GEの大型メインフレーム市場参入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/22 06:38 UTC 版)
「GE-600シリーズ」の記事における「GEの大型メインフレーム市場参入」の解説
1959年、John Couleur の率いるチームは軍の MISTRAM プロジェクトのために開発を開始した。MISTRAMは様々なプロジェクト (アポロ計画など) で使用された追跡システムであり、アメリカ空軍はケープカナベラルから発射方向に沿って配置された追跡基地に設置するデータ収集コンピュータの開発を要求したのである。収集されたデータはその後ケープカナベラルにある36ビットのIBM 7094に送られる。従ってそのコンピュータは36ビットワードで設計されることになった。空軍が何故IBM 7094をもう1台使うという選択をしなかったのかは謎である。GEは M236 と呼ばれるマシンを開発し、36ビットワードを採用したため非常に 7094 に似たアーキテクチャとなった。 GEは、制御用/産業用などのコンピュータは真剣に取り組んでいたが、一般の商用コンピュータ市場に参入することは意図していなかった(ただし、小型機 (GE-200シリーズ) は既にあった)。しかし1960年代初期、GEはIBMメインフレームの最大の顧客であり、自前でコンピュータを開発して情報処理部門のコストを削減するというのは素晴らしい方法のように思われた。開発費用はIBMへの1年間のレンタル料と同程度と見積もられた。GE社内の多くは懐疑的であったが、内部抗争を経て M236 を商用化するという決定が1963年2月になされた。 当初の機種はGE-635と、それより低速だが互換性のあるGE-625である。ほとんどはシングルプロセッサシステムだったが、635 は2プロセッサを構成することができ、初期の汎用SMPシステムのひとつと言える。さらに小型のGE-615も発表されたが、これが実在していたかどうかは不明である。 後述するMulticsの宣伝効果もあって、GE-600シリーズは好調な受注を記録していた。しかし、磁気テープ装置でたびたび故障が発生し、プロジェクト全体に影を落とすこととなった。1966年、GE は受注を停止し、既に受けた注文もキャンセルした。1967年、問題は解決し、改良されたGECOSオペレーティングシステムと共に再出発することになった。 GE-635 は1965年ごろからDartmouth Time Sharing Systemでも使われた。
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