SF黄金時代
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「A・E・ヴァン・ヴォークト」の記事における「SF黄金時代」の解説
カナダのマニトバ州グレトナの東にあるウィニペグの、ロシア系メノナイトのコミュニティでオランダ系移民の3世として生まれた。子供時代は『アメージング・ストーリーズ』を愛読し、20歳頃から低俗雑誌で実話風の告白ものやラジオドラマを書いていた。27歳の時にドラッグストアで『アスタウンディング』誌を立ち読みしてジョン・W・キャンベル「影が行く」に感動し、同誌編集長でもあったキャンベルに送った第2作、凶暴な宇宙生物クァールと人類との遭遇を描いた「黒い破壊者」が、『アスタウンディング』1939年7月号に掲載され、SF界にデビュー。この作品はその号の巻頭を飾り、この号からSF黄金時代が始まったと言われることがある。この小説は即座に一種の古典となり、いくつかのSF映画に着想を与えた。この作品に「神経の戦い」(1950年)、「緋色の不協和音」(1939年)、「M-33星雲」(1943年)を組み合わせて長編『宇宙船ビーグル号の冒険』(1950年)に仕立てている。 しかし翌年頃から一つ覚えの怪物屋という評も現れ、シートンの『灰色グマの伝記』をヒントにして『スラン』の第1章を書き、『アスタウンディング』1940年9−12月号に連載、キャンベルはこれに「ノヴァ・ストーリー」の称号を与え、当時の人気投票で『スラン』への投票が100%(投票者全員が1位に推した)になるという快挙を成し遂げた。スランと呼ばれる超人類と旧人類が葛藤している世界を描いたもので、類似のテーマはその後もよくヴァン・ヴォークト作品に登場する。ヴォークトの死後、晩年に残した草稿に基づく続編 Slan Hunter が、未亡人のリディアとケヴィン・J・アンダースンにより書かれて、2007年に出版された (ISBN 978-0765316752)。 1941年、専業作家となることを決め、カナダ国防省を退職した。その後数年間、大量の短編小説を書いた。1950年代になると、それらを後から繋ぎ合わせて長編に仕立て上げた(これを自身では "fixup" と呼んでいた)。
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