VG-1、VG-2、VG-3、VG-5
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 05:24 UTC 版)
「国民突撃銃」の記事における「VG-1、VG-2、VG-3、VG-5」の解説
VG-1は、ワルサー社が設計したVGである。原始的な回転式ボルトアクション方式小銃である。機関部は棒材から削り出された粗雑なもので、前方に2つのロッキングラグを備え、ボルトハンドル自体が3つ目のラグの役割を兼ねる。トリガーメカニズムの部品は全てプレス加工によって成形されている。安全装置も非常に簡易なもので、用心鉄に固定されたプレス加工鋼のレバーが引き金の後ろにあるのみである。安全状態では、このレバーによって引き金の動きが阻害される。解除する際には単にレバーを側面へ起こすのである。銃床は入手可能なあらゆる木材から成形されたもので、表面処理は粗雑だった。至近での射撃のみを想定した固定式照準器を備えていた。銃身はあらゆる銃器のものが流用された。給弾にはG43自動小銃用の着脱式箱型弾倉が用いられた。製造は複数の企業で行われ、製造元によって細部の設計に差が見られる。戦後の推定によれば、VG-1を量産した場合の1丁あたりのコストは5ドル以下とされた。 VG-2は、シュプレーヴェルク(ドイツ語版)社が設計したVGで、VG-1と類似の機能を備えたボルトアクション式小銃である。ボルトアクション方式小銃としては珍しく、プレス加工によって成形された機関部を備えた。銃身には空軍が保有した余剰の機関銃用銃身が流用された。弾倉はG43用のものが使用できた。VG-1およびVG-2は、弾倉を交換することはできたものの、挿弾子を使うことはできなかったので、国民突撃隊員には予備の弾倉が支給されなくなると、射撃の際に弾倉を取り外し1発ずつ手作業で装填を行わなければならなかった。 VG-3あるいはVG45は、ラインメタル社が設計したVGで、7.92x33mm弾を使用するボルトアクション式小銃である。VG-1および2と異なり、VG-3は制式採用には至っていないものの、2万5,000丁分の発注が行われた記録がある。ただし、製造工場が爆撃によって破壊されたため、本格的な生産は行われなかった。また、エルマヴェルケでもVG-3と概ね同型の7.92x33mm弾仕様のVGが設計されていたが、極めて少数の試作品のみ確認されている。 VG-5あるいはVK-98(Volkssturm-Karabiner 98)は、ステアー社が設計したVGで、非常に単純化された単発式ボルトアクション式小銃である。Gew98と同等の機関部を使用してはいたものの、内蔵弾倉を備えておらず、射撃ごとに1発ずつ薬室へ銃弾を装填しなければならなかった。銃身はGew98のほか、加工した余剰の機関銃用銃身なども用いられた。照準器は固定式で、安全装置も備えていなかった。
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