ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 | Variationen über ein Thema von Paganini Op.35 | 作曲年: 1862-1863年 出版年: 1866年 初版出版地/出版社: Rieter-Biedermann |
作品解説
1862年、ブラームスは生活の本拠をウィーンに移した。彼は、ここで出会った名ピアニスト、カール・タウジヒ(1841~1871)の技巧に、完全に魅了された。彼はブラームスと正反対と言えるくらいに性格が違っていたが、二人はすぐに意気投合し、一緒に演奏や議論を楽しんだ。
ブラームスはシューマンの作品3と作品10、リストの〈パガニーニの主題による練習曲〉の先例をみるにつけ、自分もそういう練習曲をつくってみようとも考えていた。そこに、このタウジヒが、パガニーニの主題による華やかな変奏曲をかかないか、とブラームスに提案したことが、作曲の動機となった。
この作品35の変奏曲は、各14の変奏からなる2冊のものとなっており、合計28の変奏がある。各変奏ごとに演奏技巧上の問題をつぎつぎと提示しており、技巧的に至難ともいえる練習曲である。ブラームスは、この曲に、「精巧な指のためのピアノの練習曲」と記した。主題は2冊ともパガニーニの無伴奏ヴァイオリンのためのカプリス第24番イ短調からとられている。
リストの弟子、ローゼンタールがこの曲を演奏するようになったとき、リストは、「このブラームスの曲は、自分のよりよい」と言った。しかし、さらにつづけて、「だが自分のはこれよりも10年以上も前につくられているのだ」と付け加えることも忘れなかった。
また、ローゼンタールが、これら28曲は続けて演奏されるべきものかどうかブラームスに問うたところ、ブラームスは「第一冊のあと休みをとればよい。しかしそれでも聴衆が満足していないようであれば、次の第二冊に移ればよい」と冗談を言ったということである。
初演は、チューリヒで1865年11月、ブラームス自身によって行われ、また、1867年3月、ベルリンでタウジヒが演奏を行った。また、作品は、ブラームスの弟子、エリーザベト・シュトックハウゼンに献呈されている。
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