椎間円板
学名:Discus intervertebralis
【英】:Intervertebral disc
椎間円板は椎体間にあって厚い円盤状をなすが、脊柱の部位によりその厚さは異なる。また個々の円板ではその中央部がもっとも厚く、辺縁がやや薄い。円板の厚さが絶対的に、また隣接する椎骨の厚さと相対して厚いほど、椎骨の可動性が大きい。胸椎の中位の椎間円板はそのいずれの意味でも最も薄い。また、頚椎と腰椎では椎間円板の前縁が後縁よりやや厚い。椎間円板の上下面は椎体の面を被う硝子軟骨層と固く結合し、組織的には明瞭な境界がなくて移行する。(1)線維輪:外周を輪状に走る部分。(2)髄核:中央にあって弾性に富む。胎生期の脊索の遺物といわれる。胎児の椎間円板中には、この部でとくに太くなる脊索が明瞭である。成人でも髄核組織の一部が脊索の遺物にあたる。椎間円板は単に椎体を結合するのみではなく、弾性体として脊柱の運動および体重をささえることに重要な役割を果たしている。脊柱の屈伸に際して椎間円板の屈側は低く圧迫され、伸側は引き延ばされるが、線維輪のラセン状の線維配列はこのような外力に対する抵抗と、変形のあとの復元とに大切な意義を有する。また、髄核はかたい線維輪のなかにあって、あたかも水枕のように作用し、圧をすべての方向に分散させるとともに屈伸に向かって若干おしつけられる。
椎間板
(INTERVERTEBRAL DISC から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 15:40 UTC 版)
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椎間板 | |
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2つの腰椎とその周辺の靱帯の正中矢状面(左側中央が椎間板)
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上から見た肋横突の関節(中央上部が椎間板)
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概要 | |
表記・識別 | |
ラテン語 | disci intervertebrales |
MeSH | D007403 |
ドーランド /エルゼビア |
d_22/12300697 |
グレイ解剖学 | p.289 |
TA | A03.2.02.003 |
FMA | 10446 |
解剖学用語 |
椎間板(ついかんばん)、または椎間円板(ついかんえんばん)は、椎骨と呼ばれる脊柱を構成している一つ一つの骨の間に存在する円形の線維軟骨。ゼラチン状の髄核とコラーゲンを含む線維輪から成っており、椎骨にかかる衝撃を吸収する。また、椎骨の微妙な動きを可能にする軟骨関節を形成し、靭帯とともに脊椎を保持する役割を持つ。
構造
椎間板は、内側にある髄核と、それを囲む線維輪から成る。この線維輪は、層状に重なる構造になっており、強力な環状の繊維が均等に圧力を分散する。椎間板は日々の身体活動の衝撃を吸収し、ショックアブソーバーとしての役割を果たす。線維軟骨の部分はドーナツ状に存在しており、中心の髄核はゼリー状である。椎間板が何らかの圧力によって前方または背面に移動し本来の位置から逸脱すると、椎間板の近くに位置する神経に圧力をかける可能性がある。これが、坐骨神経痛や椎間板ヘルニアとなる。
椎間板の数
脊椎には、各頚椎の間に6つ、胸椎の間に12、腰椎の間に5、あわせて23の椎間板がある。
椎間板に関連する医療
人は加齢により、髄核から水分が減り、ショックの吸収能力を徐々に失う。線維軟骨もまた、年齢とともに弱くなる。これにより、慢性的な痛みを引き起こす可能性がある。
その他の画像
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人工椎間板
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胸部の後縦靱帯
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肋骨部分の脊柱の関節
関連項目
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