Menelik Iとは? わかりやすく解説

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メネリク1世

(Menelik I から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/10 10:19 UTC 版)

メネリク1世Menelik I、エブナ・ラ・ハキム: Ebna la-Hakim, "Son of the Wise", 知恵の息子)は、エチオピアを統治した初代のとされる伝説上の人物。


注釈

  1. ^ 記事本文の「現エリトリアのハマシアンで誕生」は当記事の翻訳底本となった英語版ウィキペディアの記述(出典不詳)による[1]。『ケブラ・ナガスト』には、女王は「ソロモンの許を退出してから9カ月と5日後にバーラー・ザディーサールヤーという町」で出産した、とある[2]
  2. ^ 蔀勇造 訳注『ケブラ・ナガスト』に「神の掟の箱であるシオン」と記す[4]。ゲエズ語では「ツェヨーン」だが、慣用に従い同訳書では「シオン」と訳されている[5]。多義的な語であり、同書の訳注と解説を参照せよ[5][6]
  3. ^ 正確には、契約の箱(シオン)を神殿から盗み出しエチオピアへと運んだのはメネリク1世ではなく、ソロモン王がメネリク1世に仕えてエチオピアへ向かうよう命じたイスラエルの貴顕の子弟たち[7]である[8]
  4. ^ 蔀勇造 訳注『ケブラ・ナガスト : 聖櫃の将来とエチオピアの栄光』(平凡社東洋文庫)としてゲエズ語(古代エチオピア語)原典からの日本語訳がある。副題にある「将来」は“招来”の意味。参考文献節参照。
  5. ^ シバの女王をエチオピアの女王に比定し、シバの女王とソロモン王の間に生まれたメネリク1世をエチオピア初代の王とする伝説は、エチオピア正教会から公認され、エチオピア帝国が1974年9月のエチオピア革命で消滅するまでその憲法に明記されており、エチオピアのいわば民族的イデオロギーとなっていた[9]。ただし、学問上は、『ケブラ・ナガスト』は必ずしも13世紀に作られた書物とは考えられていない。専門家による成立年代の推定には大きく分けて、13世紀以降すなわちエチオピア帝国成立以降を採る諸学説(17世紀初めの成立とする説もある)と、6–7世紀の成立とする学説の2派がある[10]。アラビア古代史、インド洋交易史を専門とする蔀勇造は諸説を整理した上で本書の記述を検討し、登場人物たちが移動する地理的空間の特徴から、その中核部分は南アラビア(現在のイエメン地域)からエチオピアのアクスム王国の勢力が退けられ、その支配権が完全にホスロー1世サーサーン朝ペルシア帝国に移る西暦570–575年よりも以前に成立していたはずだと結論している[11]

出典

  1. ^ 英語版ウィキペディア「Menelik I」項、2007‎-07-05 15:04 (UTC) の版
  2. ^ 蔀勇造 訳注 2020, pp. 87–88, 「第32章 女王はどのように出産し故国に帰ったか」.
  3. ^ 蔀勇造 訳注 2020, pp. 101–109, 「第36章 ソロモン王が彼の息子と会見した条」「第37章 ソロモンが彼の息子に質問する条」.
  4. ^ 蔀勇造 訳注 2020, p. 16, 「第1章 王達の栄光について」.
  5. ^ a b 蔀勇造 訳注 2020, pp. 17–18, 「第1章 王達の栄光について」.
  6. ^ 蔀勇造 訳注 2020, pp. 448–453, 「解説(三. 本書に関わる諸問題)」.
  7. ^ 蔀勇造 訳注 2020, pp. 109–111, 「第38章 王が息子を彼らの息子達と共に送ることを企てる条」.
  8. ^ 蔀勇造 訳注 2020, pp. 154–166, 「第53章 〈車〉がエチオピアに与えられた条」「第54章 ダビデが預言してシオンを拝受する条」「第55章 エチオピアの人々の喜びに浸った様について」.
  9. ^ a b 蔀勇造 訳注 2020, p. 422, 「解説」.
  10. ^ 蔀勇造 訳注 2020, pp. 432–439, 「解説(二. 作者と著作年代)」.
  11. ^ 蔀勇造 訳注 2020, pp. 166, 439–443, 「解説(二. 作者と著作年代)」.
  12. ^ 蔀勇造 訳注 2020, pp. 445–448, 「解説(三. 本書に関わる諸問題)」.


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