DNMT3
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/06 06:36 UTC 版)
「DNAメチルトランスフェラーゼ」の記事における「DNMT3」の解説
DNMT3はヘミメチル化されたCpGとメチル化されていないCpGを同率でメチル化することができるDNAメチル基転移酵素のファミリーである。DNMT3の構造はDNMT1と類似しており、触媒ドメインに調節ドメインが結合した構造をしている。DNMT3はDNMT3A、3B、3Lという3つのメンバーが知られている。DNMT3AによるCpG配列のメチル化はDNMT1よりもかなり遅いが、DNMT3Bよりは速い。非CpG配列に対する相対的活性はDNMT3AよりもDNMT3Bのほうが高く、両者の配列選択性には若干の差異が存在する。DNMT3AとDNMT3Bはメチル化非依存的に遺伝子発現の抑制を媒介することができる。DNMT3Aはヘテロクロマチンタンパク質HP1(英語版)、ヒストンメチル基転移酵素SUV39H1(英語版)と相互作用する。これらはDNMT1とも相互作用し、DNAメチル化とヒストン修飾を直接連結している可能性がある。 DNMT3LはDNAメチル基転移酵素モチーフを持っており、母親由来のゲノムインプリンティングの確立に必要であるが、メチル化活性は持たない。DNMT3Lは、ゲノムインプリンティングが起こる配偶子形成(英語版)の際に発現している。DNMT3Lの欠失によって、通常は母親由来のアレルからの発現が起こらない遺伝子でも両方のアレルから発現が起こるようになる。DNMT3LはDNMT3A、DNMT3Bと相互作用し、核内で共局在している。DNMT3Lはメチル化を行わないが、転写抑制に関与している可能性がある。
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