The Doom That Came to Sarnathとは? わかりやすく解説

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サルナスの滅亡

(The Doom That Came to Sarnath から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/28 07:32 UTC 版)

サルナスの滅亡』(サルナスのめつぼう、The Doom that Came to Sarnath)は、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説。ラヴクラフト神話クトゥルフ神話ドリームランドのシリーズの一編。

概要

1919年に執筆され、1920年6月の同人誌『ザ・スコット』44号に発表された。後に『マーヴァル・テイルズ・オブ・サイエンス・アンド・ファンタシイ』1935年3・4月号に掲載され、作者没後に『ウィアード・テールズ』1938年6月号に再録された[1]

作者は、夢に見た情景を小説として執筆したものであると、友人ギャラモ宛の1919年12月11日付書簡にて述べている[2]。同様に執筆された作品は他にも存在する。

翻訳者の大瀧啓裕は、ダンセイニ卿からの影響が大きいことを指摘しつつ、かつ濃厚なホラーである点が際立って異なると解説する[1]

作品内容

ムナール地方という、非現実風の土地を舞台としている。後年発表の作品にて、ドリームランドを舞台としているということが判明する。

あらすじ

ムナールの地では、両生類めいた種族が灰色の石造都市イブを築き、水蜥蜴神ボクラグを崇拝していた。やがて人間たちがムナールに移り住んで幾つかの町を作り、湖畔にはサルナスの都市が建造される。サルナスの民は、イブの種族を忌まわしく思い、軍を出兵させ、彼らを滅ぼす。ボクラグの神像は戦利品に持ち帰られたが、大神官が怪死を遂げ、神像は行方不明となる。

サルナスは大いに栄え、幾多の年月が経過する。サルナスでは毎年イブの滅亡を祝う祭りが開かれた。そして千年目の大祝祭の夜、事が起こる。ボクラグの呪いがサルナスに降りかかり、サルナス5000万の民は全員が奇怪な水蜥蜴のごとき姿に変貌する。祭りに訪れていた都市外の者たちは、おぞましい恐怖を目撃し語り継いだ。完全に廃都と化したサルナスは水没し、跡地には水蜥蜴が這い回るのみとなる。ボクラグの神像が再発見され、怒りを恐れた人々は神像を祀る。

用語

  • ゾ=カラル、タマシュ、ロボン - サルナス三神。名前のみで詳細不明[注 1]
  • イブの生物(スーム=ハー[注 2]) - 緑色の醜悪な両生類種族。体は柔らかく、人間の軍によって容易に駆逐された。
  • ボクラグ - イブの生物たちが崇拝していた神。水棲の大蜥蜴の姿をしている。

収録

  • 創元推理文庫『ラヴクラフト全集7』大瀧啓裕訳「サルナスの滅亡」
  • 学研『夢魔の書』「サルナスをみまった災厄」
  • 国書刊行会『定本ラヴクラフト全集1』「サーナスの災厄」
  • 星海社FICTIONS『未知なるカダスを夢に求めて 新訳クトゥルー神話コレクション4』森瀬繚訳「サルナスに到る運命」

関連作品

脚注

注釈

  1. ^ リン・カーターは『クトゥルー神話の神神』でこの三神を地球本来の神々にカウントした。
  2. ^ ブライアン・ラムレイが『Beneath the Moors』にて命名した。クトゥルフ神話TRPG資料などには、この固有種名で記載されている。

出典

  1. ^ a b 創元推理文庫『ラヴクラフト全集7』作品解題 353-354ページ。
  2. ^ 創元推理文庫『ラヴクラフト全集7』夢書簡 290-296ページ。



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