IBM の Initial Program Load
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 22:50 UTC 版)
「ブート」の記事における「IBM の Initial Program Load」の解説
IBM ではブート処理を IPL (Initial Program Load) と呼ぶ。System/360の設計に由来する用語であり、今でも使われている。System/360の場合、オペレータが16進3桁のデバイスアドレス (CUu; C=I/O Channel address, U=Control unit address, u=Device address) を指定し、LOAD ボタンを押下する。System/370と以降のシステムでは、スイッチ群とLOADボタンの代わりに、グラフィックス・コンソール上の選択エリアを使用する。グラフィックス・コンソールとしては IBM 2250(英語版) 系と IBM 3270 系がある。例えば System/370 Model 158 では、"07X" とキーボードから入力すると入力エリアにキー入力したデバイスアドレスからのIPLが実行される。Amdahl 470V/6 などは16進4桁でデバイスアドレスを指定する。 System/360 の IPL はオペレータ指定のデバイスか事前定義されたデバイスのゼロ番地の位置から24バイトをロードする。そのうち2番目と3番目の8バイトグループがチャネルコマンドワード(CCW)として解釈され、さらに続けてスタートアッププログラムがロードされる。I/Oチャネルコマンドが完了すると、1番目の8バイトグループをステータスレジスタ(PSW)にロードし、指定された位置からスタートアッププログラムの実行を開始する。System/360 やその後継のシステムでは、IPL はハードウェア機能であり、システム上で動作するプログラムではない。事前に定義されたI/Oチャネルコマンドが起動され、デバイスを直接選択し、スタートアッププログラムをメモリ上にロードする。同じプロシージャがディスク装置だけでなく、テープドライブやカードリーダなどからもスタートアッププログラムをロードする。 指定されたデバイスは実際のオペレーティングシステムを主たるストレージからロードする専用プログラムを格納していなければならない。これを "IPL Text" と呼び、ディスクにこれを置くには DASDI (Direct Access Storage Device Initialization) プログラムかそれと等価なプログラムをOS上で実行する。なお、IPL対応の磁気テープやカードデッキは "IPL Text" が存在する状態で配布されている。
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