MOR 555 "ワンケル・レックス"
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「ティラノサウルスの標本」の記事における「MOR 555 "ワンケル・レックス"」の解説
詳細は「ワンケル・レックス」を参照 アメリカ陸軍工兵司令部所有のMOR 555は1988年にモンタナ州のチャールズ・M・ラッセル国立野生動物保護区(英語版)内で発掘された。ワンケル・レックス(Wankel Rex)というニックネームは発見者である牧場主のキャシー・ワンケルにちなむ。ワンケル・レックスはアメリカ陸軍工兵司令部の協力の下、ジャック・ホーナーをリーダーとするロッキー博物館(英語版)の調査員たちが発掘にあたった。頭蓋骨を含む骨格の約46パーセントが保存されており、中でも初めて完全なTレックスの前肢が見つかったことが重要な点に挙げられる。全長は11.6m、体重は5.8~10.8トンと見積もられた。全身骨格のレプリカがスコットランド博物館、オーストラリア化石鉱物博物館(英語版)、カリフォルニア大学附属古生物博物館(英語版)などで展示されている。 ワンケル・レックスの死亡時の年齢は18歳で、まだ成長しきっていない亜成体であったと考えられている。ワンケル・レックスは、化石骨の中に生物分子が残っているかどうか調査された最初の標本であり、メアリー・シュワイツァー博士によってヘモグロビンを構成するヘムが発見された。 オリジナルの化石は長らくロッキー博物館に貸し出されそこで展示されていたが、2013年6月にスミソニアン協会の国立自然史博物館に50年間貸与することで合意した。2013年10月から2014年春まで一時的に展示され、2019年から展示が再開される予定である。 日本では、愛知県の豊橋市自然史博物館や群馬県の神流町恐竜センターなどで復元骨格のレプリカが展示されている。特に神流町恐竜センターのものは屋外接地面に右半身骨格を置いて産状を再現しているという特殊な展示スタイルで、触るだけでなく上に乗ることも許可されている。 ロッキー博物館の屋外に展示されているワンケル・レックスのブロンズ製全身骨格
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