M62 (天体)とは? わかりやすく解説

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M62 (天体)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/28 18:36 UTC 版)

M62
Messier 62
仮符号・別名 NGC 6266[1]
星座 へびつかい座
見かけの等級 (mv) 7.39[1]
視直径 15.0'[2]
分類 球状星団[1]
発見
発見日 1771年6月7日[3]
発見者 シャルル・メシエ[2]
発見方法 望遠鏡による観測
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  17h 01m 12.60s[1]
赤緯 (Dec, δ) −30° 06′ 44.5″[1]
赤方偏移 -0.000233[1]
視線速度 (Rv) -70.0 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -3.50 ミリ秒/年[1]
赤緯: -0.82 ミリ秒/年[1]
距離 22,500 光年[2](約6.90kpc)
物理的性質
直径 約100 光年[2]
他のカタログでの名称
Mel 159
Template (ノート 解説) ■Project

座標: 17h 01m 12.60s, −30° 06′ 44.5″ M62 (NGC 6266) はへびつかい座にある球状星団

概要

球状星団としては扁平率が高く、均整がとれていない。これは、天の川銀河の中心部から6,100光年と近くにあるため、その潮汐力が影響を及ぼしていると考えられている[2]

中心への星の密集度が高く、M15M30M70のように、これまでに星団の中心核が崩壊を起こしていた可能性がある[2]。2003年のX線天文衛星チャンドラX線観測衛星の観測では中心部で多数のX線連星が発見された。これらのX線連星は球状星団の恒星が接近・衝突する現象で生じると考えられており、M62ではそのような現象が頻繁に起きているものと想定される[2]

双眼鏡では、まわりが急に薄くなっており、彗星のように見える。さそり座M80と同じくらいである。口径20cmの望遠鏡でも見え方はあまり良くならない。口径30cmの望遠鏡では微星がボール状に集まっている様子は観測できるものの、中心部は星に分離できない。口径40cmの望遠鏡の高倍率で中心部も星に分解できる。

観測史

1771年6月7日にシャルル・メシエが発見したが、位置の測定は1779年6月4日に成されたため、カタログにはその日付で記載されている[2]。メシエは「非常にきれいな星雲で、やや彗星に似る。中心部はよく輝く。微かな光の取り囲まれている」と記している[3]。他のメシエ天体の球状星団と同様に、ウィリアム・ハーシェルによって初めて星の集まりとして分解して観測された[2]。ハーシェルは「星に分解される。M3のミニチュアだ」と記している[2]ウィリアム・ヘンリー・スミスは「大きく綺麗な分解可能な星雲。中心部が輝く。微星は中心部で急に輝く」とした[3]。1847年にはジョン・ハーシェルによって扁平率が高いことが記録されている[3]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME M62. 2016年3月22日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2007年8月30日). “Messier Object 62”. SEDS. 2016年3月22日閲覧。
  3. ^ a b c d Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2005年3月30日). “Messier 62 - Observations and Descriptions”. SEDS. 2016年3月22日閲覧。

参考文献

関連項目




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