USロボティクス買収と市場の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/08 09:39 UTC 版)
「スリーコム」の記事における「USロボティクス買収と市場の変化」の解説
1997年、スリーコムはUSロボティクスと合併(事実上吸収)した。同社はモデム製造の大手であり、パームを傘下に納めていた。また、ダイヤルアップ・アクセスサーバ "Total Control Hub" シリーズでも知られていたが、スリーコムではこれを "Total Control 1000" として販売。1990年代中ごろインターネットが急激に成長したためISPがそういったアクセスサーバを大量に必要とし、シスコシステムズのAS5200アクセスサーバと対抗した。Total Control シリーズの製造部門は後にCommWorksの一部としてスピンオフされ、UTスターコムに買収された。 1998年8月、Bruce Claflin が COO(最高執行責任者)となった。モデム市場は急速に縮小していたため、スリーコムはDSL機器事業に進出したが、成功には至っていない。 サーバ用ネットワークカード (NIC) 事業はNIC市場でも最も利益率が高いが、スリーコムはここでインテルに次ぐ2位のシェアを占めていた。スリーコムはBroadcomとのジョイントベンチャーも行ったが、インテルを打ち負かすことはなかった。また、ギガビット・イーサネットカードの開発も社内で始めたものの、計画は中止された。後にブロードコムとジョイントベンチャーを始め、Broadcom の開発したASICを使ったアダプタを作り、スリーコムのブランド名で売ろうとした。そのベンチャーも後に空中分解し、スリーコムはギガビット・イーサネット製品を自力で開発する力を持っていなかった。 1999年、スリーコムは NBX というボストンの会社を買収した。これは中小企業向けのイーサネットベースの電話システムを販売している会社である。この製品はスリーコムの販売網で人気となり、目覚しい成長を見せた。完全なネットワーク電話システムを提供した最初の企業として、スリーコムはIP電話の技術の実用化に一定の貢献をしたと言えるだろう。 2000年3月、スリーコムはハイエンド・ルーター事業から撤退し、2000年6月には関連製品の販売が終了したが、これは顧客だった大手企業の怒りを買った。顧客はエクストリーム・ネットワークスやモトローラの製品に移行した。 2000年7月、パームを独立させた。株式公開後もスリーコムはパームの株式の80%を保有しているが、スリーコムの時価総額はパームの時価総額よりも小さかった。また、このとき同時にUSロボティクスも独立させた。
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