Cantarellとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Cantarellの意味・解説 

Cantarell

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/12 22:28 UTC 版)

Cantarell
様式 サンセリフ
分類 ヒューマニスト
デザイナー デイヴ・クロスランド
制作会社 Abattis
制作年月日 2009年
最新版 0.303[1]
最新発表日 2021年9月13日
ライセンス SIL Open Font License
ウェブサイト cantarell.gnome.org

Cantarellは、GNOMEユーザインタフェースにおいて、バージョン3.0からバージョン48まで標準で採用されていた書体であり、Bitstream VeraおよびDejaVuに代わるものである。このフォントは2009年にデイヴ・クロスランドによって制作された。

GNOME(バージョン3からバージョン48)を搭載するオペレーティングシステムでは、このフォントファミリーが標準で含まれていた。その中には、例えばFedoraなどがあり、Red Hat Enterprise LinuxではこのフォントファミリーがGoogle Fontsのディレクトリに含まれており、Webサイトでの使用が可能である。一方、Ubuntuでは採用されておらず、代わりにUbuntu書体が使用されている。

GNOME 48以降、Cantarellはユーザインタフェースの標準書体としてAdwaita Sansに置き換えられた[2]

歴史

2009年、Cantarell書体はデイヴ・クロスランドがレディング大学で書体デザインを学んでいた際に最初に設計された[3]。2010年、GNOMEが3.0リリースに向けてこの書体を採用し、フォントのソースはGNOMEのGitリポジトリに移された[4]。このリポジトリでフォントは維持されており、ヤクブ・スタイナーやプージャ・サクセーナなど、さまざまなデザイナーが貢献している。2013年、プージャ・サクセーナはGNOME Foundationの「女性のためのアウトリーチ・プログラム」インターンシップに参加し[5]、デザインおよび言語対応の改善を担当した[6]。2014年、プージャはGoogle Fontsから資金援助を受け、デザインをデーヴァナーガリー文字に拡張したが、避けられない縦方向のメトリクス調整が必要となったため、このファミリーは新たに『Cambay』という名前で公開された[7]。Cantarellに由来する別の書体にはPetra Sansがある[要出典]

GNOME 3.28(2018年3月)では、フォントが再設計され、ライトおよびエクストラボールドの2つのウェイトが追加された[8]

批判

Cantarellは当初、自由ソフトウェアコミュニティから批判と支持の両方を受けた。GNOMEによるCantarellの使用は、デスクトップアプリケーションにおける可読性を低下させる、カーニングが行われていない、字体の形状が歪んでいる、などの批判があった[9]。一方でこのデザインを評価するユーザーもおり、「スタイリッシュで美しく、何よりもくっきりしていて読みやすい」と称賛されることもあった[10]。初期のリリースノートでは、画面上での可読性を重視して設計されたと記されていた[11]

GNOMEの選択はまた、Cantarellが一部のラテン文字言語にしか対応しておらず、以前使用されていたDejaVuフォントよりも対応言語が少ないという理由でも批判された[12]。フォントが最初に公開された際、クロスランドは他の人々に言語対応の拡張を呼びかけた[11]。この試みは2013年にサクセーナがキリル文字への対応を開始したことでようやく本格化した[6]

Cantarellには、ネイティブのイタリック体オブリーク体の字体が含まれていない[13]

関連項目

脚注

  1. ^ Index of sources/canterell-fonts”. GNOME. 2025年4月13日閲覧。
  2. ^ #185 Adwaita Sans” (英語). thisweek.gnome.org (2025年1月31日). 2025年3月1日閲覧。
  3. ^ Work from the MA typeface design class of 2009”. typefacedesign.org. 2014年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月17日閲覧。
  4. ^ Cantarell, a Humanist sans-serif font family”. GNOME GIT source code repository. 2020年1月27日閲覧。
  5. ^ OutReachProgramForWomen - GNOME Wiki!”. GNOME.org. 2013年11月10日閲覧。
  6. ^ a b Saxena, Pooja (2013年5月29日). “Becoming an OPW intern”. Pooja Saxena. 2013年11月10日閲覧。
  7. ^ Saxena, Pooja. “Google Fonts Cambay”. Google Fonts. 2016年1月19日閲覧。
  8. ^ GNOME 3.28 Release Notes”. help.gnome.org. 2018年3月15日閲覧。
  9. ^ Fortin Tam, Jean-François (2011年4月13日). “On Cantarell”. fortintam.com. 2020年1月27日閲覧。
  10. ^ Martin, Chema (2011年10月25日). “Cantarell, a new favorite font of mine”. Chema Martin. 2013年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月10日閲覧。
  11. ^ a b Crossland, David (2011年7月23日). “Cantarell”. Dave Crossland. 2011年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月19日閲覧。
  12. ^ The Grumpy Editor's GNOME 3 experience”. LWN.net. 2011年8月17日閲覧。
  13. ^ Generated obliques have no hinting applied to them (#16) · Issues · GNOME / Cantarell-fonts” (2020年1月2日). 2025年4月13日閲覧。

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  Cantarellのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Cantarell」の関連用語

Cantarellのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Cantarellのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのCantarell (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS