RS64-IV (Istart, Sstar)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/30 18:09 UTC 版)
「RS64」の記事における「RS64-IV (Istart, Sstar)」の解説
IstarとSstarは2000年に開発され、開発当初は600MHzで動作したが、後に750MHzまで動作周波数が上げられた。RS64-IIIと同様の方法でDDR L2キャッシュは16MBまでサポートされた。このプロセッサはマルチスレッディングを実装した最初に一般市場に出回ったプロセッサであった。それぞれのチップは2つのスレッドの状態を管理する情報を持ち、あたかもOSからは2つのプロセッサがあるかのように見えた。1つ目の論理プロセッサはフォアグラウンドスレッドと呼ばれるものを実行する。このスレッドが(L2キャッシュミスなどの)長い遅延を伴うイベントに出くわすと、バックグラウンドスレッドに切り替わる。これがOSから見ると2つ目の論理プロセッサになる。(L1キャッシュミスなど)「あまり長くない」遅延を伴うイベントだと、もしバックグラウンドスレッドが実行可能な状態であるならば、単にスレッドが切り替わるだけである。バックグラウンドスレッドもキャッシュミスなどで待つようなことがあると、スレッドは切り替わらない。IBMはこのやり方をcoarse grained multithraedingと呼んでいる。後にPentium 4プロセッサで見られるようなsimultaneous multithreadingと正確には同じものではない。IBMの論文には、coarse-grained multithreadingのやり方は、RS64のようなインオーダー型のアーキテクチャにはよく合っていると指摘している。POWERとは違い、1コア当たり15W以下に消費電力を低く抑えられていた。 一時POWERシリーズは競合製品の動作クロックの半分しか出ず開発が沈滞していたが、RS64シリーズはIBMの大規模SMP構成UNIXサーバ製品群をトップにのし上げた。RS-64-IVの整数演算性能と商的利用時の処理性能は、その競合であるサン・マイクロシステムズのプロセッサによく似ていた。そのプロセッサの浮動小数点演算は同時代のPOWER3-IIとは比較にはならなかったが、製品サイクルを通してその性能は競争力のあるものであった。
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