCカード経由で接続されている場合にはインストールが完了するまでMS-DOS用のドライバを使い続けなくてはならないため、PCカードスロットの32ビットドライバはインストールされない。この場合はインストール完了後に32ビットドライバに置き換えることが推奨されている。32ビットWindowsであえてリアルモードドライバを使用するケースとしては、Windows起動初期の段階から認識させる必要のある機器のほか、PCカード側で32ビットドライバが用意されていない場合なども挙げられる。例えばPC-9821Ne等に搭載されたJEIDA4.1/PCMCIA2.0規格のPCカードスロットの場合、Windows 95にはPCカードスロット側の32ビットネイティブドライバは用意されているものの、PCカード側の32ビットドライバがJEIDA4.2/PCMCIA2.1以降のPCカードスロットにしか対応していないというケースが少なくなかった。しかしMS-DOS/Windows 3.1用ドライバであればJEIDA4.1/PCMCIA2.0にも対応していたというPCカードもあるため、そのようなものはPCカードスロットをMS-DOS用ドライバで運用する形で利用できる可能性がある。このほか、DOS用ドライバとWindows用ドライバでは機能が異なるようなPCカードも挙げられる。一例としてPC-9800シリーズ用サウンドカードCF-VEW213P(パナソニック)やLPM-SU98(ロジテック)を例に取ると、DOS用イネーブラはFM音源だけを有効にするもので、Windows用ドライバはPCM音源だけを有効にする排他仕様である。このためWindows上でどうしてもFM音源を使用したい場合にはPCM音源の使用を諦めて、PCカードスロットともどもDOS用ドライバのみで認識させるしか方法が無かった。
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