SIL_Open_Font_Licenseとは? わかりやすく解説

SIL Open Font License

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/29 07:49 UTC 版)

SIL Open Font License
作者 国際SIL
バージョン 1.1
リリース日 2007年2月26日 (18年前) (2007-02-26)
DFSGとの適合性 Yes[1]
FSFの承認 Yes[2]
OSIの承認 Yes[3]
GPLとの適合性 No[2]
コピーレフト Yes[2]
ウェブサイト scripts.sil.org/ofl
テンプレートを表示

SIL Open Font License (OFL) は、国際SILが自身で開発や支援を行っているUnicodeフォントに対して使用するために定義されたオープンソースライセンス[4]である。OFLは主要なフォントライセンスの一つであり、フォントの埋め込み、または「バンドル」を商業利用内においても許可している[5][6]

このライセンスはフリーソフトウェア財団 (FSF) によって自由ソフトウェアライセンスであると認定されている[2]

歴史

OFLは、国際SILの社員であるヴィクター・ゴールトニーとニコラ・スパリンガーによって作成された[7][8]。ゴールトニーは以前にGentium英語版フォントをデザインしており、既存のフォントライセンスに満足していなかった[7]

OFLは、Gentium Plus、Charis SIL英語版Andika英語版を含むSILの多くのUnicodeフォントで使用するために設計された[9]。ライセンスは2005年から2007年の間「公開レビュー」段階にあり[8]、2007年2月にバージョン1.1が公開された[8]

OFLのリリース以前、Bitstream Veraフォントは2003年にほぼ同じ条件の下で公開されていた[10]

OFLはデザイナーの間で人気があり、多くのオープンソースフォントがOFLを使用している[11]。また、アメリカ政府が作成したフォントのライセンスとしても使用された[12]

要件

OFLは自由ソフトウェアライセンスであり、そのためフォントの使用、改変、配布が自由に許可されている。ただし、 コピーレフトライセンスであるため、生成されたフォントもOFLの下にある必要がある。また、GPLと両立しないライセンスとしてFSFから分類されており、SILやFSFはフォント以外のコンテンツに対して適用することを推奨していない[2]

著作権者はフォントの名称を「予約フォント名」として宣言することができ、改変されたバージョンはその名称を使用できない(ウェブフォントのサブセット化を含む)。このライセンスは対象となるフォントの文書への自由な埋め込みを、いかなる条件の下でも許可している。

このライセンスはフリーソフトウェア財団(FSF)[2]およびDebianプロジェクトによって自由なライセンスと見なされている[1]。OFLフォントを単独で販売することは認められないが、アプリケーションに同梱する場合やフォント集など他のフォントやソフトウェアも含まれる場合は販売できる[13]。したがって、Hello worldのような簡易なプログラムであっても同梱することで回避できるため、FSFが自由ソフトウェアライセンスと公認するにあたり無害な制約と判断された[14]

脚注

  1. ^ a b The DFSG and Software Licenses” (英語). Debian. 2025年3月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f Licenses for Fonts – SIL Open Font License 1.1”. gnu.org. 2025年3月29日閲覧。
  3. ^ SIL OPEN FONT LICENSE (OFL-1.1) | Open Source Initiative”. 2025年3月29日閲覧。
  4. ^ The SIL Open Font License” (英語). 2025年3月29日閲覧。
  5. ^ Garish, Matt; Gylling, Markus (2013). Epub 3 Best Practices. O’Reilly Media, Inc.. p. 139. ISBN 978-1-449-32914-3. オリジナルの3 November 2019時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191103091907/http://www.uvm.edu/~choman/ebooks/EPUB%203%20Best%20Practices.pdf 
  6. ^ Question: 1.15 What about distributing fonts with a document? Within a compressed folder structure? Is it distribution, bundling or embedding?”. OFL-FAQ web version (1.1-update7). SIL International (2023年11月27日). 2025年3月29日閲覧。
  7. ^ a b Suehle, Ruth. “Then, now, and the future of open source fonts” (英語). Opensource.com. 2021年3月5日閲覧。
  8. ^ a b c SIL Open Font License (OFL)”. 2025年3月29日閲覧。
  9. ^ OFL fonts”. SIL Open Font License. 2023年12月11日閲覧。
  10. ^ Bitstream Vera Fonts – April 16, 2003 – GNOME” (英語). 2021年3月5日閲覧。
  11. ^ Wagner, Josh; Stein, Joel (2020年8月21日). “Goldman Sachs Has Money. It Has Power. And Now It Has a Font” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2020/08/21/business/goldman-sachs-font.html 2021年3月5日閲覧。 
  12. ^ Why the US Government Just Made Its Own Font, Open Sans” (英語). www.vice.com. 2021年3月5日閲覧。
  13. ^ OFL-FAQ Q: 1.5” (2010年9月19日). 2016年3月7日閲覧。(英語)
  14. ^ Bruce Byfield (2006年3月3日). “フリー・フォント・ライセンスの現状”. sourceforge.jp. http://sourceforge.jp/magazine/06/03/03/0329203 2013年1月20日閲覧. "FSFのGPL Compliance EngineerであるDavid Turnerは、FSFはSIL Open Fontライセンスのこうした制約に懸念を抱いていたが、そうした懸念が霧散してしまうほど回避は容易だとさえ言う。" 

関連項目

外部リンク





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