HIV消耗症候群
【概要】 エイズ指標疾患の一つ。HIV感染症が進行して、1ヵ月以上発熱や下痢が続いたり、意図しない10kg以上の体重減少が現れたもの。
【原因】 食事摂取の低下、代謝異常、吸収の低下、下痢などが組み合わさっている。特に性腺機能低下など内分泌代謝異常が注目されており、炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、TNFα)の関与が加わっている。
【診断】 確定的な診断法ではないがサーベイランスの目的のためには、以下のすべてに該当するもので十分である。 1)通常の体重の10%を超える不自然な体重減少。 2)慢性の下痢(1日2回以上、30日以上の継続)又は慢性的な衰弱を伴う明らかな発熱(30日以上にわたる持続的もしくは間歇性発熱)。 3)HIV感染以外にこれらの症状を説明できる病気や状況(癌、結核、クリプトスポリジウム症や他の特異的な腸炎など)がない。
《参照》 エイズ、 サイトカイン、 腫瘍壊死因子、 HIV消耗症候群の治療

HIV消耗症候群の治療
【治療】 HIV消耗症候群の治療法としては、1)抗HIV薬の使用でHIV増殖を抑えること、2)ドロナビノールや酢酸メゲステロール(日本では未発売)という食欲増進剤、3)栄養補給、4)組み換え型ヒト成長ホルモン製剤(セロスティム)、5)蛋白同化ステロイド、がFDAの認可済みである。アメリカではTNFαを抑えるサリドマイドの小規模な治験も開始されている。

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