GEの交渉姿勢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 15:20 UTC 版)
「福島第一原子力発電所1号機の建設」の記事における「GEの交渉姿勢」の解説
松永は掛川との対談で両国の契約の文化的相違についても触れている。具体的にはまず、交渉に当たりGEが提示した契約書を翻訳して参照したが、日本語と英語でのニュアンスの差は翻訳文では埋められず「原文に当たらんと、十分な理解はできない」状況だった。中味の相違点としては、日本の契約が表向き双務契約の形式を取っていても実際には「価格で面倒みるから」と電力会社側にリスクを持たせる片務契約であったのに対して「リスクをあなたが持ってくれたら、価格はこうします」と明瞭化されており、「向こうに有利になるようにしか書いてないように感じた」という。更に、「こういう場合は、こういうものを注文する事が出来る。価格は協議する」式の日本流契約は欧米では無効の契約で、「金額をいくら積み増しします」と明記しておかなければ効力を発生しないという発想で書かれていたという。 交渉席にて書記を務めた井上琢郎によると、GE側の交渉責任者クレイグは容易に妥協しない人物で、当時のGE社の原子力発電に対する圧倒的優位性を具現化するような状況であった旨を回顧している。一方、井上の視点では、松永長男、松岡実(当時資材部長)は東京電力側の主張を理論的に整理して提示したため、「この種の交渉の成否は、交渉者の資質に依る所が大きい」「欧米人相手の場合、論理的に明確な主張が出来ることが、必須条件」と述べている。
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