好調な受注
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 05:48 UTC 版)
1986年4月のロールアウト時点において、A320には15社から450機を超える受注が集まっていた。そして同年10月には、ノースウエスト航空から100機のA320を受注した。米国の主要な航空会社がエアバス機を大量発注したことに、米国の航空機メーカーは衝撃を受けた。慌てたボーイングは金額を空白にした737の注文書をノースウエスト社長に送付したとも言われるが、ノースウエストを翻意させることはできなかった。 ただし、燃料価格は1980年代初頭の予測ほどは上昇しなかったことから、A320の直接運航費は期待したほど有利とはならず、機体価格の安い既存機を選択する航空会社も多かった。A320の仕様策定に影響を与えたデルタ航空はMD-80を、ユナイテッド航空は737を選択していた。それでも1992年には、3年越しの交渉の末にユナイテッド航空から大量受注を獲得し、エアバスは米国市場に本格進出を果たした。 A320が北米で受け入れられたのは、機体そのものが魅力的だったこともあるが、エアバスが戦略的な価格を提示したためだとの指摘もある。提示価格はカタログ価格の4割引とも言われ、エアバスに金融支援していたイギリス政府から苦情が出るほどだった。しかしこれは単なる安売りではなく、開発計画が進行していた双通路機のA340やA330の商談に繋げるためのエアバスの戦略であった。
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