OSRFの設立以降
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「Robot Operating System」の記事における「OSRFの設立以降」の解説
2012年4月、ウィローガレージ社からROSプロジェクトがスピンアウトされ、非営利団体のオープンソースロボット財団 (Open Source Robotics Foundation; OSRF) が設立された。OSRFのコアミッションは「ロボットの研究・教育・製品開発に、オープンソースソフトウェアを使用するための開発・配布・導入の支援」とされた。2013年2月にウィローガレージ社は、オープンソースでのロボットの研究開発を主導する役割を完全にOSRFへ引き継ぐと発表した。 同年9月には、ROSの開発・管理をOSRFが引き継いで最初のディストリビューションとなる「Hydro Medusa」がリリースされた。これまでは1年に2回のペースでディストリビューションがリリースされていたが、Hydro Medusa 以降は、頻繁なアップデートを望まないユーザの意見を取り入れて、1年に1回の公式リリースとなった。この間、2012年5月には、ROSコミュニティの交流や情報共有を促進するための最初の開発者会議「ROSCon」がアメリカ・ミネソタ州のセントポールで開催され、以降、開催地を変えながら毎年開催されている。 ROSの利用範囲は学術分野を超えて製造・農業・商業分野などに広がり、ROSを搭載したロボットが製品化され市場投入されるまでになった。ROSはもともと学術分野での研究利用を主な目的として開発されてきたため、これら新たな利用分野の要求には合わない部分が目立つようになった。また、2007年のROSのリリースの後、ROSの要件に適した新技術やソフトウェアライブラリなどの開発・普及も進んだ。ROSの開発者らは、ROSのさらなる発展のために、新たな要件に対応したり、新技術を取り込んだりする方法を検討した。その結果、既存のROSを問題なく利用しているユーザへの影響を抑えつつROSの進化を図るため、次世代バージョンは既存のROSと切り離して開発されることとなった。次世代バージョンは、「ROS 2」と名付けられ、2015年8月からアルファ版のリリースが始まり、2016年からベータ版が段階的にリリースされた。そして、2017年12月8日、ROS 2の最初の正式版「Ardent Apalone」がリリースされ、2018年7月2日には更新版の「Bouncy Bolson」がリリースされている。 この間、2017年5月にOSRFは名称を「オープンロボティクス」(Open Robotics) に変更した。
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